松重豊さんのラジオ「深夜の音楽食堂」では時々松重さんが食べたもの・店について紹介されることがあります。先日の放送で「ロケ現場の近くにあったこの店の担々麺がおいしかった」という話があり、担々麺好きとしては行ってみるしかない!と思い立って京急線に乗って井土ヶ谷へ。
駅から徒歩数分、幹線道路沿いにある担々麺の専門店。半年ほど前にオープンしたばかりの新しい店のようです。
店名の「種実」はスープに胡麻やナッツ類をふんだんに使ったことに由来しているとのこと。
休日の 11 時台に訪店したところ既に空席は少なく、私の後には店外での待ちも発生していました。アクセスが良い立地というわけでもないだろうけど既に人気店になっているようですね。
メニューは担々麺と焼飯(券売機には炒飯とあったけど店内では「焼飯」と呼ばれる)が主力。他にも汁なし担々麺や担々つけ麺などもあるようですが、お客さんの大半が担々麺単品または焼飯セットを注文していました。
座席はカウンターのみ。厨房では男性スタッフが黙々と働いており、奥で調理を担当するのが店主のようです。設備の都合で担々麺は同時に二杯しか調理できないようで混んでるとちょっと待たされますが、サッと食べてパッと出るというよりはじっくり味わいたい店だから個人的には無問題。
各座席の正面にはミニ扇風機が備え付けられています。この時季ならまだ必要ありませんが、真夏に担々麺を食べて汗が噴き出してきてもこれなら大丈夫。こういう配慮、ありがたいですね。
麺には太麺(手揉み麺)と細麺(真空麺)の二種類あり、単品や白飯と組み合わせるか焼飯と一緒に食べるかによってお勧めが異なります。私はせっかくなら焼飯と一緒に食べたかったので細麺を選択。
そんなわけで私の担々麺が着丼。
純白の器に丁寧に盛り付けられた担々麺、もう見た目の段階でおいしい確信が持てます。
「種実坦々麺」の名が示す通り、スープには胡麻たっぷり、さらにカシューナッツやクルミなど多量のナッツ類が浮かべられています。これのおかげでコク深く濃厚な味わい。
個人的には担々麺といえば吉華系のあっさりスープが定番だけど、こういう胡麻やナッツの効いた濃厚スープの担々麺も大好物。それもここまでナッツをダイレクトに感じられる担々麺は珍しい。
ナッツのカリカリに加えてネギのシャキシャキ、キクラゲのコリコリなど食感の異なる具材がいろいろ入っているのも楽しい。
細麺、といっても一般的な分類では中太麺。これくらいの太さがあったほうが濃厚なスープがしっかり絡んでおいしい。担々麺単品や白ごはんとのセットなら太麺がお勧めとのことだけど、確かにこのスープになら太い麺の方が相性が良さそうです。
こちらがセットの半炒飯。おお、この見た目は確かに炒飯というより「焼飯」だ。
ピンクと白のカマボコが細切れになって混ぜられているのが町中華っぽくて良い。
パラパラ系の焼飯で、味付けはしっかりめだけど押しが強いというよりは素朴な感じ。これなら毎日でも飽きずに食べられそう。
カウンターには焼飯や担々麺の味変についての解説が貼られていました。私は飲食店でガンガン味変するのはお店に失礼じゃないだろうか…と尻込みしてしまうタイプだから、こうやってガイドがあると安心して試せます。
そしてこれらが味変アイテムたち。テプラで「痺」「酢」「辛」と貼られているのが判りやすい。
焼飯ににんにく酢醤油をちょっとかけてやると、香りが立ちつつスッキリした味わいになって目先が変わる。担々麺の方はちょっとシビレを足したかったから軽く花椒を振るとさらに好みな感じになりました。胡麻やナッツに花椒の香りが相乗効果をもたらします。
いやはやおいしかった。松重さんがお勧めするだけのことはあるし、担々麺好きな私としても大好きな味でした。
井土ヶ谷って全然来る機会がなくて今回初めて降りたような場所でしたが、これは機会を作ってまた食べに行きたいです。
ごちそうさまでした。
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