「塩ダレに煎りゴマ、と俺の焼肉経典に付け加えよう」
先ほど放送された『それぞれの孤独のグルメ』第 3 話に登場した神保町の焼肉店に放送前に食べに行ってきました。
3 話目にして早くも本命の焼肉回。神保町といえば古書とカレーと登山用品の街という印象だし実際にこのエリアにあるインドカレー店が Season8 で取り上げられていたりしますが、ここであえての焼肉店。この地で半世紀以上営業する老舗、しかも普段はテレビ等の取材を受けていない店のようですね。この辺はカレー屋を求めて何度か通り過ぎたことがあるはずなのに、こんなところに焼肉店があることに全然気がつかなかった。
お店はビルの 2F にありました。一歩踏み出したところでふと上階から漂ってくるいかにも焼肉って感じの匂い!この時点で脳が完全に焼肉になってしまう。そして階段を上るのに合わせて期待度ゲージもどんどん高まっていく。
店内、大賑わい。ドラマ放送前だというのに予約で満席っぽかったです。
東京ドームが近いこともあってジャイアンツの選手のサイン色紙が多数。そしてキープボトルには「集英社」「小学館」など出版社関係の名前が多数見受けられるのがさすがは神保町。編集部の人に連れられて有名な作家さんや漫画家さんも食べに来たりするんだろうか。
メニューは焼肉店としてはまさに王道という感じ。こういうのでいいんですよ。
単に品名だけじゃなくてちょっとしたオススメポイントが書かれているメニュー表、好き。こういうの読むと食べたさが増すよなあ。
まあとにかく最初は生ビールでしょ!
ロースターが温まっていく様子を眺めながら飲む一杯目の生ビールっていいよね。これから食べるあれこれの肉を想像して高揚します。
キムチ盛り合わせ(白菜キムチ・オイキムチ・カクテキ)。
肉が来るまでは前座として、その後は肉の相棒や箸休めとして八面六臂の大活躍をしてくれるやつ。
そして肉は上タン(塩ダレ)から。
嬉しくなる厚切り!焼肉屋の牛タンは薄切りと相場が決まっているものだと思っていたら、ここのは仙台の牛タンにも劣らない厚切り。こういう食べ応えある牛タン好きなんですよねー。逸る気持ちを抑えながら、焼いていくわけです。
薄切りの牛タンでは味わえない歯ごたえと、牛タンというよりも赤身肉に通じる肉肉しさ。これはうまい!
タン塩って今までは焼肉店における前菜みたいな感覚で食べていたけど、この上タン塩はメインを張っていいレベル。なんならおかわりしたいくらいにうまい。
並カルビ(手前)とハツ(奥)。どちらも塩ダレで。
ハツって普通は味よりもコリコリ感を楽しむものという認識で食べてました。でもここのハツは歯ごたえはありながらも程良くやわらかい。そして肉のうまみがジワジワと染み出してきてとてもうまい。
こんなハツ、ハツ体験。
肉がおいしすぎてビールが追いつきません。
ということでデュワーズハイボールに移行。焼肉にハイボール、ビールよりも後口がスッキリするぶん肉の味をよりダイレクトに感じられる気がします。
カルビは本当はゲタカルビを頼みたかったけどこの日は売り切れとのことで、やむなく並カルビ。でも並でも十分にうまそうだ。
お店のおすすめによると、塩ダレ系の肉は焼いたらタレよりも煎りごまで食べるのがイイらしい。
うん、煎りごまいい!煎りごまカルビ、新境地。
肉自体のうまみを主軸にしつつ胡麻の風味がそれを増幅してくれる感じでとてもおいしい。もう全部塩だれでいいんじゃないか?ってくらい気に入りました。
…と言った舌の根も乾かぬうちにハラミ(特製だれ味)。サンチュで包んで食べるのが良いんですよ。
カルビとは違う赤身肉のうまみ。こういう食べ応えのある肉にはやっぱりタレがよく似合う。
私は焼肉屋に来ると基本的に白米は食べずに飲みたい派なのですが、この肉のうまさの前には白飯不可避。
しかもライス、小 130 円/中 260 円/大 390 円ってサービス価格じゃないですか。これは頼まないと損。
上ロースで白飯を巻いて食べるこの贅沢!ゴローもやってた肉巻きおにぎり。
