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森口博子 / GUNDAM SONG COVERS

物理で買ったサイカ先生のところには昨日届いていたようですが、私は配信で購入しよう…と思っていたらデジタル配信は収録曲の一部が先行配信されるのみで、全編が発売されるのは一ヶ月以上先なんですね。こういうのは時期を逃すと結局聴かずじまいになってしまうものなので、慌てて CD を買ってきました。店頭で CD を買ったのなんて 5~6 年ぶりじゃないですかね。

森口博子 / GUNDAM SONG COVERS

それにしてもわざわざデジタル配信を後回しにする理由は何なんでしょうね?ガンダム世代がまだまだ CD 購入層であることは否定しませんが、かといって配信開始を遅らせる理由にならないし。購入先を配信に分散させないことで CD の初動売上ランキング入りを狙っている、とかですかね…。

閑話休題。

購入したのは、今やすっかりガンダム界の姉御的存在になった森口博子のガンダム曲カバーアルバムです。

森口博子といえば三年前のライヴイベントで久しぶりに歌声を聴いてその巧さに驚嘆したものですが、このカバーアルバムでもその歌唱力を存分に発揮しています。自身の持ち歌である『水の星へ愛をこめて』『ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~』はもちろんのこと、他の楽曲も主にアコースティック系のアレンジを施した上で見事に自分の歌にしています。『THE ORIGIN IV』の主題歌ともなった『宇宙の彼方で』の感触からいってこのアルバムも全体的にしっとり歌い上げる系の方向性なのかと思ったら『哀 戦士』は井上大輔が乗り移ったかのようにロックだし、『Ζ・刻をこえて』はファンク寄りでメチャメチャ格好いい。トリを飾る『RE:I AM』は Aimer の独特の歌声と不可分だからモノにするのはさすがに難しいのでは…と思ったら、Aimer よりも少し大人っぽくありながら熱を感じる「これはこれでアリ」な歌唱。
また『鉄血のオルフェンズ』の ED だった『フリージア』は、アニメ二期が残念な出来だったこともあって楽曲の印象が薄かったんですが、今回のアルバムで改めて聴いてこんな良い曲だったんだ…と初めて気がつきました。
しかしそれよりも白眉と言えるのは『めぐりあい』ではないでしょうか。一人多重録音による無伴奏(アカペラ)アレンジで、控えめに言って頭おかしい(誉め言葉)。いくら歌唱力があってもそうそう一人多重録音で楽曲をリリースできるものではなく、これは山下達郎のような真性の「歌バカ」の所業と言えるでしょう。歌が巧いのは知ってたけど、これはさすがに圧倒されましたよ…。


ガンダム曲のカバーといえば、THE ORIGIN の再構成テレビ版『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 前夜 赤い彗星』の主題歌は SUGIZO(LUNA SEA・X JAPAN のギタリスト)のプロデュースで過去曲のカバーが採用されていますが、オールドファンとしてはそれがどうも納得いかない。LUNA SEA が歌う『BEYOND THE TIME』だけは新 OP 映像の力もあってそれなりにフィットしているようにも思いますが。
それにくらべればこのカバーアルバムは、オリジナルのイメージを尊重しながら森口博子の歌唱にうまく寄せてあって、出来が良いと感じます。これがそれぞれ単独の楽曲として切り出されてアニメの OP/ED につけられたら違和感が出るかもしれませんが、一枚のカバーアルバムとしてはよくまとまっていると言えます。

今回久しぶりに CD を購入したので、いきなり PC でリッピングせずにまずは CD プレイヤー(BD プレイヤーだけど)+アンプ+スピーカで聴いてみました。シュリンクラップを剥がして CD をプレイヤーのトレイに置く…という手順を踏んだのもそうとう久しぶり(手持ちの CD を聴くのはたまにやってますが)。ときにはこういうのも良いものですね。

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