大井町で立ち飲みしてきました。
この界隈では有名な「東小路飲食店街」の端にある店です。つい先日のドラマ『ワカコ酒』(私は観ていませんが)の舞台になったのがこの「肉のまえかわ」とのこと。ちなみにこの店の斜向かいにはかつて『孤独のグルメ』に登場した立ち食い中華の臚雷亭があったりします。ディープな飲食店の密集するエリアですね。
立ち飲みなのに店名が「肉の」というのが面白い。そして店内には人が入りきれず、外にまで溢れ返っています。
中に入った瞬間に店名の由来を理解。ここ、元々は名前の通りの精肉店だったんですね。で、肉屋って多くの場合生肉だけでなく揚げ物や焼き鳥といった肉系の惣菜を販売しているので、常連さんが持ち込みで飲み食いしているうちにそっちが主業になった…という経緯なのでしょう。だから肉屋のショーケースがそのまんまあり、その中には生肉の代わりにつまみが並べられている、という話。ここに並んだ大量のおかずがすべておつまみとして立ち上がってくる。
そして本来は肉屋だっただけあって店内は狭い。そこにいくつかのテーブルとカウンターが置かれ、みんな隙間を縫うように居場所を見つけて立ち飲みしているからギュウギュウです。肉屋だけに。
お酒類、どれもメチャ安。
それも筆頭が「コップ酒」ってのがいいじゃないですか。他のも小洒落たものなんて何もなくて、軒並みおっさん…むしろ「おっちゃん」が飲みそうなものばかりというのがこの雰囲気に似つかわしい。
でも待てよ、ビールがない、と思ったら、
冷蔵庫に缶ビールが並んでて、自分でレジまで持っていって会計するスタイル!
もう本当に飲み屋じゃなくて完全に肉屋に持ち込みで飲んでる感覚の延長線上なんですね。
面白いけどせっかく外に飲みに来て缶ビール飲むのもなあ、と思ってとりあえずレモンサワーを注文。オーダーなんて取りに来てくれないから、都度ショーケース越しに注文してお会計する買い食い形式なのがちょっと楽しい。
店内に空きスペースがなかったからいったん外のテーブルで飲み始めます。
サワーのつまみは唐揚げとチャーシュー。いかにも正しい肉屋の惣菜。特別においしいというものでもないけど、独りの夜に肉屋で惣菜買って帰って宅飲みしてる気分。
ひとしきり飲んでいたら店内のテーブルが空いたため中に移動。
ショーケース内に揚げたてのメンチカツが並んだからすかさず一個確保して、飲み物はハイボールに。揚げ物メニューは人気らしく、ショーケースに並ぶそばから売れていきます。
そしてこのメンチカツがアツアツのサクサクでおいしい!やっぱり肉屋の惣菜の王様はメンチカツとかコロッケとかだよなあ。ソースの味がジャンクおつまみ感を倍増させてさらにうまい。
こうなったら気になるのが、そこで注文ごとに焼いてる焼き鳥と焼きとんですよ。こういう店だからこそ、目の前でライブ感を披露されると食欲が刺激される。
ということでねぎま(タレ)、砂肝、豚バラ(ともに塩)を注文。さらに飲み物は周りで意外と飲んでる人が多かった「赤じそ割り」にしてみました。
肉屋が目の前で焼いてくれた焼き鳥、期待に違わぬおいしさ。ねぎまも豚バラもおいしいけど、個人的には砂肝が気に入りました。コリコリ感はありつつも、一般的な砂肝よりも肉感強めでおいしい。
「肉屋の惣菜でその場で飲めたら楽しいだろうな」という妄想を現実のものにしてくれる。こんな夢のような場所があったとは。
立ち飲みって落ち着かなくてあまり好きじゃなかったんですが、たまにはこういうのもいいな。がっつり飲むというよりは「ちょっと一杯引っ掛けて帰りたい」ときに使いやすいのもちょうど良い。
この辺に来たときにまたふらっと立ち寄らせてもらいます。
ごちそうさまでした。
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