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オールドレンズ・ライフ Vol.2

澤村 徹 / オールドレンズ・ライフ Vol.2

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デジタル一眼におけるオールドレンズの第一人者・澤村 徹氏の最新のオールドレンズ本が発売されたので、さっそく読んでみました。1 年前に発売された玄光社のムック『オールドレンズ・ライフ』の続編にあたる本です。

同氏の著作としてはその間に『オールドレンズ レジェンド』を挟んではいますが、この 1 年の間にオールドレンズのベースに相応しいボディも NEX-7/5N、フジ X-Pro1、GXR MOUNT A12、OM-D、Nikon 1、PENTAX Q、とかなりのバリエーションが広がりました。センササイズも APS-C や m4/3 に始まって 1inch サイズや 1/2.3inch など、オールドレンズが本来想定していたフォーマットに近いボディを選べる時代になっています。個人的には、過去の名だたる 35mm フィルム一眼レフやレンジファインダ用レンズを本来のイメージサークルに近い APS-C ボディで使ってこそとは思っていますが、実用ではなく趣味の領域としてのオールドレンズならでは、性能本位ではないレンズの「味」というものや、思い入れのあるオールドレンズの再利用という意味で、他のフォーマットにもそれなりの楽しみはあるでしょう。

ということでここ 1 年の間にボディの選択肢も広がり、かつマウントアダプタも単にマウントを変換するだけでなくティルト対応絞り内蔵AF 対応絞り・AE 連動かつ手ブレ補正対応、など信じられないほどバリエーションも豊富になっています。ネタは豊富だけどテーマを絞るのが難しい時代になってきたよなあ・・・と思っていたら、今回のムックではシネレンズにフォーカスが当たっています。シネレンズといえば、高性能にも関わらずフランジバックが短くイメージサークルが小さいせいで従来の一眼レフには使用できず、フランジバックの短いミラーレス一眼(中でもイメージサークルの小さい m4/3 以下のフォーマット)が登場して初めて脚光を浴びたカテゴリ。m4/3 に加えて Nikon 1、PENTAX Q などの小型センサを搭載したボディが増えてきた今は、そこに注目する絶好のタイミングと言えるでしょう。
ま、軽く興味を持った程度の人でもオールドレンズの世界の概要を知れる、間口の広かった前作に対して、2 冊目でいきなりこのディープな世界に誘い込むというのは、このムックのシリーズ構成としてどうなんだ?とは思わざるを得ませんが(笑。

私は APS-C 派なので個人的にシネレンズにはそれほど興味を持っていませんが、まだ見ぬ沼の淵を覗き込むことができた、という意味ではなかなか楽しめる特集ではないかと思います。ホンネを言えばもっと他のオールドレンズについても書いてほしかったところですが、代表的なマウントと銘レンズに関しては、同氏のこれまでのオールドレンズ本である程度網羅されてきた気もするので、現時点を切り取った特集としては、うまくまとまっているのではないでしょうか。逆にこれ以上深掘りしようとすると、底なしの M42 沼やライカ M マウント沼に足を踏み入れることになるので、今くらいの深さで適当に浮かんでいるほうが幸せなのかもしれないなあ・・・とも思います(^^;;

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