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オーテクのサウンドバーガーがちょっと気になる

これでいいんだよ! 生まれ変わったオーテク「サウンドバーガー」を試す【小寺信良の週刊 Electric Zooma!】
アメリカでレコードが復権しているという話を聞いたのは、2010年頃だったと思う。当時はファンアイテムとして、サイズがデカくて所有感があるLP版はアリなんだろうという認識しかなかったが、その後きちんと売上を伸ばし、2020年にはCDの売上を上回るまでに成長した。

AV Watch に掲載されていたコデラさんによる↑のレビューを読んで、そうそうこれ発表されたときから気になっていたんですよということを改めて思いました。

オーディオテクニカ、今年で創業 60 周年だそうですね。それで記念モデルをいろいろと発売しています。デジタルオーディオでは決して先端を行っているブランドではありませんが、だから敢えてアナログにこだわった製品を記念モデル化するのはオーテクのようなポジションのブランドであれば正しいと思います。ヘッドホンとアナログレコード用カートリッジに定評のあるメーカーらしく、特にここに注力するのは分かりやすい。

SOUND BURGER

で、このサウンドバーガー。「モーターとピックアップ」というレコードプレーヤーの最小構成要素のみを形にすることでミニマムサイズの機器として成立させてしまったものです。40 年前に誕生した斬新な形のレコードプレーヤーをバッテリー内蔵+Bluetooth で現代のレコード人気に合わせつつ復刻というのが面白い。
私はあまり懐古趣味はないのですが、スマホの画面上の再生ボタンをタップしたらワイヤレスイヤホンから音が流れてきて…という今の音楽体験をときどき味気なく感じてしまうことがあります。昔ながらのデッキにあった重みのあるイジェクトボタン、クリック感のある再生キー、ディスクトレイやカセットデッキのローディング機構、そういうメカの物理的な感触を味わいながら音楽を楽しみたい気分のときはあるし、かつてはその一連の行為が音楽体験の一部でした。だから最近のアナログオーディオブームを横目に見ながらちょっと羨ましく感じていたのも事実。私自身は完全に CD 世代だから、カセットテープはともかくアナログレコードは自分で買ったことがないんですけどね。
ただ、仮に買うとしてもそれほど頻繁に使うわけでもないターンテーブルが一定の設置面積を専有するのはちょっと厳しい、というのがレコードに手を出さない理由の一つでした。それに対してこのコデラさんの記事にある

ターンテーブルはどうしても据え置きになってしまいがちだが、聴きたい時に出すというぐらいの距離感が、今のレコードとの付き合い方としてちょうどいい。

という下りには、そう!まさにそうなんですよ!と言いたい気分。この気軽さと「レコードがはみ出している」という尖り感が私の物欲をくすぐるわけです。

でもここまで考えて、待てよこの手のレコードプレーヤーってオーテクじゃなくてソニーから出てなかったっけ?というのを思い出して懐かしの『Sony Chronicle 2010』を読み返してみました。

PS-F5

あった!PS-F5。サウンドバーガーとほぼ同デザインながらピックアップがアームではなく内蔵式っぽい(?)ことで縦置きでも使えるのがサウンドバーガーに対するアドバンテージ。でもこれ発売は 1983 年、つまりサウンドバーガーの後追いだったんですね。
でも「レコードがはみ出す」というコンセプトは同年にもう一機種出ています。

FH-7

「ヘリコンポ」の愛称で呼ばれたミニコン用のターンテーブル(単体の型番としては PS-Q7)もレコードがはみ出している。本来ならばレコードが載らないサイズのコンポでレコードが再生できるというのがミソですが、それ以上に「再生メディアよりも筐体の小さなプレーヤーを作った結果、メディアがはみ出た状態で動作する」ことにロマンを感じます。

さすがにこのへんのレコードプレーヤー私はリアルタイムではなかったのですが、逆にリアルタイムで印象に残っているのがこちら。

D-88

ヘリコンポと同様の構造の CD プレーヤーで、8cm CD サイズなのに 12cm CD がかかるウォークマン(ディスクマン)。レコードなら媒体を読み取るのは物理的な針だからまだ分かるけど、CD のピックアップは光学だからこういう光漏れのある非密閉構造は不利なんじゃないの?と当時も疑問に思った記憶があります。でもそれ故に、CD が露出した状態で回っている状態には強烈なインパクトがありました。

あれ?何の話でしたっけ。メディアがはみ出るサイズのプレーヤーっていいよね、って話だったっけ?(←
ともあれ、レコード一枚も持ってないけどサウンドバーガーを使うためにレコード買ってきたいくらい、この手の機器が好きな私でした。

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