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超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか [UHD Blu-ray]

ファーストマクロス劇場版、通称『愛おぼ』の UHD Blu-ray を購入しました。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか 4K リマスターセット [UHD Blu-ray]

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

2012 年版の Blu-ray も持ってはいるんですが、ところどころ画質が残念だったりビデオではなくゲーム流通に乗せた(当時は一枚のディスクに映画と PlayStation 3 用ゲームが収録されていた)関係で残虐シーンに CERO レーティング対策のボカシが入っていたりと微妙な部分がありました。今回は改めてフィルムスキャンからやり直した上 4K リマスターでの発売ということで、画質的には期待が持てます。

それにしても特製スリーブの美樹本晴彦新規描きおろしイラスト、絵としては美しいけど当時とは絵柄が変わりすぎてまるで別作品みたいに見えますね…劇場公開時のキービジュアルそのまんまで全然良かったのに。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

かと思えばトールケースのジャケット絵は当時のものでした。陰影強め、過剰描きこみの超絶イラスト、これですよ!このいかにもな ’80 年代テイストこそが『愛おぼ』だと思います。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

付録の冊子。こういうのには大抵劇場公開当時のイラストや設定資料が収録されるものですが、これに関しては全て新録の関係者インタビューと対談記事が 20P にわたって埋め尽くされています。こんな読み応えある付録がついてくるとは思わなかった。

もう何度となく観た映画だから内容について今さら語ることもありません。気になるのは画質がどうなっているか、ですね。これについては Phile-web に詳しい記事が掲載されているので併せて読むとより楽しめると思います。

決め手はAI?『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』初の4Kブルーレイ化の裏側に迫る (1/2) - Phile-web
決め手はAI?『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』初の4Kブルーレイ化の裏側に迫る

フィルムスキャンからやり直し、とか 4K リマスタリング以上にマクロスゼロのリマスター版 BD と同様に AI アップスケーリングが施されているのがキモ、のようです。
全体的に画質がどう変わったか 2012 年版と 2025 年版を比較(UHD BD ではなく同梱の 2K BD で)してみました。以下画像は画面キャプチャーではなくカメラで撮影したものです。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

まずは 2012 年版でもこれ以上なく高画質だったカットから。精細感については大きく変わりませんが、一目見て分かるのがミンメイの肌が血色良く、健康的に見えるようになったことと、旧版では潰れてしまっていた髪色にハッキリと青が乗ってきたこと。あとは細かいところですが背景にある青や緑の光の軌跡の階調表現が豊かになって絵に奥行が感じられるようになりました。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

こちらも。全体的に赤の色乗りが良く、ライヴシーンがより華やかに見えます。また髪や背景に乗っていたフィルムグレインが軽減されてパキッとした画質に。
さらに線画に関してもクッキリハッキリ描かれています。このあたりは AI による補完効果が出ている部分かと思いますが、比較すると手書きの微妙なゆらぎが消えて「Photoshop の AI 機能で修整した絵」のように感じる部分もあるのがちょっと残念。まあ止め画にすると気になる程度で、動画を見ている限りでは「きれいになったなー」としか思いませんが。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

2025 年版の高画質が特に感じられるのがこのカット。前述のクッキリ鮮やかな画質に加え、右下のビームのハイライトが白飛びしてないこと・ビーム周囲のグラデーションのノイズっぽいフィルムグレインが軽減されていること、および背景の星がより多く見えていること、などの違いが見てとれます。ハイライトの色乗りは HDR(UHD BD)の特徴の一つだと思っていたのですが、SDR(2K BD)でもそこを重視したリマスタリングが行われているのには驚きました。
2012 年版はアナログフィルムの質感を出したかったということでグレインがほぼ残されていて、同時期にリリースされた『マクロス F』の BD と見比べると画質面の古さが否めませんでしたが、2025 年版はフィルムらしさはある程度残しつつも現代的な画質に仕上がっていて好ましい。

超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか

一方で残念なシーンは残っていて、主にゼントラーディの登場シーンでぼやけたように見える画質が散見されます。多くはおそらくセル画の上にゼントラーディ語の翻訳字幕を重ねているせいでフォーカスが合いきっていないものと思われ、これはフィルムスキャンの問題ではなく元の 35mm ネガ(セル画の撮影)の問題でしょう。とはいえ AI でシャープネスを改善させたような形跡が見られることと階調表現の向上は図られていて、こういうシーンでも旧 BD よりは画質は良くなっています。

『愛おぼ』は手描きによる超絶作画が現代の CG 作画を超えていると感じるシーンも多く、劇場公開から 40 年経った今でも見返す価値がある作品だと思っています。それがこれだけの高画質で改めて楽しめるのは素晴らしい。まだとりあえず画質比較用に断片的にチェックした程度ですが、週末に 4K プロジェクター+5.1ch サラウンドでじっくり鑑賞しようかと。でもちょうど今 UHD BD の発売を記念して同マスターを使った劇場上映もやっているんですよね。実はこの作品を映画館で観たことがないので、UHD BD は買ったけど映画館にも行ってくるつもり。

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