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バーにかかってきた電話

東 直己 / バーにかかってきた電話

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前作『探偵はバーにいる』に続いて、電子版で読了。
本作は映画『探偵は BAR にいる』の原作となった作品なので、ストーリーはひととおり把握していましたが、これが活字になったらどう見えるんだろう、というのは気になっていました。

このけっこう長い話(まあ、主人公「俺」のモノローグの中には本筋にあまり関係ない与太話も多いけど)を 2 時間の枠に収めるとあって、原作からみると映画版ではストーリー展開や人間関係を解りやすくする方向に、大胆にデフォルメされていたんですね。特に、映画では「俺」と高田が手がかりを見つけたらとにかくそこに突撃、という感じだったのが(笑)小説ではちゃんと探偵らしく、いろいろ調べたり、聞き込みに廻ったり、重要人物に揺さぶりをかけるエピソードが書き込まれていて、話の展開としては面白かったです。依頼人である「コンドウキョウコ」の正体を映画で観て知ってしまっているのでオチに至る高揚感はありませんでしたが(ただしクライマックスの大泉洋と小雪の芝居は良かった)、原作から読んでいたら騙されていたかもしれません。逆に言えば、映画版は観客にはどうしても声色で依頼人の目星がついてしまうし、そもそもキャストを見ればほぼ判ってしまうので(笑)あえて謎解きよりもそこに至るプロセスに焦点を当てたのでしょうね。


バーにかかってきた電話

話としては原作のほうが面白かったですが、映画は映画で各キャストの演技が良かった。映画版は「映画らしさ」を意識して作っているんだろうなあ。原作つきの映画って、原作を読んでしまうと映画版がどうにもチープに見えてがっかりすることが少なくないですが、このシリーズはうまく映像化を成功させていることを、原作を読んで改めて実感しました。冬休みは続編も読み進めて、映画『探偵は BAR にいる 2』とも比べてみたいと思います。

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