まさか私がデアゴスティーニを買う日が来ようとは。
デアゴスティーニ / 隔週刊 ビッグスケール F1 コレクション
先日発売されたデアゴスティーニの「隔週刊 ビッグスケール F1 コレクション」です。創刊号は 1988 年のマクラーレン・ホンダ MP4/4、アイルトン・セナが初のチャンピオンを獲得したマシンが付録。セナとプロストのコンビで年間 16 戦 15 勝という伝説を作り上げたクルマで、年間勝率 93.7% という記録は未だに破られていません(年間勝利数だけなら 2014 年のメルセデスが 16 勝を記録)。
デアゴスティーニは今までも私の興味あるジャンルのムックを何度か発売していますが、完成させるまでに十万円コースというのがザラで今まで忌避してきました。が、今回はホンダが F1 から撤退した直後に伝説の MP4/4、しかも最初から完成品で創刊号は 1,990 円ということでガマンができませんでした。次号以降も毎回 F1 のモデルカーが一台ついてくるそうですが、私は今回限定のつもりで購入。
一応書籍扱いになっているため本誌にはセナと MP4/4 にまつわるエピソードがまとめられています。正直目新しい話はありませんが、この時代の F1 マシンを新規印刷物で見られる機会は今やそう多くはないので貴重。
梱包の大部分はモデルカーが占めています。1/24 スケールということで、私が持っている 1/43 のモデルカーとはまさに段違いの大きさ。マシンは台座に固定され、さらにブリスターパックに包まれているので輸送中に壊れることもまずないでしょう。
ただブリスターパックは長期保存に向いたものではなく他のクリアケースは付属しないので、保存用に別途クリアケースを調達したいところ。
MP4/4 自体は先日の青山での特別展示をはじめ七年前の横浜そごうとか何度も見ているクルマではありますが、展示車では見ることが難しい角度から舐めるように眺めても誰にも怒られないのがモデルカーのいいところ。
タバコロゴ規制で Marlboro のロゴが削除されているのが残念。アレがないとちょっと間延びして見えてしまいます。まあタバコロゴ無しでないとチーム側としても許諾できないのが現代のタバコ広告規制なのでしょう。
1/24 というスケールはかなり存在感がありますね。
よく見るとスジボリが太かったり塗装があまりキレイじゃなかったりしますが、まあ二千円ですからね。それでこの再現度と存在感があれば十分でしょう。
車体のロゴはタンポ印刷っぽい質感。細かいロゴのエッジまでシャープに出ているのが好ましい。
残念なのは、車体のマルボロカラーは蛍光レッドで塗られているのにカーナンバーは普通の赤になっている点。まあ印刷であの色を出すのは難しいのでしょうが。
シートベルトは成型されておらずあくまで印刷。まあここはしょうがないか。
ヘッドレスト下部に蛍光レッドが滲んでいるのが残念。仕上がりはけっこう個体差があるようなので、店頭に複数並んでいるなら見比べて買うのが良いでしょう(私が買った書店では一冊しか残ってなかった)。
この時代のホンダファンにとって誇りとも言える「Powered by HONDA」。
本来この上に Marlboro ロゴがあるべき部分が空白なのが惜しい。既にサードパーティ製ロゴデカールが発売されているようですが、水転写デカールのようなので貼った上にトップコートしないと質感が変わってしまいそうなのが悩ましいところ。
サイドポンツーン上のシュノーケルダクトに成型時のパーティングラインがガッツリ出ているのはご愛敬。改造するわけにもいかないしなあ。
さらに蛍光レッドと白の境界はマーカーで境界線を引き直したような跡が見えています。塗装時にマスキング失敗失敗した?これはさすがに惜しい。
ロールフープ上のブラジル国旗とドライバー名までこのサイズでしっかり印刷されているのには感動。この国旗、幅 3mm くらいですよ。
リヤウイングはけっこうバリが目立ちます。バリ取りくらいなら簡単なので軽く加工してやると良いでしょう。
組み立て時の問題なのかリヤウイングが少し後ろ向きに傾いているんですが、フレキシブルウイングじゃないですよね(笑
この MP4/4 は 1998 年のイギリス GP 仕様ということで、レインタイヤが装着されています。
現代 F1 のウェットタイヤに比べて溝のパターンがシンプルで、乗用車用タイヤっぽくも見える。
ところで 1988 年イギリス GP 仕様ということは、仮にデカールを追加するとしても Marlboro ロゴじゃなくてストロボ(バーコード)パターンの方が正しいことになります。これも含めてカスタムするかどうかは悩ましい。
現代 F1 とは全く違うシンプルさと美学。空力よりもとにかくエンジンパワーだった時代の賜物です。
私が F1 を全戦テレビ観戦するようになるのはこのもう少し後(MP4/5B の時代)なので MP4/4 はリアルタイムで見たことはありませんが、MP4/5~MP4/5B までは基本設計を踏襲していくためこのボディラインにはとても愛着を感じますね。
スケールモデルとしてはディテールを見ていくとツッコミどころは無数にありますが、とにかくビッグスケールであることとこれが二千円で買えるという点に全ての価値があります。これモデルカーとして普通に発売したら五千円でも安いんじゃないでしょうか。
本シリーズは全 80 号予定で、現時点では 21 号までの内容が予告されています。私は続巻を買うつもりはありませんが、中嶋悟のロータス or ティレルとか第三期ホンダの RA106 やスーパーアグリのマシン、あるいは第四期の RB16B あたりが発売されたらうっかり買ってしまうかもしれません。
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