本日公開された「横浜の歩くガンダム」、初日に見に行ってきましたよ!
8 月の時点で外観は完成していた横浜ガンダムですが、その後稼動テストと調整を繰り返してようやく一般公開となりました。チケットの売れ行きも好調なようですが、私は何とか初日午後分を確保できました。
ガンダム関連で大規模な設備がオープンするのはお台場のユニコーンガンダム立像以来なので、ワクワクしますね。
※写真は全て α7 III+Vario-Tessar FE 24-70/F4 にて撮影しました。
この横浜ガンダムは「宇宙世紀時代、ヨコハマにあった地球連邦軍の基地跡で RX-78 ガンダムのパーツが発見された。現代日本の技術者たちが復元したパーツに現代の技術を組み合わせてガンダムを再建した」というコンセプトに基づいています。宇宙世紀って西暦の次の時代だったはずでは?とか野暮なことを言ってはいけません(笑
というわけで、その設定に沿った横浜ガンダムのメイキング写真を見ながら会場内へ。
入ってすぐのところに富野由悠季監督から来場者へのメッセージが掲げられています。歩くって言ってたのに自立二足歩行じゃないじゃないかという批判をかわすためなのか言い訳めいた説明が並んでいますが、そんなことはいい。なんだか富野監督らしからぬ丁寧で優しい言葉がたくさん並んでいて「老いたな、父上」とも言いたくなります。が、エンジニアたちが現代の技術の限界に挑んだ上で「今できる最大限の仕事」をした結果を見れば、「ここまでしかできなかった」ではなく「ここまでやった、未来にはもっとできる」という思いを込めてこういう言葉を綴りたくなる気持ちはよく解るものです。
会場内の様子。以前偵察しに来たときには手前の建物に阻まれて全貌が見れないままでしたが、ようやく全体像を知ることができました。ガンダムにしては足先が細くて、なんだか人間みたいなフォルムをしています。このあたりは可動のために末梢を軽量化する必要があったからとのことですが、実物を見ると想像していたほどバランスは悪くない印象。
ガンダム自体には想像していたほど人は群がっておらず、逆に物販コーナーは何分待ちなのか確認する気すら起きない大混雑ぶり。限定ガンプラ自体は先行してプレミアムバンダイで販売されていたので、ここまで物販が混むのは意外でした。
RX-78F00 ガンダムを格納している GUNDAM-DOCK。まさに今 MGEX ユニコーンでドックを組み立てている私には、これを見るだけでしんどくなります(ぉ。横浜ガンダムは法令上は建築物扱いで、建築基準法的には本体はガンダムではなくこのドックということになっているそう。そりゃあ今までこのサイズで歩くロボットなんて世の中に存在しなかったわけですから、道交法などの既存法令には該当しないですよね。
RX-78F00 ガンダム。この「F00」の意味は一般公開時に明らかになるという話でしたが、少なくとも今日時点では発表されていないようです。
各関節の可動軸が既存の設定画やガンプラと比較して巨大だったり、本来目立っていないはずの肩や肘の可動軸が目立っていたりするのは、現在の技術でこのガンダムを稼動させるトルクを発生させるにはこれくらい必要だからと理解すると逆に美しくさえ感じます。でもこのデザインのためにデザインされたような、機能的に無意味なパネルラインは個人的には好きじゃないかな。
この RX-78F00 ガンダムですが、毎時 00 分と 30 分にそれぞれ演出(稼動デモ)が実施されます。これは写真よりも動画で見るべきだと思いムービーを撮ってきました。
既に昨日 NHK が 4K のマルチカメラで生中継していたので、素人が 2K のハンディカム(しかも手持ち)で撮った動画に価値なんてないと思いますが…。
まずは毎時 00 分の「起動実験」。以前動作テストの動画を見たときには動きがゆっくりすぎて微妙…と感じていましたが、演出や効果音が入るとそこまで極端に遅い印象は受けませんね。あくまで初回の起動実験だから慎重に動いている感が出ていて悪くない。
続いて毎時 30 分の「スタンバイモード」。こちらはシンプルに LUNA SEA の『BEYOND THE TIME』をバックに GUNDAM-DOCK に格納されるだけ。しかし一本指を立てた状態から直立に移行する動きが、単に腕と指だけ動かすんじゃなくて胴体や首、左腕も連動しているのが人間っぽい動作を感じられて良い。まあ機械なんだから百式みたいに人間離れした動きで効率を最大化するほうが理に適っているとは思いますが、少なくともファーストガンダムのメカは人間らしさを感じる「キャラクター」なんですよね。
