先日隅田川の桜を撮りに行ったときに、押上のちょっと先のほうまで足を伸ばしてカレーを食べて来ました。
先日発売された、アニメ『リコリス・リコイル』のスピンオフ小説第二弾『リコリス・リコイル Recovery Days』で紹介されていたお店です。前作『Ordinary Days』に登場した錦糸町周辺の飲食店をあちこち巡ってみたらおいしかったので、今回も期待を膨らませて来てみました。
押上から東に徒歩 10 分ほど、静かな住宅街の中に蔦が這い回る古民家あり。ここが目的のお店なのですが、店構えが飲食店然としていなさすぎて一瞬スルーしそうになりました(笑。
鬱蒼とした、と表現したくなる前庭がお店へと誘います。開店 10 分前に来たところ既に 7~8 人の行列ができており、人気店であることが窺えます。
店内は思いっきり古民家。壁は塗り替えられているようですが柱や梁の年季の入った感じとか、狭い廊下とか、なんだか幼少期の実家や親戚の家に来たような感覚。古民家カフェと言いつつ内装は大幅に手を入れてあるお店も少なくない中、ここは正真正銘の古民家カフェと言って良い。この懐かしさがなんとも言えません。
カレーは日替わりでたくさんの種類があり、1 種もしくは 2 種のカレーを選択してランチを組み立てる方式。
甘口辛口、ポークにビーフからチキン、ラム、エビ、極めつけはアサリまであって迷ってしまいそう。でも今回はあらかじめ決めてきてあるのです。
カレー 2 種のランチ、エビとラムキーマのセット。小説で千束が一番のオススメとしていた組み合わせです。
風邪を引いて熱があってでも食べたくなるカレー、というのはカレー好きとしてはよく分かる。出てきた瞬間から様々なスパイスや食材の香りが漂ってきて、既に食欲を刺激されています。
たっぷりめの白米の脇には付け合わせの野菜 4 種。インド料理の付け合わせにありそうな組み合わせでありながら、いかにも古民家で出てきそうな惣菜っぽさも持ち合わせて見えるのはこの店の雰囲気がなせるものなのか。
シャキシャキ、コリコリ、などそれぞれ異なる食感が楽しい。カレーの合間の箸休めとしても良いし、単品でご飯のおかずにもなるちょうど良さ。
ちなみにライスがスパイスカレー向きの長粒種じゃなくてあえての日本米なのも、この店ならば逆に正しい気がする。
エビカレー。鼻を近づけるまでもなく漂ってくるエビの香り高さ!
サラサラ系のカレーでここまでエビの香りが主張してくるってことは、単に煮込んだだけでなく炙るか焼いてから煮込んだエビなんでしょうか。この匂いだけでライスが進みそう。
スリランカ風の酸味と辛味がしっかり効いたカレーに、エビの旨味がこれでもかというほどに出ていておいしい。
日本流のシーフードカレーと全然違う、様々なスパイスが味覚を刺激してくる感じ。自分の奥底から食欲が溢れ出してくる。
こちらはラムキーマ。刻み生姜が載ったカレーってのも珍しいような。
さっきのエビに負けず劣らず、こっちもラムらしい香りが強い。ラム好きにはたまらない、匂いからわかるおいしさ。
ラムキーマもしっかり辛い。でもいろんなスパイスやら生姜が効いた奥行きのある辛さが楽しめる感じ。
やや粗挽きのラムは自己主張強めで、いかにもラム肉食べてる実感が味わえる。凝縮感のあるラムキーマ、これもまた気に入りました。
デザートはパンナコッタのイチゴソースかけ。飲み物は本当はホットコーヒーにしたかったけど、これだけスパイスの刺激を受けた後だとアイスコーヒーを選ばざるを得ませんでした。
いやあおいしかったです。遠かったけどわざわざ食べに来た甲斐がありました。
原作のアサウラ氏、おそらく墨田区周辺在住でこの界隈のカフェによく行くんでしょうね。作品に登場するお店がどれも間違いない。『Recovery Days』は前作に比べると飲食店への言及が少なかったのがちょっと残念でしたが、次作があるなら今度はどんなお店が紹介されるのか楽しみにしています。
今回食べたエビとラムキーマも絶品だったけど、ガーリックチキン、ココナッツ、ポークビンダルあたりもすごく気になる。そして冬季限定という牡蠣のカレーも一度食べてみたいところ。
スカイツリー周辺ならまた来る機会もあるだろうし、次はまた別のカレーも試してみようと思います。
ごちそうさまでした。
コメント