先日渋谷に行ったときに、駅の線路とビックカメラ(渋谷東口店)の間の風景が随分変わっていることに気がつきました。そういえばずっと再開発していた宮下公園がこの夏にリニューアルオープンしていたんでしたね。ここ二年くらい変わり続けている渋谷の最新スポットなら何かフォトジェニックなものを見つけられるに違いないと思い、カメラを携えて行ってみました。
今回の写真は全て α7 III+Vario-Tessar FE 16-35/F4 で撮影したものです。
宮下公園といえば昔は渋谷から裏原方面に歩いて行く途中にある場所で、私にとっては特に立ち寄るようなところでもなかったのですが、それが今や一大商業施設というのだから渋谷の他の再開発とはちょっと種類が違う。あまりの変貌ぶりに驚きます。
駐車場の上に公園が存在した旧宮下公園とは打って変わって、新 MIYASHITA PARK は 4 層構造(3F+屋上)。1F は主にハイブランドが入居する路面店、2~3F はカジュアル系アパレルとレストラン街(なんとあの青山シャンウェイも出店している!)、屋上が公園という構成になっています。2~3F あたりの半屋外にレストランが建ち並ぶ様子は先行して駅南に開業した渋谷ストリームと似ていて正直「またこれか」という感じではありますが、飲食店受難のこの時代に新規オープンというのはそれだけで応援したくなるところ。
各フロア間はエレベーターやエスカレーターでも繋がっていますが、なんとなく積極的に階段を利用したくなる構造です。特に 3F から屋上に至る階段は外光が一気に射し込んできて眩しいくらい。この解放感は何物にも代えがたいものがあります。
屋上には広々とした芝生やボルダリング、スケボー用のトラックなんかも用意されていていかにも「渋谷の公園」感。休日ともなるとあちこちでイベントが開催されるようです。
線路向こうのタワレコやマルイがこのアングルから見えるというのは妙に新鮮。しかも渋谷のど真ん中でこれだけ広い空が見られるというのも(スクランブルスクエアの屋上展望台を除けば)貴重。今までに見たことのない渋谷がありました。
そういえば新宿新南口方面のサザンテラスやこれから再開発される品川駅高輪口もそうですが、近年はターミナル駅周辺を多層構造化して上層を広々とした憩いのスペースにするのが都市開発のトレンドなんでしょうね。
しかし視線を落とすと、ここが従来の渋谷の延長線上にあることが改めて分かります。
多数の階段やエスカレーターが折り重なる多層構造は、超広角レンズを持って歩くだけで楽しい。
渋谷って昔も今も「若者の街」と呼ばれますが(それもなんだかオッサン的なステレオタイプ視点だと思う)、ここ数年の再開発によってエリアごとにセグメント分けされた、様々な人をターゲットにした街に変化してきたと思います。ハチ公口~センター街方面は昔ながらの「若者の街」でありつつスクランブル交差点は国際的なランドマーク。南口方面は少し年齢層が上がって IT ビジネスの街。西口方面はセンター街とはまた違うカルチャーの香りがします。そしてこの宮下公園は幅広くファミリー層まで取り込む懐の広さ。しかもちょっと足を伸ばせば原宿や表参道へと繋がっています。
渋谷のスクランブル交差点のことを英語で「SHIBUYA CROSSING」と言いますが、単なる交差点じゃなくていろんな客層やカルチャーが交差して混じり合う感覚が、今の渋谷にはあるような気がします。
ふと宮下公園の上層から駅方面を見下ろすと、ビックカメラと線路の間に一区画だけ昭和が動態保存されたような場所があるのを発見。今まで完全に通り過ぎるだけの場所だったけど、こんな風になっていたとは。
というわけで降り立ってみたら、私好みな呑兵衛横丁感。
もう一本左側の横丁のほうがもっと渋いけど、あちらは無断撮影 NG とのことで残念。
でもそのうちこのうちのどこかの店で一杯飲んでみたいなあ。
MIYASHITA PARK、なかなか面白い場所でした。
写真的に面白いスポットは他にもいろいろありそうなので、また撮りに来ようと思います。
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