キヤノン、望遠鏡スタイルで「観る×撮る」が可能なデジタルカメラ – デジカメ Watch
昨年の CP+ で参考出品されていたコンセプトカメラのひとつが正式に商品化されました。100/400mm 相当の「二焦点」レンズを搭載した小型望遠鏡タイプのコンパクトデジタルカメラ。個人的にはあの参考出品されていたカメラ群の中で最も興味を持っていたモデルになります。
本格的なズームレンズではなく 100/400mm 相当の切り替え式(デジタルズームにより 800mm 相当の画角でも撮影可能)とし、コンデジ用のセンサーを搭載することで超望遠ながら超小型を実現しています。レンズに関するこの割り切りが興味深い。イメージセンサーが 1/3inch なため写真としての画質は期待できそうもありませんが、写真撮影ではなくバードウォッチングやスポーツ観戦など「観る」用途に軸足を置き、ついでに記録用途で「撮る」と位置づけたのはカメラからの逆転の発想と言えます。また現時点でスマホにはまず不可能な領域を狙ったのも、カメラの技術を応用して新機軸を掘り当てようとしたらまあこうなるよね、という必然性を感じます。
一方で超望遠レンズを使ってややガチめにモータースポーツや野鳥を撮ることの多い私に向いたカメラではないような気はしつつも、最終製品がどんな感じに仕上がったか是非一度触ってみたくはあります。
個人的には、新コンセプトカメラ群の中で最も微妙だと思っていた(その代わり他のコンセプト機に比べて作りやすかった)「iNSPiC REC」を最初に商品化したことと、クラウドファンディングをやっておきながら直後に一般販売も始めたことで、これらのプロジェクトにやや否定的な見方をするようになりました。なんというか、あの製品によってキヤノンのコンセプトカメラ群に関する打算的なものの作り方が垣間見えてしまったような気がして…。今回も最初は Makuake でのクラウドファンディングとのことですが、一般販売は無理としてもキヤノンオンラインショップくらいから売り出しても良かったんじゃないでしょうか。
PowerShot ZOOM 自体はニッチながら面白そうな商品であるだけに、これを必要とする人にちゃんと認知して使ってもらえるやり方で売ってほしいなあ。
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