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ユナイテッドシネマみなとみらいの FLEXSOUND Augmented Audio

ラストマイル』を鑑賞した映画館はこの春開業したばかりのローソン・ユナイテッドシネマ STYLE-S みなとみらいでした。ユナイテッドシネマって現在はローソン傘下なんですね。
立地は MARK IS みなとみらいの 5F。かつて屋内型動物園・オービィ横浜が入っていた場所ですね。

わざわざこの映画館を利用したのは、他の館とはちょっと違う設備が入っているから。

FLEXOUND – 音響体感プレミアムシート – ユナイテッド・シネマ|シネプレックス

FLEXSOUND Augmented Audio

シートにスピーカーが内蔵された「FLEXSOUND Augmented Audio」というシステムで映画の音響を楽しむことができる映画館です。このシステム自体はお台場のユナイテッドシネマにも導入されていますが、全スクリーンの全席に標準装備している映画館はこのみなとみらいが世界初とのこと。標準装備だから 4D 系や IMAX のような特別料金は追加されず、通常料金で鑑賞できます。

FLEXSOUND Augmented Audio

館内には 12 のスクリーンがあり、フラッグシップは 12 番スクリーン(298 席)となっています。18.4×7.7m の大スクリーンに対して横方向に座席が配置されており、奥行きが短いからどの席でも大画面が楽しめます。一方で他のスクリーンはほとんどが 50~80 席規模の箱形シアターで画面サイズ的な迫力は期待できそうにありません。この映画館を利用するなら大作を観たいときに 12 番スクリーンを狙うのが良さそう。

FLEXSOUND Augmented Audio

12 番スクリーン内部はこんな感じ。湾曲した巨大スクリーンはかなり映像の見応えがあります。スクリーンの両端は暗幕でマスクされているだけのようなので、より横長のフォーマット(ScreenX とか)にも対応できるのかもしれません。
またスクリーン前にはステージがあり、舞台挨拶等のイベントにも対応可能。

商業施設内にある映画館だと天井高の制限で座席に傾斜がつけられずスクリーンが見づらいことも少なくありませんが、ここはしっかりした傾斜があって前の席が鑑賞の邪魔になることはありませんでした。この点はかなり好印象。

FLEXSOUND Augmented Audio

天井には多数のスピーカー(黒い丸メッシュ)が埋め込まれているように見え、これならドルビーアトモスにも対応できそうですがシアターのスペックを見る限り単なる 7.1ch サラウンドとしか表記されていません。
また大きな白く丸い板が多数吊り下げられていますが、これは他の映画館では見たことがありません。吸音板のようにも見え、これはもしかすると後述する FLEXSOUND Augmented Audio の効果を最大化するためにあまり音が回らないような音響にわざわざしているのかもしれません。

FLEXSOUND Augmented Audio

これが FLEXSOUND のシート。通常料金のシートでもゆったりした幅があり、ファブリック系ながら座り心地は上々。追加料金のかかるプレミアムシートではさらに幅広の革張りシートになるようです。

FLEXSOUND Augmented Audio

スピーカー内蔵のシートというからてっきりヘッドレストの両脇に孔(メッシュ)が空いていてそこからスピーカーの音が出てくるのかと思っていたら、シートにはスピーカーらしき孔が見当たりませんでした。もしかすると一般的な空気振動型スピーカーではなくエキサイター(振動子)を使って座面そのものを振動させることで音を出しているのかもしれません。爆発音や低音が響くシーンでは背中が揺さぶられるような振動を感じたので、そういう効果を狙うならスピーカー+ウーファーよりも適しているはず。またスピーカーだと隣のシートのスピーカーが鳴っているのが聞こえてしまいそうですが、座面を鳴らすだけなら周囲への音漏れも少なそう。

FLEXSOUND Augmented Audio

右手のカップホルダー下にシートスピーカーのオン・オフスイッチが設けられています。大々的に光っていますが鑑賞中に視界に入ってくることはまずない位置(飲み物を置いていないとカップホルダーの内側から反射して見えてしまうのが惜しい)。映画の序盤に試しに何度もオン/オフして効果を確かめてみたところ、シートスピーカーオンの方が明らかに音の定位が向上します。また中高域の音の輪郭がハッキリしてセリフや BGM も聞き取りやすい。頭を左右に振ってみるとヘッドレストの左右あたりから音が出ているのを感じますが、スクリーンの方を向くとちゃんと前方に定位して聞こえるのが面白い。
一方でシートスピーカーをオフにすると低音偏重のボワついた音で定位も曖昧で残念な感じ。シアター内の音響はこのシートスピーカーとの併用を前提に調整されているような印象で、特別な理由がない限りシートスピーカーオンで鑑賞すべきでしょう。

座面の振動はダイナミックで爆発のあるシーンでは 4D 上映かという勢いで腹に響きます。ただし 4D 上映とは違って単純に低音成分に連動して振動するため、大型トラックが近くを通り過ぎるだけのシーンでもブルブル震えるのには参りました。仕組み上シートスピーカーと振動は個別にオンオフできなさそうなので、作品によっては振動が違和感に繋がるシーンはそれなりにありそうです。

この技術を提供する FLEXSOUND 社は自社サイトで「No remixing or recoding needed. (リミックスや専用の録音は必要ありません)」と説明しています。ドルビーアトモスのようにシアターごとの音響調整の必要もなく、通常のマルチチャンネル音声ソースを持ち込むだけで各シートに最適な定位を得られることと振動という付加価値を得られるというのがこのシステムの本質なのでしょう。どちらかというと映画館運営側にメリットの大きそうな仕組みですが、中央付近の座席でなくともある程度理想的な定位が得られるというのは利用客側にとっても恩恵が大きいと思います。が、IMAX やアトモス対応の大作で中央付近のシートが確保できるなら私はそっちを優先的に利用するかな、というのが正直な感想。逆にそうではない通常のフォーマットでしか上映されない作品なら、タイミング次第でここも選択肢に十分入れて良いと思いました。何よりみなとみらい駅直結というのがこのクソ暑い季節にはありがたい。

私のメイン映画館は川崎チネチッタ(LIVE ZOUND)と T・ジョイ品川(IMAX)というのは今後も変わらないでしょうが、ここもたまには利用しようと思います。

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