昨日開催された「オクトパストラベラー オーケストラコンサート -To travel is to live-」を聴きに行ってしてきました。
オクトパストラベラー オーケストラコンサート -To travel is to live-
スクウェア・エニックスの RPG『オクトパストラベラー』シリーズの楽曲を扱ったオーケストラコンサートです。同シリーズのコンサートとしては五年前に開催された Break, Boost & Beyond 以来の参加。会場は三軒茶屋の昭和女子大学 人見記念講堂で、大学キャンパス内の施設でありながら一般のコンサートもクラシックからポップスまで幅広く上演されている会場。ただ今回は大学のオープンキャンパス開催日とかぶっていてかなり混雑していました。
オクトラの楽曲に関しては以前一度書いたとおり、シリーズの世界観構築において大きな役割を担っているだけでなくそれぞれ単体の楽曲としての完成度が非常に高い。印象的なメロディにドラマチックな展開を組み合わせていて特にバトル曲には心が震えます。新しいフィールド曲やボスバトル曲を聴きたくてゲームを進めてたまである。個人的にはゲーム音楽としてはすぎやまこういちや植松伸夫に匹敵するレベルだと思っているし、サントラも聴き込んでいます。
コンサートは「ゲーム内のニューデルスタ劇場でオーケストラコンサートが開催された」テイで行われ、『オクトパストラベラー』『同 II』およびスマホ版『大陸の覇者』の 3 シリーズすべてからの選曲。同作の全楽曲を作曲した西木康智氏の MC で多彩なゲストミュージシャンを招いての演奏を聴くことができました。
当日昼の部のセットリストは以下の通り。
- OCTOPATH TRAVELER -メインテーマ- (I)
- リバーランド地方 (I)
- バトル 1~勝利のファンファーレ (I)
- 記されざる島オルサ (大陸の覇者)
- “深淵の覇者”サザントスのテーマ (大陸の覇者)
- 白雪舞い落ちる街 (I)
- 薬師アーフェンのテーマ (I)
- 商人パルテティオのテーマ (II)
- 富を授けし者 (大陸の覇者)
- 宝物のために~ボスバトル 2 (I)
- 風翔ける、戦場 (II)
- 華やかなる都会 -昼/夜- (II)
- 理を司る者 (I)
- 背中を押して (II)
- 旅立ちの唄 (II)
- きぼうの唄 (II)
- 灯火の守り手~欲望の道に待ち受ける者 (大陸の覇者)
- 決意 (I)~揺るがぬ決意 (II)
- 王道を求めて~決戦 2 (II)
- 旅路の果てに立ちはだかる者 (I)
- 明日を望まぬ者 (II)~魔神の血を継ぐ者 (I)
- 踊子プリムロゼのテーマ (I)
- キャットリンのテーマ (I)
– Intermission –
– Encore –
ということで 3 シリーズから万遍なく、かつ絶対に聴きたかった曲は漏らさず網羅されたアツいセトリ。私は大陸の覇者は「全てを極めし者」までしかクリアしていないので聴いたことのない楽曲も混ざっていましたが、演奏されたのはどれも紛うことなき名曲ばかりでした。メインテーマは冒険を予感させてまた旅に出たくなるし、それぞれのバトル曲はテンションが上がる。特にゲーム中でも音楽面でのこだわりとして表現されていた「バトルエクステンション」(ボスバトル前に前奏曲がかかり、そこからシームレスにバトル曲に移行するシステム)が生演奏で聴けるのは感激モノ。あとは II のシステム上の特徴だった昼夜の切り替えを楽曲のアレンジで表現していたのも印象的でした。
でもやはり圧巻だったのは歌唱入りの楽曲で、踊子アグネアを象徴する『旅立ちの唄』『きぼうの唄』を劇中でも歌唱していた國土佳音さんの伸びやかなソプラノで聴けたことと、I/II それぞれの裏ボス曲をメドレーで、これまたオリジナルを歌唱した Yucca/村上敏明両氏の生歌で聴けたことが感無量。特に後者は二体の裏ボスと同時に戦わなくてはならないような絶望感と圧倒的な強大さを感じられてとにかくすごかったです。
ちなみにチケットは特典「音楽手記」つきバージョンでした。
これは西木康智氏自身が note で公開していたオクトパストラベラー 2 全曲楽曲解説まとめを改めて冊子化したものですが、同内容の英語版も掲載されているとはいえ全 280 ページというおよそ手記とは思えないボリューム。私はサントラを聴きながら note で読んではいたけど改めて紙になると恐ろしい分量ですね…。
冊子版のオリジナル要素としては各楽曲のテンポと使用楽器、および本コンサートやアレンジアルバムへの選曲情報などが付与されています。
あとは note 版にはなかったコラムが追加されており、中でもバトルエクステンドの仕組みがイメージ図つきで解説されているのは嬉しい。サントラについて作曲者が逸話を説明するコンテンツは近年あまり珍しくなくなっていますが、ゲームへの実装上の工夫が語られるのはゲーム音楽ならではですよね。
というわけで、オーケストラコンサート堪能しました。アンサンブル+ロックバンド形式の Break, Boost & Beyond も良かったけどオクトラの楽曲はやっぱりオケで聴きたかったから大満足です。でも 3 シリーズで合計 300 曲以上(!)の楽曲があるから、もっとあれもこれも聴きたかったというのが多すぎる。MC での話によると今後も継続的に音楽イベントの開催は検討されているようで(もしかするとゲーム自体も続編があるのかも)、引き続き期待ですね。
なお今回のコンサートのセトリから 10 曲を抜粋したオーケストラアレンジアルバムも発売されたとのことで、帰宅して速攻ダウンロード購入しました。
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