「アイキャントストップラビングユー、銀ダラに首ったけ」
『孤独のグルメ Season7』聖地巡礼、今回は千葉県浦安市にやって来ました。浦安といえば Season1 に登場した静岡おでんの店(元々は新浦安にあったのが、震災の影響で浦安に移転。しかしその店も 2014 年末に閉店したようです)が思い出されますが、Season7 で六年ぶりに浦安がドラマの舞台となりました。
浦安で降りたの、本当に静岡おでんの聖地巡礼以来。なんだか懐かしい。
浦安駅のすぐ近くを流れている「猫実川」という川沿いを十分あまり歩いて行きます。
ここが今回の聖地。放送からあまり時間が経っていないこともあって、まだ 11 時過ぎにもかかわらず二軒先の民家の前まで行列ができていました。
とりあえず最後尾について、順番を待つ。
それにしても…この地元のスナックにしか見えない外観。外からは中の様子が見えないこともあって、こりゃあ一見じゃ入ろうとは思えないな。
行列には地元民らしき人も並んでいたんですが、「私テレビ観るまでずっとスナックだと思ってた!」という話し声が聞こえてきて、そーでしょ、と(笑
この一見じゃ絶対に読めない店名は「らてん」。「ふらっと QUSUMI」の中で話があったとおり、女将さんが好きなラテンダンスから取った名だそうです。
一時間ほど並んで正午過ぎにようやく入店できました。
並んでいる最中にマスターが出てきて「銀ダラあと 20 食で終わりになります、すみません」という案内が出ました。銀ダラが食べたければ早めに並んだ方が良さそう。
店内。飲食店にしては狭くて、本当に元はスナックだった店を改装したんじゃないかという雰囲気。
そう思って見ると、女将さんも定食屋じゃなくてスナックのママっぽい気がしないでもない。店内の貼り紙も、やたらと達筆だし。
それにしてもメニュー、銀ダラ、サバ、ホッケ、マグロ…日本人の定番ど真ん中のものばかりだ。
個人的にはそんなに好きでもないカレイの煮付さえ、この店だったらうまいに違いないと思える。
壁にはけっこう有名人のサインが貼ってあります。
中でもぐっさん(山口智充さん)のサインがたくさん貼ってあって、昔からの常連として通っている様子。確かにぐっさんなら、松重さんに負けず劣らずここの魚料理をうまそうに食べるに違いない。クックドゥの CM キャラ繋がりでもあるし。
さあ、ようやく銀ダラの煮付定食(お刺身をつけて)がおいでなすった。
メインディッシュの他に刺身、味噌汁、小鉢、お新香…いろいろついていてお得感。
外食ランチってつい肉系とか中華とかキャッチーなほうに流れがちだけど、こういう魚定食が出てくると日本人の良さを再確認できる気がする。
煮魚と一緒に食べる、タレがついた白飯。うまいんだよなあ。
これが銀ダラ…色もすごいが、でかい!黒い山だ。
味は…おいしい!醤油で煮詰められてしょっぱいのかと思ったら、全然そんなことない。濃口醤油の深いコクとほんのりとした甘みのあるタレ、そこに脂の乗った大ぶりの銀ダラ。これは期待以上だ。
よく煮込まれているのに全然固くなってないし、むしろふわふわ。こんなの初めて。
確かに銀ダラだ。だけど、俺の知ってる銀ダラとは全然違う。
中は真っ白。巨大な岩山を採掘してるみたいだ。
おいしい煮付けと白飯の幸福感は、ほかの食べものでは得られないものだ。
銀ダラ、銀シャリ、銀ダラ、銀シャリ……銀のラリーが止まらない。
本当においしい。今まで食べたどんな銀ダラよりうまい。
お刺身は、イカとマグロ(トロ)。小鉢は冷奴でした。
銀ダラのインパクトの前にはこのトロ刺しやイカ刺しも少し霞んで見えるけど、150 円でこの刺身がついてくるお得感たるや。
この定食をご飯一杯でやりくりするのは絶対無理、というわけで、ここでご飯おかわり。
そういえば、子どもの頃に「お父さんだけ晩ご飯に+刺身」という日がたまにあってすごく羨ましかったのを憶えているけど、このちょっとした刺身がそういう「特別扱い」感を演出してくれて、なんだか嬉しい。
それとゴローちゃんも注文していた沖縄産もずく。
もずくっていうと酢の物にして日本酒のお供にというイメージがあるけど、これは酸っぱくない。それにシャキシャキして、断然おかずになるぞ。
これまたご飯の消費を促してくる、アシストを超えた強力な戦力だ。
というわけでほぼ完食したわけですが、この銀ダラのタレを残す手はないだろう。
ようし、こうしちゃえ。
…と思ったけど、劇中に比べるとタレの量が少なく(注文が多すぎてタレ不足気味なのかも)茶碗 1/3 くらいのご飯でも和えきれませんでした(´д`)。惜しい…。
でも、ちょっぴりだけどこの「銀ダラ残り汁絡め飯」、文句なしのうまさだ。このうまかった銀ダラの味を改めて反芻させてくれる。
たっぷりの旨味とコクとちょい苦味が混ざったこの味は、完璧なうまさの黄金比だ。
食後はコーヒーまでついてきちゃう。これだけ満足できて 1,800 円(もずく込みの価格)、ランチにしてはいい値段だけど、それ以上の価値がある。
はるばる浦安まで来た甲斐がありました。
ああ、腹いっぱい。
いやあ、史上最強の銀ダラだった。
それにしてもこんなスナック然とした外観からは想像もつかない名店があるとは、恐れ入った。
もしかしたら、ウチの近所にあるあのスナックも、本当はものすごくうまい飯を出す店なのかもしれない。その敷居を跨ぐ勇気はないけれど(笑。
ごちそうさまでした。
浦安方面に来る機会があったら、また食べに来よう。今度は鯖の塩焼き、いや、鮪の照り焼きも気になるなあ。
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