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F1 トルコ GP 2020

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2011 年以来 9 年ぶりに開催されたトルコ GP は、土曜日までの予想を裏切ってルイス・ハミルトンが勝利。その結果今シーズンのドライバーズチャンピオンが確定し、ハミルトンが 4 年連続 7 度目のワールドチャンピオンを獲得しました。これはミハエル・シューマッハーに並ぶ F1 史上最多戴冠であり、ハミルトンが名実ともに史上最強の F1 ドライバーになったことを証明するものです。とにかくおめでとうハミルトン!

サーキットは久しぶりの F1 開催となるイスタンブールパーク。今回のグランプリに合わせて再舗装された路面がグリップせず、フリー走行から大荒れ。そんな中でレッドブル・ホンダの二台が健闘し、FP1~FP3 を通してフェルスタッペンがトップタイムをマークします。これは普段からリヤが不安定な RB16 に乗り慣れているから滑る路面でもマシンを制御できる、という皮肉のような気もしますが(笑。
予選はコース上にマシンを留めるだけで精一杯というウェットコンディションで、ここもフェルスタッペンが決めて今季初 PP…かと思ったら、ここで出てきたのがまさかの伏兵レーシングポイント。ウェット向けセットアップが的中したのか見事な速さでストロールがキャリア初 PP、ペレスも 3 番手につけました。レッドブルはフェルスタッペンが 2 番手、アルボンが 4 番手につけたことで決勝はフェルスタッペンに十分勝機があり、悪くない状況。

しかし再びウェットスタートとなった決勝。レッドブルの二台はスタートでほとんどタイヤがグリップしない大失態を犯してポジションダウン。それでもフェルスタッペンは 3 位まで戻して 1-2 態勢で逃げるレーシングポイント勢を追いかけますが、ペレスにオーバーテイクを仕掛けたところでウェット路面に足を取られて単独スピン、タイヤにフラットスポットを作って緊急ピットイン。ここで優勝の可能性はほぼ消えました。
こうなると優勝は二台のレーシングポイントのどちらか…と思ったところで出てきたのがハミルトン。まさかのウェット→インターミディエイトの 1 ストップ作戦を決め、今季ついに 10 勝目。2 ストップ作戦に出たストロールは二本目のインターミディエイトに苦しんで 9 位までポジションを下げ、ハミルトンと同じタイヤ戦略を採ったペレスは健闘したもののハミルトンからポジションを守り切ることはできず。またしてもハミルトンの速さとタイヤマネジメントの巧さが浮き彫りになったレースでした。

各車を見ると二本目のインターミディエイトタイヤを履いたマシンの多くは二本目でペースを落とし、一方で一本目のインターを履き続けたハミルトンとペレスは最後までペースをもたせることに成功していました。これはおそらく徐々に乾き始めた路面が次第にインターミディエイトに合わないコンディションになり、逆にハミルトンとペレスが履き続けたインターは完全摩耗してスリック状態になったことでドライタイヤに近いパフォーマンスを発揮したということではないでしょうか。もしかするとレース終盤にドライタイヤでギャンブルするドライバーが出たらまた状況は変わったかもしれませんが、スリップのリスクを恐れて皆安全策を採ったことで起きた珍しい状況であった可能性があります。またウェットコンディションに全く合っていなかったメルセデス W11 が徐々にドライになることで速さを発揮した結果でもありそうです。
いずれにせよ予選 6 番手から中盤まであまり目立った活躍もなかったのに、とにかくミスをせずタイヤを持たせて気がつけば優勝というハミルトンの底力を改めて見せつけられたレースでした。こういうレースでさえこんな勝ち方をされたら、もう誰も勝てませんって。

今回は予選から荒れに荒れたレースで面白かったし、フェルスタッペンが久々に勝てそうで期待もしたのですが、レッドブルサポーターとしてはガッカリです。ハミルトンは 7 回チャンピオンに相応しい走りをしたし、表彰台に乗ったペレスとヴェッテルも良い仕事をしたとは思うのですが。今季も残り三戦いずれもレッドブル・ホンダに勝機があるとは言えないサーキットだけに、今から気が重い…。

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