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バッファロー版 nasne、正式発表

昨秋に発表されていた nasne のバッファローへの製品移管の件、実際のバッファロー版 nasne がいよいよ正式発表されました。

バッファロー製「nasne」は2TB、29,800円で3月末。PS5対応は’21年末 – AV Watch

バッファロー nasne HDDレコーダー 2TB 地デジ / BS / CS チューナー torne 3月末発売予定 【 PS4 / iPhone / iPad / Android / Windows 対応 】 NS-N100

予告されていたとおり製品外観はほぼ SIE 版 nasne のままロゴを SONY から BUFFALO に変更した形。主な変更点は内蔵 HDD が 1TB→2TB に、対応外付けストレージが 2TB→6TB に拡張されたことと、iOS 版アプリでの視聴解像度が最高 480p→720p になった点。SIE 版で陳腐化していた部分がようやくアップデートされた形になります。外観が変わらなかったので金型や基板なども含めて SIE から移管したのかと思ったら、以下のインタビューによるとハードウェアはほぼ完全新規設計と言って良いレベルで刷新されているようですね。まあ SIE 版は最終生産から三年近く経っているわけで、今さら同じ部材の調達も難しいか。

nasne本格再始動。SIEとバッファローに聞く、「新ハード」と「PS5版」【西田宗千佳のRandomTracking】
ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)からバッファローへ移管されることになった「nasne」事業の姿が、いよいよ具体的に見えてきた。

それにしてもこの記事↑を読むと、nasne の事業移管が SIE の torne/nasne チームの「終わらせたくなかった想い」と、nasne 対応機器メーカーとしてプラットフォームを「救いたい熱意」がタイミングや両社の関係性も含めてうまく呼応した結果成立した取引であることが伝わってきます。
SIE は会社としては今や日本を主要マーケットと位置づけていないのは明らかですが、一方でバッファローは国内向けビジネス中心で、需要が減りつつあるとはいえ録画関連ストレージ市場は彼らにとっては無視できない規模があります。この両社の立ち位置の違いは「ちょうど良かった」はず。しかし一般的に言って何かの事業や製品を終息させる場合、それに関わっていた従業員の雇用を相手方に託すような話がセットでなければ第三者に譲渡という判断は考えられないわけで、今回の移管劇は想いの強い人々の努力の結晶に違いありません。個人的にはその経緯は今シーズンをもって F1 参戦を終了するホンダがレッドブルにパワートレインを移管する話とも通じるものを感じ、胸が熱くなります。

nasne

今回併せて PS5 の nasne 対応についても正式に言及されました。ハードウェアに冠しては上記インタビュー内で今後の進化の可能性について触れられており、ソフトウェア/ハードウェアともに進化していく道が見えたのは既存ユーザーにとっては朗報です。PS5 に対応することは全く期待していなかったので驚きましたが、ハードウェア製造・販売のリスクを負わなければ SIE もまだ日本市場向けにやってくれることはあるんですね…。

私は一年前に運良く SIE 版 nasne の最終ロット品を手に入れたのでとりあえず壊れるまでこれを使い続けるつもりでいます。でも iPad で 720p で視聴できるのはちょっと魅力的だし、nasne を救ってくれたバッファローへの敬意を示す意味で新型を一台買っておきたい気もするんですよね。本当に、どんな商品も「買わないと次が出てこない」のが世の常ですから。
でも既に予約開始している Amazon 内のバッファロー公式ストアでは既に売り切れているんですね。初期ロットが何台くらい用意されているのか判りませんが、バッファロー版 nasne を心待ちにしていたユーザーは少なくないということでしょう。今は VOD の普及と進化で録画という行為が必要なくなる日まで、新体制の torne/nasne が続いてくれることを願っています。

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