ガンプラ 40 周年企画の大トリを飾る「PERFECT GRADE UNLEASED ガンダム」の詳細が発表されました。
PG の発展形として 1/60 のスケールを維持しながら、より細かなディテールと可動、発光機能を両立させたモデル。ガンプラ史上最高の可動機構は既定路線としても、RG のインサート成型を PG に逆輸入した一体成型図済み内部フレーム、メタルパーツ/メッキパーツ/エッチングシールを多用したディテールの質感表現、頭部だけでなく胸部ダクトやビームサーベルまで発光させてしまうギミック(胸部ダクトは必要か?とも思うけど)、といったガンプラ初、あるいは PG 初の機構がてんこ盛り。MGEX ユニコーンほどの驚きはありませんが、現行の PG ガンダムから 22 年の進化としては実に真っ当です。
今年発売された 40 周年ガンプラ製品群が独自色の強いデザインのものが多かったのに比べ、ディテールがふんだんに入っていながら全体としての印象は変なアレンジを加えずにオーソドックスな RX-78-2 ガンダムのイメージにまとめているあたりも好感が持てます。金属パーツやエッチングシールの採用は、模型誌の作例やコンテスト出品作なら定番改造として施されがちなポイントで、ここまで来たらモデラー的にはほぼ手を入れる場所がない感じではないでしょうか。逆に私のような素組み派にとっては普通に組み立てるだけでこのディテールが手に入るのが魅力的。一体成型済みの内部フレームは「PG 史上最速でフレームの組み立てが完了」と謳っていることも含め、PG を従来よりもライトモデラー層に広げていくことがこのキットのミッションなのではないでしょうか。
個人的に気になるのは多重構造で情報量を増やした内部フレームについて。もともと一年戦争世代のモビルスーツは外骨格構造で装甲まで含めて初めて強度を確保していたという設定で、フレームと外装が別物という概念はガンダム Mk-II をはじめとする第二世代 MS 以降のものだったのに、PG Unleashed のこの構造はそれと矛盾するのでは?と思います。まあこのへんはガンダムがシリーズを経て玩具の展開も拡張していく上で作られた後付け設定ですし、1985 年当時の設定をバンダイの設計・製造技術が上回った結果なのでしょうが(笑)、オリジナルの外骨格設定を今の技術でリアルに再現したらどうなるか…という方向性も見てみたかった気はします。
私は今までガンプラは MG/RG 派で PG には手を出してきませんでした。サイズ的に置き場所がないというのもありますが、ファーストガンダムや Mk-II のキットが今となってはちょっと古くさいというのも敬遠していた理由の一つです。しかしこの PGU ガンダムは見れば見るほど良さそう。しかも MGEX やガンダリウム合金モデルなど高騰するガンプラに金銭感覚がマヒしてきたのか、予想していたほどは高くなかったのも好印象(笑。この冬は MGEX ユニコーンを組む予定なのですぐに手を出すつもりはありませんが、そのうち買ってしまうかもしれません。
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