4 年ぶりのリアル開催となった CP+ に行ってきました。
COVID-19 以降、各メーカーは自前でオンラインイベントを開催するのが一般的になり、わざわざ CP+ に合わせて新商品を出してくることも大幅に減りました。また出展社も中小ブースを中心に減少し、CP+ 自体が以前よりもコンパクトなものになった印象。そんなわけで半日もあれば興味のあるものは見てしまえるし、そもそも見るところが多くはない…というイベントだったのですが、私が見たかったところを軸にちょっとだけレポートします。
CP+2023 カメラと写真映像のワールドプレミアショー「CP+(シーピープラス)」
まずはキヤノン。CP+ に合わせるように新ボディを発表した数少ないメーカーの一つ。フルサイズミラーレスのエントリーモデルである EOS R8 の注目度が高かったです。
実機を見た印象はやはり EOS RP にかなり近い。展示機には RF24-105/F4L や RF70-200/F2.8L が装着されていましたが、むしろもっと軽量コンパクトな RF24-105mm/F4-7.1 のほうがバランスが良いように思います。
この薄いボディ。様々な機構が搭載されてミラーレスなのに分厚いカメラが増えている昨今、こういうミラーレスらしい佇まいのカメラに私は惹かれます。ボディ内手ブレ補正は入っていないけど、それでも軽快なカメラを持って歩きたい日もあるんですよ。
自分が EOS R シリーズユーザーだったら R8 は(値段が少しこなれたら)サブ機として買っていることでしょう。
グリップも他の EOS R シリーズよりも薄くて握り込みやすい。またレンズ周辺のクリアランスも十分取れていて、コンパクトなボディの割にホールド性は良いと感じました。小指が余ってしまう向きにはボディの高さを延長するエクステンショングリップもあるし。個人的には今あるミラーレスの中でもトップクラスで手に馴染む感じ。
操作系はマルチコントローラーがオミットされているのが残念ですが、それ以外はオーソドックス。液晶ディスプレイ横のサブ電子ダイヤルがモードダイヤルの隣に移設されていますが、場所的にはこちらの方が使いやすい。ただ R6 II では液晶横とモードダイヤル横にサブ電子ダイヤル 1・2 として両方あったり、R7 ではマルチコントローラーの外周を取り囲むように配置されていたり、機種によって統一されていないのがちょっと気になる。今はどれかに集約されていく過渡期ということなのかもしれませんが。
ちょっとだけ試写してみた印象では、AF は確かに R6 II 譲りで快適。またサーボ AF 時の AF フレームが細枠で表示されるのが α よりいいな…と思いました。α の AF 枠、太いグリーンの枠で被写体の見通しが悪くなってしまうのがちょっと不満なんですよね。
こちらは EOS R50。第一印象は、商品写真で見てたときのイメージよりも一回り小さい!これは驚きました。確かに数値で見ると EOS Kiss M よりも投影面積が小さいんですよね。EF-M よりもマウント径が大きくなっているのに逆にボディを小さくしてくるとは。これはもう今から Kiss M を新規購入する理由は(R50 の価格が下がってくれば)ありませんね。
小型化の代償としてマルチコントローラーもサブ電子ダイヤルもありませんが、それが必要な人は R10 を買ってくださいということでしょう。それらがない代わりに R10 と同等性能を小さく、安く手に入れられるならカメラ任せで撮る人にとっては福音と言えます。
カメラ系ニュースサイトではあまり言及されていませんでしたが、撮影後にタッチパネルを使って写真を後加工(盛れる)できたり、手持ち動画撮影時用の手ブレ補正モードや商品レビュー用モードなどの Vlog 向け機能が強化されていたり、スマホで写真を撮っている若者向けのステップアップ機能に注力したカメラです、そういう意味でスペック的には R10 と兄妹のようなカメラでありながら、ターゲットユーザーが明確に違う。こういうラインアップの作り方がキヤノンらしい。
ホワイトモデルとは全く雰囲気の変わるブラックモデル。こちらは旧来のカメラらしいスタイル。
また「Kiss」という初心者向けイメージのペットネームがなくなったことで、フルサイズ EOS R ユーザーのサブカメラとしても使いやすくなっていると思います。
続いてシグマブース。気になっていた 60-600DGDN は先日羽田空港で試したし、L マウントアライアンスにはあまり興味がないので今回はあまり見るところがありませんでした。むしろ 60-600DGDN が重さや価格の点で私向けではないことが分かったので(性能的には申し分ないと思ったけど)改めて 150-600DGDN が気になってきました。
上の写真はその 150-600(左)と 60-600(右)。サイズ感はやはり一回り違いますね。重さは 300g しか変わらないので 2kg 超クラスとしては誤差に近いですが、実売価格で倍違うからなあ。60-600 のズーム域の広さは魅力的ですが、使用頻度も考えると私には 150-600 がいいところだと思います。
まあ 100-400DGDN も持っている中、それを超える望遠が年に何回必要か…と考えると我に返ってしまうわけです。
この後でサイカ先生やのぽりんさんと合流して話していたのですが「望遠は勢いで買うものであって、冷静になったらダメ」という結論に至りました。私がこれを買うとしたら、それは量販店で気を失った瞬間ということになりそうです(ぉ
あとはソニーブース。既に発売済みですが、FE 20-70mm/F4G の実機を初めて見ました。これ、私が以前使っていた Vario-Tessar FE 24-70/F4 とほぼ同サイズでワイド端が 4mm 広くなり、描写性能も向上しているのがすごい。私は今は FE 24-105mm/F4G に買い換えて、単焦点レンズも中望遠レンズもほぼ使わなくなるくらいに愛用しているわけですが、それでももう一回り小さい標準ズームで持ち歩きたい場面もあるんですよね…。ワイド端が 20mm まであるのも重宝しそう。24-105 との使い分けが難しいけど、気になるレンズです。
私の CP+ 2023 レポートはこんなところです。今やもう機材も用品もひととおり満足してしまって、普段使っていないメーカーのブースまでじっくり回ろうというモチベーションが薄まっていることを自覚したイベントでした。出展社減少も相まって、丸一日かけて回らなくても満足できてしまったのは体力的にはありがたいですね(笑。でも展示会場よりもアウトレット会場の行列のほうがひどいことになっていたり、イベントとしての存在意義が変わってきているような気もします。CP+ 自体がいつまで存続できるか、少し不安にもなりました。
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