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Spark Alpha Romeo C41 K. Raikkonen Abu Dhabi GP 2021

我ながら最近買いすぎている自覚がある F1 モデルカーですが、1/43 スケールの 2021 年モデルはさすがにこれが最後だと思います。

Spark / 1/43 Alpha Romeo Racing ORLEN C41 K. Raikkonen Abu Dhabi GP 2021

昨シーズン限りで現役を引退したフィンランド人ドライバー、キミ・ライコネンが 2021 年の最終戦アブダビ GP で走らせたアルファロメオ C41 です。ライコネンは個人的に大好きなドライバーで、ホンダ関連のドライバー以外では唯一と言って良いほどずっと応援してきました。引退記念に何か買おうと思っていたのですが、キャップやチームシャツよりもやっぱりモデルカーが欲しかった。

アルファロメオ F1 の白×臙脂のカラーリングは本当に美しい。一部の現定リバリーを除く通常カラーでは 2021 年はこのカラーリングが最も美しいと思っていたくらいです。今年の C42 は臙脂色の割合が増えたけど、私はホワイトの面積が多くて爽やかな印象を受ける C41 の方が好き。白いレーシングスーツも含め、北欧人のライコネンによく似合っていました。

Spark のモデルカーは台座が地味なグレー単色であることが多いですが(舗装路面をイメージしている?)、このライコネン引退仕様モデルはグレー×赤のツートンカラー。タイヤ痕が再現されていることから考えると、これはライコネンが引退レースでクラッシュした地点の路面の赤いペイントを表しているようです。クラッシュでキャリアを終えるのもある意味ライコネンらしい。この仕様はモデルカーとしてとてもいい記念になります。

2021 年のアルファロメオはレギュレーションが大改定される 2022 年仕様車にリソースを集中したため、この C41 はほぼ序盤戦のみで開発を打ち切られてしまった不遇のマシンです。最後尾が定位置だったハースよりは速い程度で、シーズンを通してウィリアムズとブービー賞をかけて争う状況でした。クルマのデザインは好きだし速そうに見えるんだけど、とにかく開発が進まないことにはどうしようもなかった。チャンピオン経験者のライコネンをして年間入賞 4 回がやっとでした。

それでもアルファロメオ(というかチーム運営母体のザウバー)は昔から独自の開発力があります。現在の F1 の主流となっているアウトウォッシュエアロ(翼端版に向かって垂れ下がったフロントウイングにより気流がクルマの外側に流れ、フロントタイヤ周辺で発生する乱気流を減らすことで空力効率を上げる)の先鞭をつけたのもアルファロメオだったし、ザウバー時代から他チームとは一線を画したアイデアを多数投入してきた実績を持っています。C41 もシーズン中の開発がまともに行われていたらもう少し良い成績が残せていたのではないでしょうか。キャリア終盤のライコネンはレースの勝敗よりも楽しむことを重視して走っていたように見えましたが、それでももう少し上位争いをする姿を見ていたかった。

チーム名こそ F1 の創設初期に活躍したイタリアの名門・アルファロメオを冠しているけど、実態はメルセデスとの提携を前提に F1 に参入した(そして一時期は BMW のワークスチームでもあった)ザウバー。ライコネンの才能を見出して F1 にデビューさせたのはこのチームであり、トップチームを渡り歩いたライコネンが最後に戻ってきたのがこのチームだった、というのはなんとも感慨深いものがあります。

最終戦でのライコネンはデビュー当時のブルー基調のデザインを復刻したヘルメットを被っていました。2007 年のフェラーリ時代以降ライコネンは赤色を取り入れたヘルメットを被ることが多かったですが、個人的にはマクラーレン時代までの青基調のカラーリングがフィンランド人らしくて好きでした。あらゆることに頓着しないように見えるライコネンが最後の最後でこのヘルメットを復刻してきた気持ちを考えるとこちらも深いものを感じざるを得ません。そしてチームメイトであり親友の一人でもあったジョヴィナッツィが同レースでライコネンをリスペクトしたデザインのヘルメットを被っていた、というのがまた尊い。

このクルマの最大のキモはエンジンカウルに施されたこのメッセージ。「DEAR KIMI WE WILL LEAVE YOU ALONE NOW(親愛なるキミ、僕たちは今度こそ君を放っておいてあげるよ)」というのは 2012 年のロータス時代、F1 復帰後初の優勝を飾ったレースでのチームラジオでの発言「Leave me alone, I know what I’m doing(放っといてくれ、自分がすべきことは解ってる)」へのオマージュです。あまりにもライコネンらしい発言であり、それを元ネタにした惜別のメッセージを贈られるところがライコネンがいかにチームから愛される存在であったか分かるというもの。

大好きだったドライバーの最後の F1 マシンを手に入れることができて嬉しい。一方で、あの独特の存在感を F1 でもう感じられないのはちょっと寂しい。
F1 引退後のライコネンは何をするのかと思ったら、MXGP(モトクロス)のカワサキワークスのチーム代表に就任したから驚きました。ライムグリーンのウェアに身を包んだライコネンの姿はまだ見慣れませんね(笑。日本だとモトクロス人気は残念ながら下火だから来日してくれる望みは薄いのかもしれませんが、日本メーカーのチームでもあることだし、JMX に視察に来てくれたりしませんかね。

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