しかしまあハンディカム(HDR-CX520V)の画像は今見るとちょっと古くさいし画面の揺れも気になりますね。素人動画はそろそろジンバルを買ってスマホで撮った方が仕上がりが良いのかもしれません。
RX-78F00 の動作はどこか人間っぽくて、兵器としての攻撃性や恐ろしさはほとんど感じないんですよね。これが富野監督の言う「優しさ」とうことなんでしょうか。RX-78 ガンダムよりもむしろ ∀ ガンダムに近い佇まいだと思います。そういえば動作演出には ∀ ガンダムのように両手を広げたポーズも用意されていると言いますが、そのうち新しい動きの一つとして追加採用されるのでしょうか。
よく見るとコクピット部には別コーナーの VR で使用するためのカメラがついているし、型や袖口にも何かのデバイスが搭載されている模様。動きのために軽量化しなくてはならない一方でこういう他の目的や演出のためのデバイスを搭載する必要がある、というエンジニアによくあるジレンマが多数あったであろうことが想像されますね…。
ガンダムの背後にある台座は「G-CARRIER」。これによって RX-78F00 ガンダムは前後や上下の駆動ができているわけで、RX-78F00 の本体はむしろこのキャリアであると言って良いのかもしれません。
足は接地していません。つまり RX-78F00 ガンダムは G-CARRIER に吊り下げられた状態で歩く演技をしているわけで、ガンダムの全ての荷重は G-CARRIER が支えているわけです。しかも前後/上下駆動あり。これがすごい。
G-CARRIER に隠れてあまりよく見えない背面は反対側に回り込むとある程度見ることができます。ちゃんと作り込まれて発光しているバーニア(最近のガンプラのように大きいバーニアじゃなく、設定画どおりの小さいノズルなのが良い)とか太腿の装甲が割れているのが萌えポイント。まあ初代ガンダムの装甲は固定式で、こういう風に動きに合わせて可動するムーバブルフレームは Mk-II 以降の技術という設定だろ!と突っ込みたくなるところではありますが、この装甲を分割してシリンダーを仕込むことで「しゃがむポーズ」が実現可能になっていると言われたら文句を言うわけにはいきません。
GUNDAM FACTORY 内にはこの横浜ガンダムの企画から完成に至るまでの経緯を展示した「GUNDAM-LAB」があり、来場者であれば無料で観覧することができます。ここを詳しくレポートし始めると永遠に終わらなくなってしまうので省略しますが、ものづくり系の人やプロジェクト X 的なものが好きな人ならば響くコンテンツではないでしょうか。RX-78F00 ガンダムの動かし方について現在の方式に決まる前の没アイデア等も展示されていて、なかなか面白かったです。
GUNDAM-DOCK。こういう巨大建造物系は夜に撮るとカッコイイ。
このドックに入ってガンダムを至近から見られるチケットは別料金で、既に 1 月末の分まで完売しているため私は入れませんでした。2 月以降に再チャレンジするしかないか。
同じ演出でも、夜間のライトアップがつくとまた印象が変わって格好良く見えます。ディテールを観察するなら昼間、雰囲気を味わいたいなら夜間がオススメですかね。今までの実寸大ガンダム立像もそうでしたが。
全身が協調制御されていて、まるでガンダム自身が意志を持っているかのような動作がイイ。どうしても構造とか関節とか外装といったメカ的側面に注目が集まりがちですが、このソフトウェア制御にこそ横浜ガンダムの真骨頂があるように思います。
接地してないのが判っていても、このしゃがみポーズはすごいなあ。今までのガンダム立像だと頭部は自分より 15m 以上高いところにしか見えなかったのが一気に近づいてくることと、こちらに向けて手が差し伸べられていることで、ガンダムの存在を一気に近く感じることができます。このままマニピューレーターが差し出されて自分がガンダムの手に乗れるんじゃないかと思えるほど。
夜間演出中、このみなとみらいでは小雪が舞っていました。キレイだったけど本当に寒くて!でもおかげでさらにいい思い出になりました。
初日の横浜ガンダム、堪能しました。今度はドックには入れるチケットを確保してもう一度見に行こうと思います。
コメント
[…] 横浜で遂に実寸大ガンダムが動いた。 一般公開初日に現地に立つb’s mono-logさんも流石だけど、同じ刻に何人もの友人知人もまた同じ場所に立っていたのは、ワタシの交友範囲が歪んでいるせいでしょうか。 クマデジさんも近日行く予定と見えて、オールドタイプのHF G40をスタンバっとけらしいですが、GoPro 9と迷い中らしい。 […]