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ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー [IMAX3D] @T・ジョイ PRINCE 品川

楽しみにしていた映画を観に行ってきました。

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー

端的に感想を言うと…面白かった、んだけど期待値が高すぎてちょっと物足りなかった、というところでしょうか。

米国での興行が想定を下回ったせいか、日本での封切り前から酷評が多く、劇場に行く前からやや不安ではありました。実際のお客さんの入りも、公開初週末なのに品川の IMAX が埋まっていないというのは、前評判や「サイドストーリー含め濫発しすぎ」で注目度が下がっていることを裏付けているように感じました。

※まだ公開三日目につき、これから劇場に行くつもりの人は続きは鑑賞後に読むことをオススメします。


ストーリーは『スター・ウォーズ』シリーズの主要キャラであるハン・ソロの若き日を描いています。ナンバリングタイトルにも登場する、

  • 相棒チューバッカとの出会い
  • 愛用のブラスター入手の経緯
  • 悪友ランド・カルリジアンとの出会い
  • ミレニアム・ファルコン入手の経緯
  • 「ケッセル・ランを 12 パーセクで飛んだ」ファルコンの伝説

というくだりを初めて映像化したという意味では貴重な作品。今まではセリフで触れられるにすぎず、我々が脳内で補完するしかなかったエピソードが公式に語られます。
また天涯孤独の身だったただの「ハン青年」が「ハン・ソロ」を名乗るようになったくだりも描かれていますが、これがなんとも示唆的。邦題は『ハン・ソロ』とつけられていますが、原題『SOLO』のほうが本作のテーマには相応しいと言えます。劇中ではほとんどのキャラクターが「SOLO」であり、ラストシーンで生涯の相棒と居場所を得たハンがついに「SOLO」ではなくなって終幕、というのが実に深い。

本作の前評判を下げている要因の一つが「ハン・ソロがハリソン・フォードではない、少なくとも似てもいない」という点でしょう。これは確かにそうで、キービジュアルだけを見ていたときには私も違和感があったのですが、映画が始まったらほとんど気にならなくなりました。確かに顔は似ているとは言い難いけど、表情の作り方とかブラスターの構え方とか、かなりハリソン版ハン・ソロに寄せた役作りがされていて、確かにこれはハン・ソロの若い頃だね、と思えます。しかし、本作のハン・ソロは映画全編を通じてピュアな熱血漢であり、Episode IV 以降の「捉えどころのないニヒリスト」的な人物像への変遷が描き切れていないのがもったいないなあ、と。そうなったきっかけは描かれているんですけどね。

ハン・ソロの過去として必要なエピソードは網羅されているし、アクションシーンやミレニアム・ファルコンのチェイスシーンも個々にはとてもよくできていてカッコイイ。でも、なんか個々のエピソードを淡々と描いただけで、Episode IV に繋がっていく強いうねりのようなものが欠けていて、そこが物足りなかった要因なのかもしれません。『ローグ・ワン』のラストで Episode IV へのリンクが描かれたことで強烈なカタルシスを味わった身としては、他のサイドストーリーにも同じくらいの強さを期待してしまった。ジェダイやライトセーバーが登場しないのは時系列上しょうがないにせよ、単にキャラクターの過去を描くだけでなく「自分が知っているあのシーン」への繋がりを感じたかったのだと思います。

そういう意味では、本作は既存作品の何かに繋げて終わったわけではなく、いくつかの伏線を残したまま終幕しています。終盤で「意外なあの人」が登場したのはサプライズでしたが、あれは単なるサプライズだったのか、あるいはそこは別のサイドストーリーで語るつもりだったのか。本作の失敗で『スター・ウォーズ・ストーリー』シリーズの続編制作が打ち切られたという噂も出ていますが、続編ありきの脚本だったのだとしたらちょっと残念。どうやら「意外なあの人」はアニメ版『クローン・ウォーズ』には登場していて本作に至る経緯を知ることもできるようなのですが、あのバタ臭い絵で百話以上もあるアニメを観る気にはちょっとなれないんだよなあ…。

そんなわけで、面白かったんだけどやや消化不良感のある映画でした。ルーカスフィルムは毎年新作を出すことにこだわらなくていいから、一本一本をもっと大事に作ってほしいところ。

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