北陸金沢回転寿司のとめぐり

私は北陸に行ったら何らか寿司を食べて帰る、を自分に課しています。というわけで先日金沢に行った際にはこちらのお店でいただいてきました。

金沢駅周辺の回転寿司店はだいたい制覇した…つもりでいたんですが、2020 年に駅裏に開業したクロスゲート金沢内にまだ行っていない店がありました。まともに帰省できていなかった過去四年の間にオープンしていた模様。
クロスゲート金沢、駅周辺の他の商業施設と比べて少し高めなテナントが入っているようです。この「のとめぐり」も回転寿司にしてはやや高めですが、正月の地震からの復興途上にある能登の応援になればという思いもあって入店。まあ能登なのに金沢回転寿司（金沢は能登地方ではなく加賀地方）というからには能登半島系の資本ではないのかもしれませんが、少なくともネタの仕入れは石川・富山の各漁港が中心だろうから能登にも何らかのお金を落とすことになるはずです。

店内はテーブル三つとカウンターのみ、とあまりキャパは大きくありません。家族連れを想定したようなお店ではないからこそ落ち着ける場合もあるわけで。
ちなみに駅周辺の回転寿司店はどこもハイシーズンは激混みですが、ここは駅裏で客層を選ぶビルだからかランチタイムならそこまで混んではいないようでした。

注文は当然のようにタッチパネルで。最近はもはや口頭で注文しなくてはならない回転寿司店のほうが珍しくなりました。

カウンターでは目の前にベルトコンベアが廻っている…のですが、寿司は一切流れてきません。流れてくるのはひたすら POP のみ。これ回転寿司を名乗る意味ある？とも思ったのですが、金沢なら廻らない寿司よりも回転寿司の方がキャッチーということでしょうか。

個人的に嬉しかったのが、ガリに昆布が入っていること！こういうの初めてだけど大の昆布文化圏である富山で生まれ育った私としては大歓迎。
普通のガリとは違う、昆布のダシが効いたうまみ強いガリ。これをつまみに日本酒が飲めるレベルです。

ちなみにこの昆布ガリ、持ち帰り用の販売も行っています。

いろいろ食べてみたかったからとりあえず「のとめぐりランチ」を注文してみました。
ネタは日替わりのようですがこの日は中トロ、真鯛、鰆、バイ貝、甘海老、白海老軍艦、紅ずわい軍艦。いかにも北陸らしいネタのオールスターズが私に「おかえり」と言ってくれているように感じます。

中でも白海老軍艦が海苔ではなく白昆布で巻かれているのが北陸的。富山だとおにぎりでも何でも白昆布で巻いたりまぶしたりするのが海苔と同じくらい一般的なんですよね。

ランチに含まれる味噌汁（これも日替わり）には甘海老の頭が二つ入っていました。
魚介のダシが効いたたっぷりめの味噌汁がありがたい。なんか高岡で昔から行われている「日本海なべ祭り」を思い出す味。

そしてのどぐろの手巻き、これもセットに含まれます。
軽く炙られていることで少しの香ばしさを感じた後、口に入れたらスルッと溶けていくかのような食感。ああ美味い。

のとめぐりランチ、これだけで石川と富山をぐるっと回ってきたかのような満足度。

あとは握りをアラカルトで。
イカ、これは普段の食卓でも刺身の定番だったけど、このトロッとした食感と程よい歯ごたえがたまらん。懐かしい味。

ホタルイカ軍艦。さすがに旬じゃないから冷凍を茹でたものだと思いますが、そういえば今年はまだホタルイカ食べてなかったからありがたい。

茹でることで生ホタルイカとは少し変わるプチッとした食感と、なんとも表現することが難しい複雑なうまみ。ああ、帰ってきて良かった。

光り物で真あじといわし。
真あじは王道の魚らしいうまみ。いわしは脂のとろけ具合がたまらん。私的には仮にマグロが食べられなくたって、ぶりとあじ・いわしが食べられれば満足できます。

そしてこれを食べずには帰れない、ぶり。別にぶりとろじゃなくても普通のぶりが自分にとっての故郷の味。
こちらも旬は過ぎているけど、これを食べることで北陸に戻ってきた実感が得られる。この味で育ってきたんだ。

本当に最初から最後まで、全部おいしかった。
北陸の回転寿司って基本的にはネタの質と鮮度で勝負！というのが主流で私もそれで良いと思っているのですが、この店はそれに加えて技術や創意工夫を感じます。確かに少し高価いだけのことはある。
子どもも連れての帰省ならもりもり寿司くらいでないと予算が足りないけど（笑）、そうじゃないときは少し奮発してこの店に来よう、と思いました。

ごちそうさまでした。
また食べに来ます。