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ありがとう肉ビル:秋葉原 肉の万世

「そうそう、あそこのカツサンドが確かうまかったなあ」

肉の万世

先週、秋葉原・万世橋詰にあるレストラン「肉の万世 秋葉原本店」の 3 月末での全館閉店が発表されました。長らく秋葉原のランドマークとして知られる店舗だっただけに、閉店を惜しむ声を数多く耳にします。

私が初めて万世本店(通称・肉ビル)を訪れたのは、1996 年に上京してきてすぐ。引越しの翌日あたりに秋葉原の石丸電気(現エディオン)に生活家電一式を買いに来た日の昼食に万世の洋食レストランで確かハンバーグを食べたことを朧気に憶えています。その後日常的にアキバの PC パーツショップを巡るようになるのですが、当時の秋葉原は今とは違って飲食店が少なく、私はほぼ万世の地下でパーコーメンか、アキハバラデパート(駅ビル)で立ち食いのカレーか、そうでなければじゃんがららぁめんに並ぶか…というのがお決まりでした。サンボとかラホールとかはアキバ古参の人の店というイメージがあって、Windows 95 から入った新参者の私には敷居が高かったなあ。

漫画『孤独のグルメ』で「この街には“食欲”というものが欠亡している気がする」と評されていた秋葉原も今では観光地化が進んで飲食店がひしめき合う状態に。私もアキバに来ても(来る機会自体が減ったのもあるけど)他の飲食店で済ますことが増え、肉ビルには数年単位で来てませんでした。閉店するからといって食べに行くようなのは邪道な気もするけど、個人的にはそうやって斜に構えているくらいなら感謝の意味も込めて最後に食べに行きたい。ということで、久しぶりに訪店。

肉の万世

肉の万世

かつては地下 1 階から地上 10 階までが全て肉関係の飲食店だった万世本店。三年前にビルを売却、お店はテナントとして営業継続していたものの、ステーキハウスが閉店、焼肉店は近隣に移転…と万世がこのビルから撤退するつもりであることは分かっていました。が、いざ現実のものとなると寂しいですね。
現在は 3~4 階のレストランと 1 階のコンビニおよび万世麺店のみが 3 月まで営業を続けています。

肉の万世

閉店のニュース以降毎日大行列ができているとのことで、確かにレストラン・麺店ともに開店前から行列。ただしレストランは移転が決まっているため行列は控えめ、今回で完全閉店となる麺店のほうが混んでいるように見えました。
それでも開店前の 10:50 頃に到着したところ 30 分程度の行列で入店できました。閉店発表直後に比べると少しは落ち着いたのかもしれませんが、お昼のピークタイムはもっとすごそう。

肉の万世

万世麺店、昔はこのビルの地階ありましたが、現在は 1F の万世橋酒場の店舗を使って営業しているようです(酒場営業は既に終了している模様)。ラーメンはチャーシューメンとかワンタンメンといったものは一切なく、排骨麺(パーコーメン)のみという潔さ。

肉の万世

私が最後に万世の排骨麺を食べたのは一年ほど前に有楽町店に行ったときだったと思いますが、有楽町店ももう閉店しているようですね。
かつては都内に複数展開していた万世麺店も今やこの秋葉原店のみになっており、3 月末の閉店をもって食べられなくなってしまうわけです。

肉の万世

もともと万世橋酒場だった店舗を使っているため、店構えは完全に立ち飲み屋。こういう雰囲気いいなあ、ジャンクなつまみでホッピーとかサワーとか飲みたい感じ。
店内はカウンターのみですが椅子(スツール)があるから立ち食いにはなりません。

肉の万世

というわけで、私が注文したのはダブル排骨麺。ここの排骨麺は麺やスープよりもむしろ排骨が主役、最後ならば思い切って二枚行くでしょ。
「中華そば」と言いたくなるオーソドックスな醤油ベースのラーメンに、どどーんと排骨が載っかってやって来ました。

肉の万世

肉肉しく食べ応えある排骨。一口目には胡椒の風味も感じて、パンチあります。
二枚もあるとこの肉だけでお腹いっぱいになりそうなボリューム感。

肉の万世

中細のちぢれ麺、そこに東京らしさを感じる醤油スープ。こういうのでいいんだよこういうので。
排骨の引き立て役的な立ち位置のラーメンだけど、控えめながらいい働きをする名バイプレイヤーのようだ。

肉の万世

いやあおいしかった…という満足感に浸りながら肉ビルの中にも改めて踏み込んでみました。
万の字が刻まれたたくさんの提灯。全フロアが営業していた時代には、ここからエレベーターで焼肉、ステーキ、洋食、どれを食べようか…というのはちょっとしたお祭り感があったものでした。

肉の万世

万かつサンドとウルトラマンのコラボポスターを発見。こんなプロモをやっていたのか。
中身は普通の万かつサンド、パッケージだけをウルトラマンデザインにしたものだけど通常の万かつサンドより 50 円高いだけというのは良心的。

肉の万世

このポスターにつられてつい万かつサンド(通常のやつ)をお土産に買って帰ってしまいました。ソースの味って男のコだよな。
漫画版『孤独のグルメ』の聖地巡礼で原作再現のためにここで買って駅前の路上で食べたのが懐かしい(笑。あれから 11 年、当時 650 円だった万かつサンドが今や 800 円かあ…。

ちなみにこの万かつサンドは都内の主要駅や羽田空港の売店でも販売されているので肉ビル閉館後もその味を引き続き楽しめます。

肉の万世

完全閉館まであと一ヶ月ありますが、アキバに来る頻度的に私はこれが最後の肉ビルになるだろうなあ。
ここ数年は不義理しちゃってたけど、長い間お世話になりました。最後の排骨麺、おいしかった。

初めて食べてから 28 年、本当にごちそうさまでした。
麺店は閉店してしまいますが、洋食レストランの方は 3 月末に末広町側(サイゼリヤと同じビル)に移転するとのことなので、改めてハンバーグを食べに行こうと思います。

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