巷では今セブンイレブンがエリックサウスや魯珈といった有名店とコラボしたカレーの祭典が話題ですが、いっぽう私は東京駅で一人カレーフェアを開催してきました。
TOKYO CURRY QUARTET | ヤエチカ(八重洲地下街)| 東京駅
八重洲地下街に 2 月にオープンしたフードスポット「トウキョウカレーカルテット」。東京都外を含め 4 つのカレーの名店を集めた場所ということでカレー好きとしては気になっていたのでした。
夏休みシーズンにつきどれくらい混雑しているかと思ったら、後述する一店舗を除き休日でもそれほど待ちが発生している様子はなし。同じ八重洲地下にある東京ラーメンストリートの大行列とは対照的ですが、こちらは改札から少し離れているのに加えてまだあまり認知されていないからですかね。
ひととおり食べてきたので順を追ってご紹介。まずはこちらから。
大阪から初の東京出店という「Columbia8(コロンビアエイト)」。私は大阪のカレーというとインデアンくらいしか知らなかったのですが、こちらのお店はかなりの人気店のようですね。注目度が高いのか、4 店舗の中で唯一行列ができていました。でも回転は速くて私は 10 分ほどの待ちで入店。
こちらのカレーは「右手にスプーン、左手にししとう」を持ってししとうを囓りながら食べるという変わった流儀。こういう食べ方も含め既存のカレー店とは一線を画すスタイルが話題の理由といったところでしょうか。でもこんな食べ方したことないし、嫌が応にも期待が高まります。
注文したのはこの店では定番というキーマカレー。ゆで玉子トッピングがオススメとのことで追加してみました。
見た目からして、今までに見たことのないカレー。シャバシャバなカレーの海の上に黄色いサフランライスの島が浮いている。全体に大量に振りかけられたスパイスと、ライスの上に鎮座するししとう。果たしてこれはカレーなのか?という疑問が湧きつつも、漂ってくるスパイスの香りは確かにカレーのそれ。
促されるままに右手にスプーン、左手にししとうを構え、ししとうをひと囓りしてはカレーを口に運ぶ…という手順で食べてみる。
おお…様々な香辛料の香りと刺激。これはかなり攻めたスパイスカレー。ししとうを囓りながら食べるとスパイスの香りとししとうの甘みが引き出され、ちょっと食べたことない種類のカレーの世界が広がっていきます。これは面白い。
キーマカレーにはグレープフルーツジュースがセットになっています。
グレープフルーツの酸味と苦味が味覚をリセットして、そのたびにししとうとスパイスの味が新鮮に感じられる。今までカレーとグレープフルーツって合わせたことがなかったけど、こういう組み合わせもあるのかー。
いやはや、のっけから常識を覆してくるカレーでした。
そして二店目はこちらへ。
ここは本来(銀座にある本店)は昔ながらの洋食レストランらしいのですが、八重洲の店舗はカレー専門店として営業している模様。
日本におけるカツカレー発祥の店だそうですね。1948 年に銀座本店に来た読売ジャイアンツの千葉茂選手がカレーライスにカツレツを乗せるよう注文したのが始まりとのこと。
メニューは当然のごとく揚げ物系のカレーが主力。
八重洲店限定の「まるごとカニフライ」というのが見た目からしてすごい。まあ、今回は初めて来たから王道を攻めていくつもり。
ランチメニューを注文したところ、セットでサラダがついてきました。
なんてことないグリーンサラダに見えて、赤かぶのスライスとかベーコンフレークとかが入っているのが洋食屋らしくてポイント高い。
カレーは週末限定ランチのポークカツ&ビーフカツのハーフ&ハーフカレーを選択。せっかくだからいろいろ食べたいじゃないですか。
カレーは昔ながらの欧風カレーという感じで、上品なコクの中にスパイシーさが隠れている感じ。こういう定番カレー、大好きなやつ。かといって自宅では作れない、外食ならではのカレー。
揚げたてでサクサクのカツレツ。
ポークカツは肉が薄くてちょっと期待値に届いてない感じだけど、ビーフカツは肉汁が溢れ出てくる勢いでおいしい。長年の歴史に裏打ちされた、カレーとカツの相性も最高。
