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宇宙よりも遠い場所 [Prime Video]

ある人が強烈にオススメしていたのが気になっていたところ Prime Video の見放題リストに含まれていたので、この一週間ほどで一気に観てしまいました。

宇宙よりも遠い場所

4 人の女子高生が南極観測隊に参加するお話です。

女子高生 4~5 人が主人公のアニメって『けいおん!』に代表されるような日常系なのかと思ったら、これはちゃんと目的を持ってそこに向かって突き進んでいくお話でした。4 人のキャラクターにはテンプレっぽさを感じますが、ちゃんと個性が立っていて分かりやすくはあります。

南極の昭和基地と観測船「しらせ」が民間に払い下げられたという設定(現実ではそんなことはない)で、民間の南極観測隊に女子高生 4 人が参加して南極を目指していきます。彼女らが観測隊に参加するまで、日本を出発してから観測船で南極に到達するまで、そして南極での生活が 13 話をかけて丁寧に描かれています。
南極といえば、私は世代的に子どもの頃に映画『南極物語』を観た世代で、当時就役したばかりだった「しらせ」の名前もよく憶えていますが、その程度。このアニメを観ることで南極への道程やそこでの生活が実際にどうなのかの片鱗を感じることができ、物語そのものと同じくらい、南極の実態や観測隊の生活について興味深く見入ってしまいました。今や宇宙をテーマにした映像作品は星の数ほどあって宇宙船やコロニーでの生活をイメージすることは難しくないですが、地球の果てを目指す生活がどんなものかを知れる映像作品というのは稀有だと思います。


女子高生が南極に行くというストーリーはアニメとしても異色ではありますが、その設定の中に敷かれたストーリーが実に深い。4 人のうち 3 人は心に何らかの孤独を抱えて生きていて、南極を目指す中でそれぞれに自分の孤独と向き合い、克服していきます。また「孤独」というのは家族や友達と表裏一体のものであり、彼女らが孤独を克服していく上で「友達とは何か」「親子とは何か」を考えさせられるものになっています。
友達に依存して生きてきた少女、友達に何と言われようと南極で行方不明になった母を追って自分も南極を目指した少女、友達に裏切られたことで他人と距離を取るようになった少女、芸能界に入ったことで本当の友達と言える相手を持てずに生きてきた少女。彼女たちが南極への旅を経て自分の中に軸を見つけ、「別々に暮らしていても孤独ではない」と思えるようになる成長の過程が、実に深い感動をもたらしてくれます。私は「泣ける●●」みたいな触れ込みの作品はあまり好きではないのですが、本作は一見ほのぼの日常モノっぽいタッチでありながら、ジワジワ感動させてくるところが良い。13 話あるエピソードのどこを切っても良さしかない中でも、個人的にはキマリと幼馴染みとの気持ちのズレが描かれる 5 話と、それまでほとんど陰を見せなかった日向の孤独の正体が描かれる 11 話が特に心に残っています。

普段ガンダムとマクロス以外のアニメはあまり追っかけていないのでリアルタイム(今年の 1~3 月に放送されていた)では全くノーマークだったんですが、本当に良い作品でした。見逃しても BD/DVD の発売を待たずに VOD ですぐにキャッチアップできるというのは実に良い時代になったものです。いろいろと感じるところがあったので、今度はそろそろ多感な年頃になってきた長女にも勧めてみようかと思っています。

宇宙よりも遠い場所 1 [Blu-ray]

コメント

  1. 冷凍ザリガニ より:

    普段ガンダムとか、ファフナーとか、文豪ストレイドッグスとか見てて、コレほんとノーマクだったけど見てみたら結構面白い
    (´▽`)

  2. B より:

    ですよね!!!
    ちょっと想像していた以上に面白くてハマってしまいました。今二周目を観ています(笑

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