そういえばシグマのフルサイズミラーレス専用レンズ第一弾「45mm F2.8 DG DN」が発売されていたのに実機を見ていなかったのを思いだしたので、店頭まで試しに行ってきました。なお同じく 35mm F1.2 DG DN も発売されてますが 35/F1.4 Art 持ってるし価格/重量的に私の選択肢に入らないので割愛します(ぉ
シグマ / 45mm F2.8 DG DN | Contemporary
近年のシグマの傾向からすると信じられないほどコンパクトな 45/F2.8 DG DN。今はもう販売終了になっている DN Art シリーズを思い出させる佇まいです。
これを α7(II)に装着してみると、
このシックリ感。サイズ感といいややクラシックカメラ寄りなデザインテイストといい、α7 シリーズのために作られたんじゃないかと思える一体感です。
ちなみに L マウント版をパナソニック S1 にも装着してみましたが、S1 はボディが大柄すぎてあまり似合いませんでした。やはりこのレンズは α7 シリーズかシグマ fp で使うのが相応しいと思います。
本レンズにはシグマ製 AF レンズとしては珍しく鏡筒に絞りリングが搭載されています。35/F1.2 も同様だったので、おそらく DG DN シリーズには絞りリングが標準搭載されていくということなのでしょう。目盛りを「A」に合わせればボディ側のダイヤルで操作することも可能。
電磁絞りながらリングには適度なクリック感があり、まるでコシナ製の MF レンズを扱っているような心地良さがあります。またフォーカスリングも電子制御っぽさのない、ちょうど良い重さというかヌメリ感があって気持ち良い。これは積極的に MF で撮りたくなりますね。
ソニー製ツァイスの 35/F2.8 ほどではありませんが、これは α7 にボディキャップ代わりとしてつけっぱなしにしておいて良いサイズ感。45mm という画角も個人的には好きなので、ちょっと欲しくなってしまいました。
店頭だけど絞りによる画質の変化をみるためにちょっとだけサンプル撮影もしてきました。フォーカスは AF で被写体の「1:1.4」の印字のあたりに合わせています。
おー、なんか良い意味で最近のシグマっぽくない描写。あまりカリカリしてないのと、F2.8 にしてはフワッと軟らかいボケが出るのが良いですね。感覚としては現代の最新設計のレンズというよりは伝統的な Planar とか NOKTON などに近い印象。とにかく高解像を求める向きには合わないでしょうが、カリカリシャープだけどボケが硬い現代のレンズにちょっと飽きている私としてはむしろ好感を持っています。
ピント周辺の解像感を拡大して比べてみます。
絞り開放だと非常にソフト。ピントが合ってるんだか合ってないんだかというやや幻想的な描写で、ポートレートに向きそうな印象です。しかし一段絞るだけでグッとシャープになり、F5.6 までいくとほぼ文句のない画質になってきます。
SIGMA GLOBAL VISION 以降のシグマレンズは絞り開放からバッキバキにシャープなレンズばかりだったので、これは面白い方向性。レンズのメカ的な作りだけでなく、絞りによって描写が変化していくのもオールドレンズ的です。Art シリーズではなく Contemporary シリーズに属しているのは、小型軽量で比較的安価という位置づけだけでなくこういったレンズのキャラクターにも理由があるように思います。
個人的にはけっこう好感触。買うかどうかあまり考えずに触りに行ったんですが、ちょっと欲しくなってしまいました。でも fp を買うかどうかもまだ決めてないので、このレンズを買うとしても E マウントにすべきか L マウントにすべきか、まずはそこから悩まなくてはなりません。とりあえず先立つものがない今は買えないし、fp が発売されてから考えることにしますかね…。
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