レッドブルがセルジオ・ペレスとのドライバー契約を二年延長し、2026 年シーズンまでキープすることを発表しました。
ペレスの契約延長は既定路線という報道が多かっただけにそれ自体には驚きはありませんが、複数年というのには驚きました。マイアミ GP 以降まともなリザルトを残せておらず、ドライバーズはともかくコンストラクターズでフェラーリに迫られる状況に陥っているさなかですからね。来年はフェラーリがハミルトン+ルクレールというコンビになることを考えれば、レッドブルはもうコンストラクターズチャンピオンを諦めているのか?と問い質したくなります。延長の理由はペレスの速さよりもフェルスタッペンへの脅威にならないことと莫大なスポンサーマネーとも言われていますが、どうなんでしょうね。去年までは頑として単年契約だったのが今回はいきなり複数年というあたり、レッドブル・レーシングの主導権をクリスチャン・ホーナーが完全掌握したことと無関係ではないように思います。
これで現時点でのトップ 3 チームであるレッドブル、フェラーリ、マクラーレンの 6 席は 2026 年までは埋まったことになります。これを契機に残りのシート争いが加速することでしょう。ドライバーマーケットの中心にいるのはサインツ、ボッタス、角田裕毅あたりでしょうか。中でもサインツはパズルの大きなピースとなりそうです。
角田目線で言えばこれでこの先二年間はレッドブル昇格の可能性が潰えたことになります。まあフェルスタッペンが電撃移籍してその後釜に収まるウルトラ C がなくはないですが、ドライバー人事をヘルムート・マルコが握っていた時代ならまだしもホーナーが実権を持った今、その可能性は低いか。それにしても角田はホンダだけでなくレッドブルの育成ドライバー(F2 以降はむしろレッドブルが育てたと言って良い)なのにこれだけ成長を示してもその先がないというのは、レッドブルのドライバー育成プログラムはもう機能していませんね。レッドブルと RB で計 4 席あるシートの半分をキャリア終盤のドライバー(ペレスとリカルド)が占めているわけですから。
角田の来季は現在の勢力図だけを見ると RB 残留が賢明に見えますが、2025~26 年の勢力図がどう変わるか例年以上に読めないのが難しいところです。RB 自体はチームとしては上昇傾向にあるものの 2026 年のフォード RBPT 製パワーユニットが未知数だし、今は下位に沈んでいるアルピーヌやウィリアムズが復活する可能性もあるし、ザウバーはアウディ化されても勝てるようになるまで三年はかかるだろうし、メルセデスやアストンの戦闘力がどっちに転ぶかも分からない。アルピーヌはチームを売却してルノーも PU から手を引くという噂もあるからホンダかアンドレッティが買収して角田が乗る(もちろん PU はホンダ)、みたいなシナリオだってあり得ます。角田にとって何が正解か分からないけどようやくホンダ関係なくドライバーとして評価されるようになってきたからには、そろそろホンダの手を離れて F1 で生き残っていく道を探しても良いのではないでしょうか。レギュレーションが大きく変わる 2025→2026 はドライバーラインアップを維持するチームが多そうなので、動くなら今だと思います。
まあ RB に残留しようとホンダから離れようと、私は引き続き角田裕毅というドライバーを応援していく所存です。
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