ホンダレーシングサンクスデーに参加するため鈴鹿に行ったなら、夕食は絶対この店で食べようと思っていました。
2005~2006 年の日本グランプリで鈴鹿を訪れた際にも食べたこちらのお店。おいしかった記憶があったので是非また行きたかったのでした。ここに行きたいがためにサーキットへのアクセスの良い白子方面ではなく平田町のホテルを取ったまである。
しかし久しぶりに来たらなんか建物が新しくなっているし、そもそも場所もここだったっけ?前回が昔すぎてうろ覚え…。
今回は 18:30 頃にお店に到着したところ記名帳に 10 組ほど待ちができていて、入店できるまで 1 時間かかりました。
日本グランプリの週末ほどではないけど普段から大人気のお店なんですね。客層は全体的に若く、安くてうまい店として人気なのでしょう。
中待合には例によってお店を訪れた有名人のサイン色紙が大量に貼り出されています。当然のように F1 関係者多し。
こちらはマクラーレンのランド・ノリスの色紙ですが、写真のタイムスタンプを見ると 2018 年。つまり F1 デビュー前にマクラーレンのリザーブドライバーとして鈴鹿に帯同したときのサインのようです。プライベートでもノリの良い青年であることが写真からよく判ります。
掲示されている色紙は本当に年代が様々で、中嶋悟/中野信治/バルテリ・ボッタス/デイモン・ヒル等々…もうここだけで F1 日本グランプリの歴史が語れそうな勢いです。
昔来たときに見たサインがそのまま残っていたりもして、ちょっと懐かしい気分。
新しめのところでいくと 2016 年のダニエル・リカルド(当時レッドブル)やジェンソン・バトン(当時マクラーレン・ホンダ)なんかも。
必ずしもホンダや日系サプライヤーが関係していないチームからもお店に来ていることから、本当に F1 関係者に長年親しまれてきた店なのでしょう。
数多くのサインの中でも圧巻なのがやっぱりこれ。良くも悪くも鈴鹿で最も多くのドラマを生み出したドライバーであるアイルトン・セナのサインです。
今回はホンダ F1 の 30 年ぶりのチャンピオン獲得をセナの魂とともに祝うつもりでこの店に来たのでした。
この店は焼肉店ながら主力は牛肉ではなく豚肉。主に松阪産の豚焼肉を安価に楽しめることを売りとしています。
しかし部位によっては早い時間に売り切れてしまうようで、このショーケース内にも既に歯抜けがチラホラ出ています。
入れ子状の多層になった、ちょっと変わった構造の店内。大量の提灯をはじめとして店内装飾が賑やかで、なんだか祭りの屋台に来たような気分を味わえます。「鈴鹿に来た」という高揚感も相まって、完全に非日常空間にいる感覚が楽しい。
というわけでようやく着席。テーブルは半個室状態に区切られているので、感染対策という面ではそれなりに安心感があります。
今夜はこの無煙ロースターとともに一人焼肉といこうじゃないか。
お品書き。牛肉より安価な豚肉中心とはいえ、牛角だって普段こんな値段では出してないよね???という安さ。ちょっと金銭感覚がバグりそうです。複数人で来てたら「メニューの端から端まで」みたいな頼み方をしそうな勢いがあります。
とはいえ今回は一人だから、どういう組み立てで攻めるかはちょっと考えどころ。
とりあえず注文を済ませたら、まずは生ビールで一人乾杯。
15 年ぶりの鈴鹿、昨シーズンの F1 を振り返りながらいろんな想いが交錯します。
肉のほうはまずこの店の代名詞である「ぼつ焼」。
茶色くてとろみのある独特のタレは見た目も味も鰻蒲焼のタレによく似ています。これがうまいんだよなあ。
でもぼつ焼の前に豚塩タンから。
まずはさっぱり系の肉で舌を慣らしていこうじゃないですか。
たった 290 円なのにこの大ぶりな豚タンが五枚も入っていて、そんな安くていいの?!という気持ち。
豚タンは炙ったら大根おろし・ネギとともにポン酢につけていただきます。
プリプリ、コリコリした食感の中から肉汁が出てくる感じがうまい!
それでいて牛タンよりもあっさりしているのも良い。これだけ大ぶりのタンなのに、あっという間に消えていった。
続いてぼつ焼と焼肉(豚肩ロース)を焼いていきます。
ぼつ焼はハラミ的な歯応えで、噛めば噛むほど味が出るタイプ。
対照的にカタロースは柔らかく、脂身とのバランスが良い。
そして何よりこの甘辛いタレが何とも言わせない。食べれば食べるほど食欲が刺激されていきます。
こりゃあ生ビール一杯では追いつかない。というわけで、レモンサワー追加。
タレの味が口の中に残りがちだから、レモンサワーの酸味でスッキリさせるとまた新たな味覚で肉たちを食べていける。
これは無限焼肉機関が完成してしまいそう。
ホルモン。ぼつ焼とはまた違う種類の噛み応えがあります。
思っていたよりも脂身が少なく、皮の弾力感をタレの味とともに楽しむ感じ。豚のアブラスキーとしては上ホルモンのほうが良かったか。
でもぼつ焼・肩ロースとローテーションするとそれぞれ味と食感の違いが感じられて良き。
途中からタレ味だけだと単調に感じて来たので塩味にスイッチ。豚トロです。
こいつはサシがたっぷり入った部位で、ちょっと目を離したら肉に着火してしまうレベルで脂がすごい(笑
この店ではつい特徴的なタレ味ばかり食べてしまいがちだけど、やっぱり塩味と交互に食べたほうがバランスが良いですね。もうちょっと考えて頼むべきでした。
いやあおいしかった。独りだったせいもあって野菜とかサイドメニューは一切頼まず、肉とアルコールだけ摂取するという暴挙に出てしまった(笑
あまり金額を計算せずに頼んでいたのですが、これだけ飲み食いしてお会計は約三千円というのに驚きました。普通の焼肉屋だったら五千円コースでしょこれ…。
久しぶりに鈴鹿の味を楽しめて幸せでした。
今年の日本グランプリを現地観戦しに行けたなら、また食べに行きたい。
ごちそうさまでした。
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