横浜の老舗蕎麦店に行ってきました。
横浜駅の改札を出てから徒歩十分ほど。この灼熱の中を歩くのはちょっとしんどい距離です。でもここは一度来てみたかった。
横浜市の平沼地区の角にあるから「角平」ということですかね。お昼時にはいくらか行列ができるほどの人気店です。
店内、なかなかいい雰囲気。
店員のおばちゃんたちがテキパキと動き回って、お客が席を立ったら即座に片付けて次の客を通す手際の良さ。待たせる時間を最小限にしようという蕎麦屋の矜持が伝わってきます。
壁には菅 元総理大臣や元横綱白鵬と女将さんのツーショット写真が飾られています。日本を代表する方々も訪れる老舗ということですね。創業は昭和 25 年(1950 年)、つまり今年で 75 周年。歴史を感じます。
かと思えばこちらは岸信介元首相!自分が生まれる前の総理大臣というとほぼ歴史上の偉人という感覚(笑)。それも昭和 34 年ということは総理在任中に来店したんですね。
こんな由緒ある店でありながら、雰囲気は全然お高くとまっていないのが良い。普段使いの蕎麦屋として誰でも広く受け入れてくれる感覚があります。
メニューはかなり豊富。でもここは他の店とはちょっと違う「つけ天」という蕎麦が有名らしい。
他には蕎麦屋として定番の品から、ミックスつけ天はいいとして「ヤックスつけ天」ってどういうこと?それに「ミニハイカラ丼」ってのも気になる。戦後からずっと続いてきた店ならではの歴史を感じる。
窓に貼られたメニューがまた誘ってきます。もはや字面そのものが「日本酒でも飲んでってよ」と言っているかのよう。
ランチタイムをちょっとずらして、蕎麦と酒菜でしっぽり…ああ、いいなあ。
といったところで私が注文したつけ天の大盛りが運ばれてきました。
見ての通り、つけ汁に天ぷらが入ってくるから「つけ天」ってことでいいんでしょうか。他の蕎麦屋でこういう形で天ざるが出てくることってないからなかなかのインパクト。
そば猪口ではなく丼にたっぷりのそばつゆ。その丼からはみ出る大ぶりの海老天。天ぷら別添えで出てくる天ざるよりも豪快さがある。
天ぷらの先端が既にそばつゆでシナシナになり始めているのがまたいいじゃないですか。シナシナの天ぷらもサクサクの天ぷらも両方楽しめる。
蕎麦は普通の二八蕎麦かな?これ自体は特別なものではなさそうだけど、ツルツルと喉ごしが良くてこういう暑い季節でもスルスル入っていくのがありがたい。これならいくらでも食べられそうな気がします。
食後の蕎麦湯タイムって落ち着けて良いですよね。でも丼で蕎麦湯を飲むこともそうそうないから、なんかラーメンの最後にスープまで飲み干してる感覚に近い。
そしてこの店でもう一つ有名なのがカツ丼です。他のお客さんを見回しても、蕎麦ではなくカツ丼を食べてる率がけっこう高い。
後から調べたら公式サイトに書いてあったのですが、戦前は蕎麦屋ではなくとんかつ屋を営んでいたらしいですね。そりゃあカツ丼が有名なのも納得です。
まるで丼の蓋のような佇まいで存在する大きなとんかつ。蕎麦屋のカツ丼って好きでよく食べるけど、ここまで圧倒的な主役感のあるとんかつも珍しい。それに、上に散らされているのがグリンピースってあたりも懐かしくて良い。
では、いただきます。
このとんかつの分厚さ!大きいだけでなく極厚。カツ丼専門店にも引けを取りません。
肉も軟らかくて食べやすいし、何より出汁がよくしみた衣がうまいんだ。こんなに味も量も食べ応えのあるカツ丼、久しぶりに食べた。
いやーつけ天そばもカツ丼もおいしかったです。長年続く人気店な理由がよくわかりました。
他にも気になるメニューはいろいろあるし、隣のお客さんが食べてた「つけ胡麻担合鴨」ってのもうまそうだったなあ…。
また食べに来ようと思います。
ごちそうさまでした。















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