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F1 トスカーナ GP 2020

F1トスカーナGP決勝:赤旗2度の大波乱も跳ね除け、ハミルトンが圧倒。アルボン初表彰台3位
F1第9戦トスカーナGPの決勝レースが行なわれ、メルセデスのルイス・ハミルトンが今季6勝目を挙げた。

ガスリーとアルファタウリ・ホンダの歓喜に沸いたイタリア GP は赤旗中断を挟む「荒れたレース」でしたが、続くムジェロでのトスカーナ GP は二度の赤旗中断を含む大荒れのレースとなりました。

波乱の予兆はスタート前のグリッドから顕在化していました。まずレコノサンスラップでフェルスタッペン車の PU に異常が見つかり、フォーメーションラップ直前までグリッド上で調整を実施。フォーメーションラップは何とか走り終えたものの、スタート直後にシフトアップしていくところでフェルスタッペン車が加速していかず、大きくポジションを落とします。その後ろではガスリー/グロジャン/ライコネンの 3 台が接触、さらにライコネンがそのままフェルスタッペンに追突し、ここでフェルスタッペンとガスリーがリタイヤ。ガスリーは先週の優勝から一転して一周も走れずにレース終了、フェルスタッペンも土曜日時点では先週よりはマシなレースができそうな状況からノーポイントに終わりました。
フェルスタッペンはこれで先週から二戦連続で PU トラブルが発生しており、かなり深刻な状況といえます。イタリアからのエンジンモード一律化の影響である可能性もありますが、ホンダ系の他の三台には発生していないのが不可解。現時点でもうチャンピオン獲得の可能性は事実上消滅したと言って良いので、今シーズンの残りは来季に向けた開発と割り切ってでも速さと信頼性の両立を目指してほしいところです。

そしてセーフティカー明けのリスタート時にはメインストレートで大規模な多重クラッシュが発生し、ここでレースは赤旗中断。リスタート後は一時 4 位を好走していたストロールがコースアウトしてタイヤバリアを破壊して再度赤旗。最終的には完走 12 台というとにかくアクシデントが多いレースでした。
荒れたレースになった原因は F1 を開催するにはコース幅が狭いサーキットと、初開催のため運営がこなれていない点の二つではないかと思います。フェラーリの F1 参戦 1000 レース目を記念してフェラーリの本拠地で開催された本グランプリですが、COVID-19 の影響と商業的な理由で急遽カレンダーに組み込まれたレースであり、コースも運営も本来は F1 を開催できるレベルではなかったんだろうなあ…というのが個人的な感想。最終的にはハミルトン-ボッタス-アルボンのドッグファイトこそ面白かったですが、一つ間違えば大惨事のアクシデントもあったレースでした。

優勝は例によってハミルトン、それにボッタスが続きました。これだけ見るといつものリザルトで面白くありませんが、メルセデスの二台は終盤タイヤライフが厳しくなり、トップ 3 の間隔が各 1.5 秒程度まで詰まってきたのは見所ではありました。でもまあボッタスは一時トップを走っていたアドバンテージが赤旗リスタートで失われたとはいえ、もうちょっとハミルトンを脅かす走りを続けてくれないとレースが面白くありません。
3 位は初表彰台のアルボン。今季ずっと良いところがなく、先週のガスリー初優勝もあって今年もシーズン中にドライバー交代劇があるのではと言われていましたが、この 3 位で少しは論戦も落ち着くのではないでしょうか。最終スティントでソフトタイヤを履いてからのアルボンの走りは見事でオーバーテイクも素晴らしかった。とはいえ、ガソリン残量やタイヤ選択によって浮き沈みが激しいのは今回も変わらずだったので、予選から決勝までもっと安定してトップ 4 を走れるようになってほしいところ。今回の初表彰台で何かを掴んでくれれば良いのですが。

それにしても 3 連戦の 3 戦目で赤旗中断を含め 3 時間に及ぶレース、観ている方もさすがに疲れました。来週は久しぶりのお休み、レッドブルとホンダには少し落ち着いてトラブル解決とクルマの熟成に努めてほしいところです。

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