この上ロースがまたうまいんだ。カルビに負けないほど肉に入ったサシが舌の上でとろける。それを白米と渾然一体にしてかっこむ幸せ。ああ、なんで俺はこんなにうまい白飯を頼むことを躊躇していたんだろうか。
こちらはお得な切り落としセット。いろんな肉をカットした後の中途半端な部分を盛り合わせにしたやつですね。
売り切れだったゲタカルビもこの中には含まれているらしいけど、残念ながらどれがゲタカルビかは見分けられない。複数人で食べたから自分がゲタカルビを食べることができたかどうかは神のみぞ知る。まさにシュレーディンガーのゲタカルビ(何
ハイボールもサクッと消失してしまい、次の飲み物はマッコリ。
そういえば『それぞれの孤独のグルメ』では「ふらっと QUSUMI」コーナーはありませんが、もし今回もあったなら久住さんはこのマッコリを前に「おっと、これは神保町のカルピスですね?」とか言いながら酔っ払ってたに違いない(笑
さらにはミノと…海鮮もちょっとということでイカも頼んでみました(どちらも特製だれ)。
おっと、図らずも切り込み入りの見た目がダブってしまった。しかも食感もけっこう似てる…けど、味が全然違うから大丈夫です。どっちもおいしい。
メニューで見かけて気になっていたにんにくホイル焼き(ホイルじゃないけど)。
火を通すとカリカリになって、そこにごま油が染みてえもいわれぬうまさ。単体でもお酒のつまみになるし、アクセントとして肉と一緒に食べてももちろんうまい。
ホイル繋がりでホタテのホイル焼き(こっちは本当にホイル)。
ホタテとバターでもう食べる前からおいしいことが約束されたやつ。そして実際に期待を裏切らないおいしさ。肉の合間に海鮮挟むの、目先が変わっていいじゃないか。
うまい肉と海鮮の前にマッコリまでもが瞬殺状態。それならということで鉄幹(芋焼酎)をロックで。
パワフルな焼き物さえもどっしり受け止めてくれる焼酎の頼もしさよ。
〆その 1、カルビうどん。あらかじめ取り分けて出していただけました。
辛さは 1~9 から選べ、2~3 辛くらいで頼む人が多いとのことでしたが私は辛いのけっこう大丈夫だから 5 辛にしてみました。
ちなみに周囲を見渡すとお客さんのほとんどがこの赤いスープを頼んでいたので、焼肉と並んでこの店の名物料理なのでしょう。
スープ、しっかり辛い。でも辛さ一辺倒じゃなくて肉から染み出したうまみとか溶き卵のマイルドさとかが相まって、辛いながらもうまい。スープに浸かった茹でカルビもいいじゃないの。
そこにうどんですよ。カルビクッパもあるけどカルビうどんというのがまず珍しい。でもこの旨辛スープを受け止めるならクッパよりも芯のしっかりしたうどんが相応しい気がする。
これまでは冷麺一択だったが、焼肉屋の麺バリエーションが広がったぞ。
〆その 2、テグタンスープ。+250 円で濃厚スープにできるということで濃厚にしてみました。また辛さはこちらは 1~7 段階あるうちの 3 辛。濃厚スープはかなり濃いからそこまで辛くしない方が良いとのこと。
器のフチについてる成分の濃さから分かるとおり、さっきのカルビうどんのスープよりも明確に濃い。うまみが強いとか辛味が強いとかそういう単純な話ではなくとにかく「濃厚」という感じ。でもうまい。
この辛旨スープ、グイグイ来る。グイグイ行ける。
そしてそこにちょっと残ってたライスを投入してセルフクッパ。五郎もやるだろうなと思ってやってみたら案の定でした。
食後のお茶でクールダウン。いやー、今回もたくさん飲み食いしたなあ。そしてどれもおいしかった。
肉の質が良いのはもちろんのこと、タレ、塩ダレ、そして煎りごまに〆の辛味スープ…味付けがどれも絶妙なんだなあ。
たいへん満足度の高い焼肉でした。夜に飲みながら食べるのもすごく良かったけど、ドラマのシチュエーションを真似してひとりランチ焼肉をしに来るのも楽しいに違いない。
ごちそうさまでした。
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