なんとか年内にクリアしたかったドラクエ III、ようやくエンディングまで到達しました。
アレフガルドでやることといえばたいようの石とあまぐもの杖を探して虹のしずくを手に入れること、そして大陸のあちこちに散らばる勇者専用装備を集めること。ひかりのよろいと勇者の盾は FC 版同様にダンジョンで入手しますが、王者の剣の入手手順が若干異なります。FC 版ではオリハルコンをマイラの道具屋に「売る」とそれを加工した王者の剣が道具やで販売されるようになりますが、HD-2D 版ではオリハルコンの他に「折れた剣」と「ガイアのハンマー」を入手してオリハルコンと共に道具屋に渡すと折れた剣をオリハルコンで鍛え直す演出が入り、王者の剣が手に入ります。ゲーム中では武器や防具は小さなアイコン、あるいは(武器だけは)バトル画面中でもキャラが装備した状態で表示されますが、ここまでしっかりグラフィックを見せてくれることはないからこの映像にはちょっと感激。
またオリジナルにはなかった「ひかりのかぶと」も追加されています。これはムオルで入手していたオルテガのかぶとをブルーメタルで鍛え直すことで「ひかりのかぶと」として生まれ変わります。後付け設定ではありますが、これで勇者ロトの装備として後世に伝わる武具が作中に出揃ったことになります。
そしてリムルダール西の岬で「虹のしずく」を使い、魔の島へと向かいます。FC 版では普通に橋として架かっていたものが改めて「虹の橋」として表現され、その虹の上を勇者たちが歩いて行く姿には涙が湧いてきますね。
ゾーマ城でのハイライトはやはりオルテガとの再会シーンでしょう。
FC 版でのオルテガは「覆面にブーメランパンツ」というカンダタと色違いのグラフィックでしたが、本作ではちゃんと勇者の父親らしいグラフィックに作り直されています。またキングヒドラとの戦闘シーンもバトル画面ではなくフィールド画面内でキャラクターがアクションしており、作中最大の見せ場として作り込まれていることが伝わってきます。このバトルの結末は残念ながら FC 版から変えられることはありませんでしたが…。
そして十年ぶりに父と再会し、同時に今生の別れとなるこのシーン。
分かっちゃいたけど東地宏樹の声でこの台詞を聞かされると泣いちゃいます。
ゾーマ城の最深部に辿り着き、大魔王の前座であるキングヒドラ・バラモスブロス・バラモスゾンビとの三連戦。キングヒドラに関してはオルテガの弔い合戦でもあります。
このキングヒドラがまた強くて、常時 2~3 回行動な上におたけび(怯み)、あまいいき(眠り)、はげしいほのお(全体攻撃)をほぼ毎ターン撃ってくる上にターン終了時に自動回復あり。初戦時は AI 任せでプレイしたらボコボコにやられてしまいました(汗。このままじゃ勝てないと悟って少しレベルを上げ、まもの使いを賢者に転職、さらに作戦は全員「めいれいさせろ」で直接コマンド入力。ラリホーやねむりアタックもよく効き、再戦では特に危なげなく勝つことができました。
この三連戦で最も苦戦したのがキングヒドラで、それ以降は全て「めいれいさせろ」で戦ったこともあり難なく撃破。一戦ごとに町に戻って回復/セーブできるのも助かりました。
というわけでついに大魔王の玉座へ。
大塚明夫声の大魔王ゾーマ、めちゃくちゃいいですね…FC 版と同じ台詞をボイスつきで聞かせてくれるのにも感動しますが、声と芝居が良いからつい「もっと喋って!」と思ってしまいました(笑。
ゾーマ戦、ひかりのたまで大魔王の「やみのころも」を剥がしてからが本番。
というか、キングヒドラ戦の苦戦ぶりと比べるとゾーマも大したことなかったような…。それほど苦せずして勝利。決まり手は賢者(元まもの使い)の特技「まものよび」でした。この特技チート級に強い。
大魔王を倒すとゾーマ城は崩壊を始め、勇者一行はラダトーム北の「魔王の爪痕」に飛ばされます。
地上に出たところでギアガの大穴が閉じ、世界に光が射し込みます。
ずっと闇に包まれていたアレフガルドに朝が来たことは感動的なのと同時に、この瞬間に勇者がアリアハンに帰れなくなったことも意味するので(実際にルーラの行先として表示されなくなる)母親のことを考えると感傷的になるシーンでもあります。
そういえば FC 版プレイ当時は「地底世界になんで太陽が出るのか?」と不思議だったのですが、今解釈するともともと別々だった二つの世界(アレフガルドも地下にあったわけではない)がギアガの大穴で繋がっていたのが、ゾーマの死によって大穴が閉じると同時に太陽が復活した、ということでしょうかね。
そして、改めて元の世界とアレフガルドの両方から大魔王の脅威が取り除かれたことで物語は大団円。
この後、勇者の姿を見た者はいないということになっていますが、どこに行ったのかはクリア後の隠しダンジョンに行けば分かるのかもしれません。個人的にはどこまでやり込むかは分かりませんが、次のゲームを始めるまでは隠しダンジョンに挑戦してみようかと思っています。
「そして でんせつが はじまった!」(FC 版の表記)
分かっていてもこのエンディングには感動します。さらに今回は翌年にその「伝説」の続きの HD-2D リメイクも発売されることが確定されているだけに、なおのことワクワクするわけです。
ちなみに、詳細はネタバレになるから避けますがこのエンディングの最後に I・II の物語へと繋がる演出が隠されています。I~III の全てが綺麗に繋がる、目から鱗のような演出で私は思わず声が出てしまいました。
HD-2D 版 III、グラフィックは良かったし懐かしさと新しさが同居した良いリメイクでした。が、戦闘のバランスについてはちょっと不満も残りました。
ゲーム全体を通じて、中盤くらいまでは AI 任せでもほとんど苦労せずに進められていたのが終盤にバトルで苦戦することが急に増えました。おそらく「固い敵が増えて物理攻撃が通りづらくなった」「雑魚敵でも複数回行動するのが当たり前」「敵のザラキやラリホー、おたけびの成功率が高く、装備品による軽減効果も薄い」あたりが原因ではないでしょうか。戦闘のありようが FC 版とは全く変わっていて、バトルに関してはリメイクというよりも別ゲーをプレイしているような気分でした。
また勇者以外のパーティーメンバーは転職によってステータスを上げつつ呪文や特技もどんどん獲得していくのに勇者は転職できないせいでバトル中にやれることが限られ、しかも王者の剣を装備していても終盤のモンスターには物理攻撃が弱い。結局雑魚敵にはギガデインで開幕一掃、ボスにはベホマズンで全体回復くらいしかやることがないのが辛かった。対照的に新職業であるまもの使いは「ビーストモード×まものよび」で毎ターン防御無視の合計 1,000 ダメージ超を叩き出すわけで、終盤は「勇者とは…」と真顔にならざるを得ませんでした。
という不満はありつつも、一ヶ月半ほど楽しませてもらったのは事実。各種イベントやコンサートも含め、大好きだったドラクエ III の世界を堪能しました。引き続き来年の I・II も楽しみにしています。
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