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Pixel 4 と iPhone 11 Pro のカメラ性能を比べる (1)

Pixel 4 / iPhone 11 Pro

先日購入した Google Pixel 4について、iPhone 11 Pro を試用している期間中にカメラ性能の比較テストをしてみました。どちらも発売から少し時間が経過しているため目新しい話でもありませんが、記事だけ読んでいるのと自分で試してみるのとでは理解の深さが違うものです。iPhone 11 Pro は超広角カメラが、Pixel 4 はソフトウェア補整の強さがセールスポイント。しかしてその実力はいかほどのものか。

はじめに

まず、両者のアウトカメラのスペックは以下の通り。

モデル Pixel 4 iPhone 11 Pro
広角カメラ N/A 13mm 相当 F2.4/1,200 万画素
標準カメラ 26mm 相当 F1.7/1,220 万画素 26mm 相当 F1.8/1,200 万画素
望遠カメラ 44mm 相当 F2.4/1,600 万画素 52mm 相当 F2.0/1,200 万画素

超広角カメラの有無がこの二機種の最大の違い。また標準カメラ(といっても一般的なカメラの感覚から言えばこれは広角だけど)の画角はほぼ同じだけど望遠カメラのスペックが異なります。iPhone 11 Pro のほうが「広角は標準の半分、望遠は二倍」とシンプルで憶えやすい。

両機種ともに現行のスマホカメラとしてはトップクラスの性能を誇るため、普通に写真を撮っただけでは違いを比べるのは難しい。そこで差が出やすいであろうソフトウェア補整機能に絞って比較してみました。

1. ポートレートモードの比較

どちらの機種にも被写体を認識して背景をソフトウェア的にぼかす「ポートレートモード」が搭載されています。これは複眼カメラや測距センサの使い方やソフトウェア的なオブジェクト認識、画像処理などを含めたハード/ソフトを組み合わせた作り込みの差が出るところです。Pixel 4 はポートレートモードで撮るとソフトウェア加工前/後両方の画像を自動的に保存しておいてくれるのでその比較、iPhone 11 Pro は加工後しか保存してくれないのでオートモードでも別途撮影しています。二機種で望遠カメラの画角が異なるため、構図に若干の違いが出ているのはご容赦を。

※各画像はクリック/タップで拡大表示します。なお作例は東京都の外出自粛要請発動前に撮影しました。

モード オート ポートレート
Pixel 4 Pixel 4 Pixel 4
iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro iPhone 11 Pro

オートモード時の画質は甲乙つけがたくもはや好みの世界という感じですが、個人的には Pixel 4 のほうがホワイトバランス・階調性ともに好き。
違いが大きいのはポートレートモードのほうで、iPhone 11 Pro はピントを合わせておきたい桜の枝がことごとく溶けてしまっています。対して Pixel 4 のほうは花柄(枝と花を繋いでいる茎)が一部溶けてしまっているのが惜しいものの、iPhone 11 Pro に比べれば正解に近い。

もういっちょ比較サンプルを、今度は引き気味の構図で撮ってみました。

モード オート ポートレート
Pixel 4 Pixel 4 Pixel 4
iPhone 11 Pro N/A iPhone 11 Pro

こういう撮り方をすると iPhone 11 Pro はポートレートモードでもボケを生成しないようです。画面全体が細かく距離感が掴みにくい構図だから無理もありません。が、Pixel 4 は画面中央にある桜の枝にフォーカスを合わせて撮ると同じピント面にある枝までちゃんと生かし、それ以外の背景をぼかしてくれました。これは一眼レフ+大口径レンズで撮ったと言われたら信じてしまいそうな完成度で、自分で撮ってみて驚きました。

2. デジタルズームの比較

数年前までのスマホカメラは望遠は完全にデジタルズームで画質が落ちるため積極的に使おうとは思えませんでしたが、最近のスマホは二眼で望遠カメラがついていたりデジタルズームの画質が上がっていたりして、かなり実用的になってきています。Pixel 4 はさらに超解像ズーム対応ということで、その実力をみてみました。

Pixel 4

↑は Pixel 4 の標準カメラで撮った写真。この地点から画面中央にある黄色い標識と消火栓を狙って、Pixel 4 と iPhone 11 Pro の最大望遠で比較してみます。

Pixel 4
(超解像ズーム 8x)
Pixel 4
iPhone 11 Pro
(デジタルズーム 10x)
iPhone 11 Pro

ズーム倍率は iPhone 11 Pro のほうが高いけど、標識や消火栓の文字は「通学路」がかろうじて判読できるレベル。一方 Pixel 4 は 8 倍ズーム止まりですが、消火栓に書かれている文字までもう少しで読めそうなレベルの解像感を維持しています。ワイド側の画角からスマホの小型センサと豆粒レンズでここまでズームできるとは、恐るべき超解像ズームの威力です。

こうやって比べると Pixel 4 の性能の高さが際立って見えますが、iPhone 11 Pro だって現代のスマホカメラとしては十分に高品質で、私も最近 RX100 の出番が減っているほどだったりします。また iPhone 11 Pro と Pixel 4 で搭載しているデバイスに大きな違いはないはずなので、Pixel 4 に搭載されているソフトウェア(を構成する Google の機械学習の成果物)がいかにすごいか、ということでしょう。

テスト項目はもう少しあるので、残りは次回に続きます。

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