これは銀座の本店にも行ってみたくなったなあ。
続いて三店舗目。
こちらはスープカレーのお店。ということはつまり、北海道からの出店です。
売りは「えびだしスープカレー」という、今までの食べたことのない種類のカレー。これもまた期待が高まります。
メニューはいろいろ種類があって迷ったけど、一番のオススメという「宗谷黒牛 100% おくしバーグカレー」を注文。
しばらく待つとなんだかすごいのが運ばれてきました。
深い器に大ぶりのハンバーグ、ゴロゴロと食べ応えありそうな野菜に素揚げした海老、さらにえびせん。スープカレーは好きでけっこう食べるけど、こんなのは見たことがありません。
しかも、スープから漂ってくるおいしそうな海老の香り。これは食欲を大いにそそってきます。
さぞかし濃厚な海老のうまみが…と思ったら、味のほうはそれほど海老が前面に出てくる感じではなく。ほんのり海老の香りでいただくコク系スープカレーという感覚。
でもあんまり濃い海老味よりは程良いおいしさを野菜やえびせんに吸わせて食べるのがイイ感じ。というか、えびせんを何かに浸して食べたのはこれが初めてだけど、えびせんの食感がモチモチに変わって面白い。
トレイには胡麻入りの海老ふりかけがついてきて、これを摺ってカレーやライスにかけると海老の香りが倍増してさらにおいしい。
通常の海老の香りに鼻が慣れてしまったら、これで追い海老をすることで濃密な海老の香りがまた楽しめるというわけ。
でっかいハンバーグは食べ応え抜群。肉そのもののうまみが海老の香りに負けてない。
宗谷黒牛ってたぶん初めて食べたけど、こんなにおいしいものだったのか。
海老スープカレーと宗谷ハンバーグ、満足度の高いお味でした。これはまた食べたい。
で、最後はインドカレー。南青山に本店を持つこちらのお店です。
カレーと言えばインドなわけで、4 店舗あったらひとつはインドカレーは外せないところ。
でも残念なことに、4 店舗のうちでは最も空いているように見えました。まあインドカレーって他のカレー屋と違って腰を落ち着けて食べたい感があるし、同じ八重洲地下街にはあのエリックサウスもあるし、難しいところなのかもしれません。でも個人的には入りやすいのは良いことです。
カレーは定番のインドカレーから種類を選べるほか、ナンやクルチャにも選択肢があって素晴らしい。ビリヤニまであるから欲しいところはだいたい押さえてある感じ。
でも八重洲店限定という「オムビリヤニカレー」の自己主張がすごい。インドカレー的には邪道な気もするけど、ビリヤニと二種類のインドカレーを一緒に楽しめるならこれはこれでアリな気がする。
ということで、悩んだ挙げ句オムビリヤニカレーを注文してみました。
二種のカレーはラムとほうれん草チーズ。赤、黄、緑でインドというよりアフリカ地域の国旗みたいな配色になってしまった。
ちょっと辛めのラムカレーにコク甘口のほうれん草チーズ、どちらも期待に違わぬインドカレー。
ラム肉がトロットロに煮込まれているのが気に入りました。
オムライスの中にはちゃんとバスマティライスで作られたビリヤニが。
ビリヤニでオムライスってどうよ、と思ったけどこれはこれでアリ。ラムカレー、ほうれん草チーズカレーそれぞれとの相性も悪くない。
でも…やっぱりビリヤニはラッサム(酸っぱ辛いスープ)やライタ(ヨーグルト)で味変しながら食べたい気もします。オムビリヤニカレーはあくまで入門編という感じ。
せっかくなのでクルチャも頼んでみました。
プレーンなナンよりも食べ応えがありつつ、スパイスの良い香りが漂ってくるクルチャ。これもまたラムカレーやほうれん草チーズカレーによく合います。
やっぱりこっちがこの店本来の実力、という感じ。今度来る機会があったら次はオーソドックスにカレー&ナンやクルチャか、オムじゃないビリヤニを食べてみよう。
それぞれに特徴ある 4 店のカレー、楽しめました。
まだまだ夏休み、東京駅周辺を利用する機会もあるでしょうから、いつもとはちょっと変わったカレーを食べに行ってみてはいかがでしょうか。
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