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トヨタ産業技術記念館

GW に名古屋に行った際に、トヨタ産業技術記念館を見学してきました。名古屋城にトヨタというと典型的な愛知観光という感じですが、たまにはこういう旅もいいでしょう。

なお、写真は全て α7 III+Vario-Tessar T* 24-70mm F4 ZA OSS で撮影しています。

今でこそ自動車メーカーとして世界に名をトヨタですが、もともとは機織り機メーカーとして創業されたことを知っている人はどれくらいいるんですかね。確か中学の社会科とかで習った記憶がありますが。

この記念館はトヨタ自動車のみならず、豊田自動織機の創業からの製品開発の歴史を展示した非常に規模が大きいものになっています。


何せ 93 年(!)の歴史を誇る企業なので初期の機械は大半が木製だったりして、トヨタという企業というよりも第二次産業の発展の歴史そのものを見ているような気分になってきます。現代の工業製品ではなかなか外からは見えにくくなってしまった工夫や発明の跡が生々しく見れて、実に興味深い。

でもある時代を境に、これらの機械が急激に金属の塊と化していきます。現在の視点で見るとスチームパンク感とかレトロフューチャー感があって、逆にカッコイイ。私も本来は電気・IT 系ではなく機械系の人だったので、電気や半導体によってではなく純粋に機械によって動いている物を見るとなんだか血が騒いできます。

こういう形の機械を見ると、自動織機というよりも自動車のエンジンの一部のようにさえ見えてきます。これはトヨタが自動車メーカーになるのは必然だったのだ…と思えます。

展示室の奥に進むにつれてメカの形状や構造がどんどん複雑になっていき、そろそろ各々の機器の目的や存在意義よりも「機械としての存在感そのもの」に写真を撮らされている感覚。

大量生産に最適化されて究極の進化を遂げた機械。日本の経済成長はやはり機械の進化とともにあったことを実感します。

これらの機械の多くが動態保存されていて、展示室の中ではちゃんと実動デモも行われているというのがすごい。そしてこの施設を維持できるトヨタという会社の企業体力にも驚かされます。

そういえば TOYOTA はもともと「TOYODA」だったんでしたね。
トヨタの公式企業サイトによるとこの読みの変更は企業イメージや字画の良さに加えて「さらに創業者の苗字である『トヨダ』から離れることで、個人の会社から社会的企業へと発展するという意味も込められていました」とのこと。

自動織機の展示だけでもかなりの広さがありましたが、自動車の展示も負けず劣らず、この規模。前半で写真を撮りまくって時間を使ってしまい、自動車コーナーをじっくり見る時間があまり残っていませんでした(;´Д`)。まあこちらは基礎知識として知っていることも多いのでいいかな…(汗

近年は電気自動車とか自動運転といったキーワードばかりに注目が集まっていますが、エンジンはともかく車体をちゃんと作れるメーカーがないと自動車は成り立ちません。個人的にはこの時代にあえて機械工学を目指す若者を応援したい気持ち。

とか言いつつ、私は学生時代に機械系から IT 系に逸れてしまった一人なわけですが(汗)、学生時代にこういうものを定期的に見られる環境にいたらもう少し違う人生があったのかもしれません。

トランスミッションやクラッチの構造を実動モデルで理解できる展示、ってありそうでなかなかないものですよ。これだけ一日見続けていられる自信がある。

クルマの構造だけでなく製造に関する展示も、自動製造ラインがほぼ一本入っているような感じで見られてしまうのがこの記念館のすごいところ。ここまでとは思っていなかったので、これには驚きました。
普通は NHK の番組でもなければ見ることもできないような、実際の工場と同じロボットを使ったボディの組み付けデモが目の前で見られるのには感動します。

これだけのデモが一般 500 円で全部見られるとかどんなサービスなんですか…。
久しぶりにいい大人の社会科見学をさせてもらった気分です。

私はホンダ系の展示会や博物館はいくつか見たことがありましたが、トヨタ関連ではこれが初めて。しかしさすが日本一の自動車メーカー、圧倒されました。

これは名古屋に行く機会があるなら一度は行っておくべき施設だと思います。お腹いっぱいになりました。

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