「米さえあれば、どんな料理も俺の味方だ」
ドラマ『孤独のグルメ Season10』、第 2 話のお店も放送前に巡礼してきていました。
今回のサブタイトルは「港区白金台」となっていて、確かに地下鉄の白金台駅からも歩けるけど最寄りは目黒駅。でも住所的には品川区上大崎、というなんだかよくわからない立地にあります(そもそも目黒駅自体が目黒区ではなく品川区にある)。
ちなみに本エピソードのゲストの山崎まさよし、絶対来週の桜木町回に登場すると思ったんだけどなあ(笑
目的のお店は大通り沿いの角のビル 2F、という普通だったらスルーしてしまうだろうロケーション。
とはいえ今回は予約もしてあるし、意を決してインドネシア入国。
店内、思いっきり異国。目黒の駅近っていう感覚が全くない。
客層はアジアンなだけあってオシャレっぽい女性が多いけど、アジア系を中心とした外国人も少なくない。在留インドネシア人が来る店ということであれば間違いはないはず。
おお…すごいメニュー量。
ガドガド?カレドック?テンペ?ん~完全に未知の世界。固有名詞で分かるのはかろうじてサテくらいしかない。
でも、こうやってメニューを見ながら想像力を働かせるのもまた楽し。これぞ異国料理の醍醐味。
テーブルに設置されているメニュー表のほうが分かりやすいか。日本語の解説に加えて写真があるのがありがたい。
とはいえ写真を見ても味の想像がつきにくいのが東南アジア料理の面白くも難しいところではある(笑
メニューの熱帯雨林に迷い込んでしまったから、とりあえず生ビール(プレモル)と、インドネシア定番のおつまみであるウンピン(木の実せんべい)で体勢を立て直そう。
ウンピンとビール、なんか自宅でポテチつまみにビール飲んでるみたいなお気軽さがある。
店員さんのオススメもあり、料理はサテ・カンピン(マトンのサテ)から。
サテ好きなんですよねー。でも普段は鶏のほうが多いから、マトンというのは珍しい。しかも濃いめのタレがマトンの香りと相まっておいしい!
口の中が幸せ。
ルンダン、おいでなすった。
この料理はドラマに出てくる以前から知っていました。昔よく行っていた東南アジア系のカレー店があって、そこでカレーの一種として出ていたのをよく食べていたのでした。
あえて例えるならスパイス入りの牛すじ煮込みという感じですごくおいしい。
うまし、ひたすらうまし。
この南国スパイシーな牛肉煮込み、日本中に広めたい。
こんなにうまいものを食べたらもう完全にビール不足。
インドネシアのビールであるビンタンをオーダーするわけです。瓶に大きな一つ星、日本人にとってはサッポロっぽくて親近感ある。
ソトババット(牛もつ煮スープ)。日本語変換すると「卒塔婆バット」という罰当たりな文字列に(汗
もつがゴロゴロ入った滋味溢れるスープで、なんだけどスパイスがふんだんに使われていて不思議なスパイシー味。さらに、ほんのかすかにカレー…?
なんだかよく分からないけど、不思議なホッとする感。何だろう、このノスタルジアは。
イカのダブダブ。
名前が気になるメニューはとりあえず頼んでおかないと。
「ダブダブ」っていうのは唐辛子とトマトや刻み野菜を使ったソースのことで、その味で茹でたイカを食べるサラダ風のメニューでした。柔らかいイカにスパイシーなダブダブソース、合う。
ああ…インドネシア、おそるおそる来てみれば、次から次へ見たこともないごちそうのおもてなし。
これも名前が気になった、大豆のテンペ。
テンペっていうのは大豆の発酵食品らしい。それを揚げてあるやつです。
豆腐とか納豆とか、大豆の発酵食品に馴染みのある日本人的には、なんかしっくりくる味。食感は違うけど厚揚げとか納豆巾着の遠い親戚な感じある。
うーん素朴。アジアの田舎。
ワインも東南アジア産。
このモンスーンバレーというのはタイのワインらしいですが、以外にも悪くないんじゃないの?スパイスたっぷりの料理にはヨーロッパのワインよりも断然合う気がします。
そしてナシゴレン。今回は店員さんのオススメもあって「ナシゴレン・トゥラシ」を頼んでみました。
「トゥラシ」というのは小エビを発酵させて作った調味料。ナムプラーといい、魚介類を発酵させて調味料にするのって東南アジア系の食文化なんでしょうね。
上に載っかってたせんべいを外してみました。ナシゴレン、上に目玉焼きが載ってるのがなんか嬉しいんだよなあ。
このほのかな甘さ、どの国の焼き飯とも違う。パンチ力の中華チャーハンとは真逆の味。
そこにトゥラシの風味も効いてる。ナシゴレン、随分久しぶりに食べたけどこれはおいしいやつ。
だいぶお腹いっぱいになったところで、インドネシアンデザートで〆。
これはエスチンチャウ。台湾あたりでメジャーな仙草ゼリーと同様のもので、「仙草(シエンツャオ)」だから「チンチャウ」ということか。
上にかかっているバジルシードが集合体恐怖症的にはちょっと抵抗感あるけど、仙草自体はホッとする味。
ピサンゴレン(揚げバナナ)。
「ゴレン」はインドネシア語で「揚げ」か。ナシゴレンも揚げ(ゴレン)た米(ナシ)だから法則性が掴めると名前から料理が想像しやすくなります。タイ料理とかもそうですよね。
バナナ、揚げたら素材の甘みがちょっと強く出すぎるんじゃないかと心配しましたがさほどではなく、逆に程良い甘み。これなかなかおいしい。
パンダンのココナッツクレープ。
見た目が毒持ってる生物みたいな配色でちょっとひるんだけど、ココナッツのほんのりした甘みがすごく良い!
南国の甘み。いい風が吹いたぞ。
食後はトラジャコーヒー。
今回はどれもおいしかったなあ。もともと東南アジア系の料理は好きでよく食べるけど、インドネシア軸で掘り下げるとこんな世界が広がっていたとは。
スパイシーなんだけど辛さ一辺倒でもない、滋味を感じるホッとする味。我々日本人の心にも通じるモノがあるように思います。
目黒なら私は通いやすいし、気に入ったのでまた来ようと思います。
ごちそうさまでした。
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