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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 @109 シネマズ川崎

周回遅れ気味ですが、社会現象に付き合ってきました。

劇場版「鬼滅の刃」 無限列車編

世の中的にあまりに話題になりすぎていて私としては逆にちょっと引いていたのですが、TV アニメ版を観ていた家族が観に行きたがったので私も付き合うことにしました。同様にあまり興味なさそうだった私の複数の友人・知人が最近になってキャッチアップし始めたことと、先日 8 ヶ月ぶりに出社(一日限定)した際に定年間際の大先輩に雑談がてら「鬼滅見た?」と声をかけられて、もう逃げられないなと腹を括りました(ぉ

そんなわけで先週末に Netflix で TV 版を文字通りイッキ見したわけですが、『鬼滅の刃』という作品自体は

  • 残酷なシーンやグロい描写が平気で出てくるバトルもの
  • ある種の和製ゾンビものとも言える
  • 人類は敵によって生命や平和を脅かされている
  • 物語序盤に主人公の家族や近い友人が犠牲になる
  • 敵はもともと人間だったものが変化した存在
  • 主人公あるいは主人公に近しい仲間が敵の能力を保有している

という、この十年ほどの間に似たような作品をいくつも見た記憶のあるジャンルです。構造的には『まどマギ』や『進撃の巨人』によく似ていると言って良く、だから今まで食指が伸びなかった部分もあります。しかし実際に TV 版を観てみると、そういう構造をベースに今までのジャンプ漫画で見たことのあるエッセンスを混ぜ合わせたようなところがあり、確かにグロ描写以外はジャンプ作品としての王道を行っている。所々に「ああ、この設定や展開はあの作品が下敷きになっているのね」というのを感じます。
ジャンプ黄金時代に育った私からすると新奇性はないけど、過去の名作の肩の上に立つ本作が現代の多くの小中学生に支持される理由は理解できます。過去のヒット作の良かった部分をうまく咀嚼・消化して作品に落とし込んでいることと、テンポ良く物語に引き込んでいくシナリオ構成のうまさが大ヒットの要因の一つなんでしょう。またアニメ化によって原作コミックの描写を超える戦闘シーンが表現されている点や、ドラマパートも作画と CV の熱量が非常に高い点も良い。おそらくコミックだけだったら私はそこまで面白いと感じなかったかもしれません。

余談ながら、本作のラスボスにあたる鬼舞辻無惨が何故マイケル・ジャクソンをデザインモチーフにしているのか最初は解らなかったのですが、よく考えてみた結果マイケルが『スリラー』の MV でゾンビのボス役をやっていたからか!鬼滅の鬼は設定的には鬼っていうより実質ゾンビだし!というのに気づいたときはちょっと奮えました(笑

さておき映画の感想ですが、なんかすごかった(小並感

具体的に言うと、TV 版を超える熱量の込もった映像がすごかったですね。劇場版らしい大スクリーンに映えるアクションが素晴らしい。アクションシーンの多くはキャラクターまで含めて CG で描かれているはずですが、手描きシーンとの違和感が極小なのにも驚きました。
シナリオ自体はアクション映画の王道中の王道である暴走列車ものだし、前半は『インセプション』そのまんまだし後半はジャンプの王道バトル物そのものだし、物語がどう進んで誰がどう死ぬかまでだいたい予想できる展開ではあります。それでも映像と声の演技の強さに引き込まれたし、想像がついてしまう展開もある意味では予定調和的な安心感があって気持ち良い。変に捻ったり裏をかいたりしてこないあたりが主人公・炭治郎のキャラクターと重なっていて良いじゃないですか。私はよく言われるような「感動する」とか「泣ける」というのは残念ながら感じませんでしたが、エンタテインメントとしては非常に完成度の高い作品だと感じました。

今から原作コミックを追いかけるつもりはありませんが、アニメの続きは完結まで観ようと思います。

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