フルサイズ用レンズ初のズーム全域F1.8を実現した「SIGMA 28-45mm F1.8 DG DN|Art」 – デジカメ Watch
相変わらず精力的に新製品を投入し続けているシグマから、先日の 24-70mm F2.8 DG DN II に続いてまた新しいレンズが出てきました。今度は 28-45mm F1.8。ズームレンジは短いながらもフルサイズ用で F1.8 通しのズームレンズは史上初。最近のシグマ、他社がやってない領域で独自性を発揮してきますね(そこにニーズがあるかどうかはさておき)。
ポジショニング的には一眼レフ時代に存在した(まだ現行品だけど)APS-C 用レンズ 18-35mm F1.8 のフルサイズミラーレス版という感覚。ただし 18-35mm F1.8 が 35mm 判換算でざっくり 28-50mm F1.8 相当、つまり 28mm/35mm/50mm F1.8 の単焦点レンズ三本分を一本に凝縮したようなズームレンズだったのに対して、今回の 28-45mm F1.8 がカバーするのは 28mm/35mm/45mm F1.8 の三本分。45mm は当のシグマが I Series で 45mm F2.8 を出しているし「準標準レンズ」という感覚ではありますが、定番の 50mm を外してきているのがちょっと気になります。まあここで欲張って 50mm まで伸ばそうとしたら一気に大きく重くなる、ということなのかもしれません。
ちなみに似たコンセプトのレンズといえばキヤノンの RF28-70mm F2L が存在します。標準ズームとして使うならこれくらいのズームレンジは欲しいところですが、RF28-70/F2L はレンズ単体で 1,430g。それに対してシグマ 28-45/F1.8 はズームレンジは狭いもののキヤノンよりも 1/3 段明るく、重量は 960g。重くても常用の焦点域をカバーするほうが使い勝手が良いか、多少狭くなっても軽い方が持ち出す機会が増えると考えるか、メーカーごとの思想やターゲットユーザーの差がスペックの差として表れているように思います。個人的な推測としてはキヤノンはプロフォトグラファーが使うことを想定して可用性重視、シグマは趣味性の高いユーザーに刺さるよう明るさと軽さで尖ったスペックにしよう、という狙いかと思っています。
こういうレンズが世に出てきた背景としては、やはりシグマやソニーが 24-70mm F2.8 の II 型で大幅な軽量化を果たしてきたことがあるように思います。ミラーレスへの最適化や歪曲収差の電子補正を前提とした設計、レンズエレメントの製造精度の向上などにより、24-70mm F2.8 が従来よりも軽く作れるようになり、またこれまでの 24-70mm F2.8 に近い重さで一段明るいズームレンズ(28-45mm F1.8)を作ることも可能になったということでしょう。そう考えるとフルサイズミラーレス用レンズは第二世代に入ってより自由度の高い製品開発ができる時代になったと言えるわけで、今後出てくるレンズ群に関しても楽しみが増えるというものです。
私自身はこういう突出したレンズよりも小三元から大三元への移行を考えているので、この 28-45mm は対象外という感じです。が、先日試用した 24-70mm F2.8 DG DN II が思いのほか良くて FE24-70GM2 とどちらにするか悩んでいるところだったりします。
コメント