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Acoustune HS1300SS

ウォークマン ZX707 を手に入れたら有線イヤホン/ヘッドホンで音楽を聴くのがとても楽しくなって、いろいろ取っ替え引っ替えしています。その流れで新しいイヤホンに手を出したくなり、以前から気になっていたこちらを。

Acoustune / HS1300SS (Black)

Acoustune のメインストリームモデルです。先日購入したモニターイヤホン RS THREE IEM もすごく気に入ったのですが、こちらはリスニング系。むしろこっちのほうが本来の Acoustune の路線ですね。昔、同社の HS1551 を試聴した際にダイナミックドライバー一発で BA を凌ぐ繊細な高音が出ることに衝撃を受け、いずれこの系列のイヤホンを買ってみたいと思っていたのでした。

同社のこのシリーズのイヤホンは音響チャンバー(ドライバーユニットを収めているパーツ)とハウジング(外装)の二層構造になっているのが特徴。上位機種だと真鍮チャンバー+アルミハウジングだったりするところ、この HS1300SS はコストを抑えるためにステンレスチャンバー+アルミアウジングの構成になっています。メカメカしいデザインもこのモデルではやや控えめ。ブラックカラーを選んだこともあり、悪目立ちすることなく日常使いできそう。

同じ黒でも音響チャンバーは光沢、ハウジングはつや消しで塗装されているため側面から見ると素材の違いがよく判ります。
フルメタル筐体ということもありイヤホンとしてはズッシリと重め。シュアー掛けするタイプのイヤホンではありますが、人によってはイヤーピースをちゃんと選んで安定させないと本来の音質で楽しめないかもしれません(少なくとも私はそうでした)。なので音質以前の段階で合う/合わないの個人差が大きいイヤホンかもしれません。

付属のケーブルはしっかりした線材を使った編組ケーブルで、単品で買ったら 1~2 万円くらいしそうな高級感があります。リケーブルしなくても十分と思える高音質だし、タッチノイズも少ないし、太さとバランス非対応であること以外は特に不満を感じません。

イヤホン側のコネクターは Pentaconn ear。RS THREE も Pentaconn ear でしたがあちらはロングタイプ(異形)と呼ばれる「深く差し込むタイプ」で、HS1300SS 付属のケーブルは RS THREE には挿せないし、RS THREE 付属のケーブルは HS1300 には挿さるけど基部が露出して不格好、とほぼ互換性がない状況になっています。Pentaconn ear はただでさえ MMCX や 2pin よりも選択肢が少ないのに、こうやって自ら普及を妨げるようなのはやめてほしい…。

イヤーピースはサイズ違いも含め 9 種類もが付属。ウレタンフォーム型の AET02、ダブルフランジ形の AET06(S+/M+)、開口が大きくて高音がよく聞こえる AET07(S/M/L)、硬めの軸でしっかり装着でき高音より中低音重視な AET08(S/M/L)。それぞれ付け替えるだけでけっこう音質が変わって面白い。前述の通りこのイヤホンは装着安定性による音質への影響が大きいのでそこも込みで評価する必要があります。安定感だけなら AET02 ですが、個人的には AET08 の L サイズがバランス良いかなと感じました。でも付属品以外も含めて最適解はありそうなので、いろいろ試してみようかと。

その他の付属品はキャリングケースと二種類のケーブルタイ(合皮製とベルクロタイプ)。確かにこのイヤホンは DAP に雑に巻き付けて…というよりは丁寧にケースに入れて持ち運びたい感じです。

黒いボディにゴールドの差し色、というのが ZX707 によく似合う。アルミ筐体の質感も含め最初からセットだったような佇まいを感じます。

音質のほうは、期待通り高音が煌びやかに伸びるのが心地良い。HS1551 のときにも感じましたが、これが DD 一発から出ているとは思えない音。やはり金属製チャンバーの響きが効いているんでしょうね。全体的に明るめの音色で全体的に音が「濃く」、聴いていて楽しい気分に浸れます。以前聴いた HS1551 は(あくまで記憶の範疇ながら)さらにもっと伸びたような印象があるのですが、価格差を考えると HS1300SS でも十分楽しい。特に金管楽器とかピアノ、アコースティックギター等の高音、女性ヴォーカルなんかが気持ち良い。
先日購入した RS THREE の方も私の好みど真ん中な音質で「リスニング用としてもこれで十分」と思っていたのですが、音の正確性という意味では RS THREE に軍配が上がるものの、脚色された音の心地良さという点では HS1300SS の方が上。どっちが良いというよりは方向性の差ですね。RS THREE は軽くて長時間つけていても疲れない利点もあるので、都度使い分けていこうと思います。

とりあえず今は ZX707+HS1300SS で音楽を聴くのがめちゃくちゃ楽しい。ライブラリーに持っている音源を片っ端から聴き直しています。

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