シグマ、ミラーレス専用設計に新構築した「35mm F1.4 DG DN|Art」 – デジカメ Watch
最近毎月新製品を発表/発売しているシグマからまた新しいレンズが発表されました。今回はフルサイズミラーレス用の 35mm F1.4 DG DN Art。
昨年 85mm F1.4 がミラーレス向けに小型化されてリニューアルしたから次は 50mm F1.4 か 35mm F1.4 が来ると予想はしていましたが、35mm から来ましたか。現行の 35mm F1.4 DG HSM Art は現在の山木和人氏が社長就任時に掲げた「SIGMA GLOBAL VISION」と共に発表された新世代シグマレンズの第一弾で、私もタッチ&トライイベントで試して感銘を受け他のレンズを後回しにしてまで発売日に買ったほど。画質面でいえば今でも不満らしい不満はない名レンズだと思います。
しかしあれから 9 年経ち、レンズ交換式カメラの主流が一眼レフからミラーレスに交代した今ミラーレスに最適化した設計のレンズに切り替えるのが時代の流れというもの。レンズ設計もこの 9 年の技術の進化とミラーレスに求められる機構を取り込み、さらに高性能なレンズとして生まれ変わっています。
従来からこだわっていた軸上色収差に加えてサジタルコマフレアも抑え込み、さらに AF 機構の変更で高い動体追従性を獲得。近年のトレンドに沿ってレンズ側に絞りリングを搭載し、さらに動画向けに絞りリングのデクリック機構も搭載。スペック的には現代の 35mm F1.4 としては全部入りという感じです。さらにサンプル写真を見る限りではアポタイゼーションフィルター内蔵レンズと見まごうほどにボケが自然で滑らか。これはかなり良いですね…。
一方で期待していた 85mm F1.4 のような劇的な小型化は残念ながらありませんでした。L/E マウント版で比較すると外寸は長さが若干短くなった程度でサイズ感は大きくは変わらず。重量は 100g ほど軽くなっているようですが、これは主に AF 機構の変更(小型レンズ群を駆動させる方式に変更)と距離指標のオミットによるものと思われます。思ったほど小型化されなかったのは残念なところですが、例えばソニーの FE 35/1.4 GM も似たようなサイズ感(ただし重量は 100g 以上軽い)なので 35/1.4 で性能の出るレンズを作ったらこれくらいが物理限界ということなのでしょう。逆にそれほどの小型化を狙ってこなかったのはもっとコンパクトな I Series の 35/2 との棲み分けも考慮した結果だと思われます。
それにしても E マウント視点で見ると今は 35mm の選択肢がすごいことになっています。ソニー純正だと F1.4GM、F1.4ZA、F1.8(無印)、F2.8ZA、シグマから F1.2 DG DN、F1.4 DG DN、旧 F1.4 DG HSM、F2(I Series)、さらにタムロンの F2.8。ツァイス信者的には先日大胆に価格改定された FE Distagon が魅力的だと思っていましたが、今回の 35mm F1.4 DG DN はさらにその下をくぐる価格でこの性能というのがヤバい。
個人的にはもう一眼レフの稼動率も激減しているし、シグマの 35/50/85mm F1.4 DG DN が出揃ったら現行品から一通り買い換えようかと思っていました。が、35mm がそれほど小型化されなかったから優先順位的には 85mm だけ買い換えて様子見かな、という気持ちになっています。まあ近いうちに 50mm F1.4 もリニューアルされるでしょうから、その動向も追ってから判断したいところ。この三本のうち 35mm はまあ許容範囲だけど、50mm と 85mm が特に重かったんですよね。
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