2021 年の F1 に向けてフェルナンド・アロンソがルノーから現役復帰されることが発表されました。
開幕前に発表されたヴェッテルのフェラーリ離脱から玉突き的にサインツとリカルドの移籍が発表され、2021 年のルノーチームのシートの片方が空席になっていました。ヴェッテルが今さらトップ 3 チーム以外で走ることは考えにくいし(勝つためでなく楽しむために走るならライコネンの後任としてアルファロメオはあるかも)、じゃあ誰が…という状況ではありました。しばらく前からルノーがアロンソと交渉しているという噂は出ていましたが、それがついに確定したようです。
アロンソのキャリアにおける二度のチャンピオンは 2005~2006 年のルノー在籍時代によるもの。その後マクラーレンへ移籍し、ハミルトンやロン・デニスとの確執が原因で一年でルノーに復帰しています。今回がアロンソにとってのルノー第三期という形。そういえばライコネンも休養から F1 に復帰した際はルノー(当時のロータス)からだったし、キャリアの立て直しにはちょうど良いチームなのかもしれません。
とはいえアロンソも以前から「勝てるチームのシートがあれば復帰したい」というような発言をしていたのに、今のルノーから復帰するというのがちょっと解せないところです。トップドライバーが行っても勝てないチームであることは昨年のリカルドが証明したところ。2022 年のレギュレーション大改定で勢力図がシャッフルされることを狙ってのことかもしれませんが、そういう時期に勝てるのは結局予算を投入してちゃんと準備したチームなんですよね。今のルノーにその体力があるとは思えないし、今シーズン限りでルノーが F1 から撤退してしまう可能性だって十分にあり得る(一時期ロータス名義で参戦していたように「エンストンの F1 チーム」としては存続するのかもしれませんが)。個人的にはこんな中途半端な復帰をするくらいならインディカーにシリーズ参戦してインディ 500 チャンピオンを本気で狙うくらいの気概が見たかったのですが、なんだかんだ言ってアロンソは結局 F1 が好きだということなんでしょう。
アロンソはマクラーレン・ホンダ時代にいろいろありすぎたから私としては複雑な思いしかありませんが、間違いなく実力はあるドライバーなので彼の復帰で中団の争いはさらに面白くなることでしょう。でもあえて、アロンソのルノーをアルファタウリ・ホンダがぶち抜くレース展開を見たい(笑。そうなったときにようやく、積年の思いが水に流せるのだろうと思っています。
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