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東中野 パオ・キャラヴァンサライ 再訪

「中野区、アフガニスタン」

パオ・キャラヴァンサライ

ドラマ『孤独のグルメ Season5』の放送に向け過去回の再放送も始まっているので、私の聖地巡礼も再放送…というわけではありませんが、約二年ぶりに Season3 の「中野区東中野の羊の鉄鍋とラグマン」の回に登場した「パオ・キャラヴァンサライ」にやって来ました。

今回再訪したのは、聖地巡礼のため…というよりも、来週火曜日のサッカー日本代表の W 杯二次予選、アフガニスタン戦に先立って「アフガニスタンを食ってやろうぜ!」という某氏の呼びかけで企画されたものです。こういうときに『孤独のグルメ』のことを思い出してメンバーに加えてもらえるというのは、こどグル教の宣教師冥利に尽きるというものです(ぉ

PAO | PAO Caravan Sarai |

パオ・キャラヴァンサライ

相変わらず、入り口からして整然としているとは言いがたい店構え。だが、それがいい。

なんか、自由だよなあ。
店は、どこも独立国だ。ここはこういう国なんだなあ。

パオ・キャラヴァンサライ

もちろん、まずはビールから。

禁酒国の料理をアルコールとともにいただける幸せ、日本人に生まれて良かった。
でも、あの全体的にスパイシーで濃い味なアフガン料理を酒なしで食べるというのも、戒律とはいえ酷だよなあ(^^;;。


パオ・キャラヴァンサライ

まずは蒸し鶏とシャンツァイのサラダから。シャンツァイ(パクチー)をケチケチせずに使っていて、パクチー好きとしてはたまらない。家族の好みの問題で、自宅ではパクチーを食べることがないので、私は外でチャンスがあれば思う存分パクチーをいただきます(笑。パクチー、万歳。

パオ・キャラヴァンサライ

続いてトルシー(野菜のピクルス)。これはまあ…この店の料理の傾向からすると、まあ普通かな(笑
でもこの酸味が口の中をリセットしてくれるので、いろんな料理を食べた後にいったんゼロ地点に戻ってくるためにつまむ、そんな感じ。

パオ・キャラヴァンサライ

バーミヤ(オクラのトマト煮)。ちょっとした前菜のつもりで頼んでみたら、これが大正解。
たっぷりのトマトの中に、いろんなスパイスや唐辛子が効いていて、ピリ辛。ビールがどんどん進みます。

オクラにこんな食べ方があったとは。

パオ・キャラヴァンサライ

そしてラムロースのたたき。前回来たとき、一番気に入ったのが実はこれ。
見ての通り表面だけ軽くあぶったラムロースを、ちょっと塩をきかせたオリーブオイルにくぐらせていただきます。

全然臭みがなくて、ロースなのに脂っこくもなくて、うまいうまい。
前回ひっくり返った俺の羊観は、やっぱり正しかった。

パオ・キャラヴァンサライ

それじゃあお酒もちょっと変わったところを攻めてみようじゃないか。

乳酒、つまり動物の乳を発行させて作ったお酒。馬や羊の乳から作ることもあるらしいけど、こちらは牛乳ベース。
甘酒のような、マッコリのような、まったりと柔らかいお味です。

パオ・キャラヴァンサライ

そろそろシルクロードの本線に戻ろう。

カバブ(羊肉)、コフタ(羊つくね)、ムルグ(鶏肉)、アフガン串焼きのジェットストリームアタック。
前回来たときは鶏串は「チェルガ」だったような記憶があるけど、鶏の種類か部位でも違うんでしょうか。まあ、おいしければどっちでもいいけど(笑

パオ・キャラヴァンサライ

ここのカバブはやっぱり臭みがない。うまい。おいしい。
コフタは、ちょいとスパイスがはしゃいでる。やんちゃな肉だ。
ムルグは…普通においしいんだけど、ここでは羊肉のパンチ力の前に霞む感は否めない。

でも、全部おいしいぞ。

パオ・キャラヴァンサライ

変わったお酒第二弾、ウゾ(ソーダ割り)。
アニス系のハーブリキュールで、確かにハーブらしい独特の風味。ここの料理に使われている香菜とはまた方向性の違うハーブで、羊肉やパクチーの香りに当てられた味覚と嗅覚をキャリブレーションし直してくれる感じ。これで、また改めて羊肉とパクチーの味わいを堪能できます。

パオ・キャラヴァンサライ

こちらは「ふらっと QUSUMI」メニュー、ラムのからし炒め。

ラムの上にスライスしたタマネギがこんないっぱい乗ってて、しかも香菜が…これ、いいじゃない!
ハーブたっぷり、マスタードだけじゃなくてちょっとカレー風味で、なんとも奥行きのあるうまさ。ラムの味ってこういう引き出し方もあるんだなあ。アフガン料理、底が知れない。

パオ・キャラヴァンサライ

このへんの濃い味の料理には焼酎も意外と合うんじゃないかという気がしてきたので、「嶋自慢」をロックで。芋だと香りが羊やパクチーと喧嘩しそうな気がしたので、麦です。
濃い料理に、濃い酒。うん、俺は今アフガニスタンを濃厚に堪能している。

パオ・キャラヴァンサライ

パシュトゥンカラヒィ(骨付き肉の鉄鍋炒め)、アフガニスタン料理の本丸はこれか。
よし、遊牧民料理の神髄を。

見た目ほど辛くなくて、これまたいける。
骨付き肉だから、いつも以上にワイルド。

鉄鍋が歓声を上げている。

パオ・キャラヴァンサライ

合わせるのは当然、ナン。
こっち系の料理に、ナンは必須。
手で持てないくらいにアツアツだけど、これもまたよし。

それにしても、ここんちのは噛み応えがすごい。俺の知っているナンとは、ちょっと違う。
これがアフガンのナンなのか。

パオ・キャラヴァンサライ

そして、うまみがギュッと凝縮された焼きトマトを踏み台にして、

パオ・キャラヴァンサライ

ハイボールに移るわけです。
ここからのラストスパートに向けて、いちばん水代わりに飲めるものをチョイス(笑

パオ・キャラヴァンサライ

主役登場、ラグマン。そういえば先日閉店する前の BAR Left Bank でも食べたけど、ここのは麺が違う。リングイネっぽい平ための麺が、ソースと羊挽肉をしっかり受け止めるんだなあ。

前回も食べたけど、これやっぱりおいしい。
日本人向けにアレンジされてるのか。そうでないなら、アフガニスタン人と日本人の好みが似てるってことになる。
そういえば BAR Left Bank もラムとパクチーを主体とした料理が中心だったから、少なくとも私自身はこっち方面の味付けがすごく馴染む、ということは間違いないんだろう。

パオ・キャラヴァンサライ

パパド(豆粉の薄焼き煎餅)。一見、パリパリタイプのトルティーヤ(タコスの皮)っぽいけど、トルティーヤよりもしっかり塩味を効かせた、これ単体でもお酒が飲めてしまいそうな味。
でも、これもナンと同じように、ラグマンやカラヒィ等のお皿に残ったソースを掬って食べると、さらにいい。

パオ・キャラヴァンサライ

ショルワ(羊すじ肉のスープ)。

う わ あ 。羊のすじ肉って、長時間煮込むとこんなになっちゃうのか!
コラーゲン的なトロトロすじ肉が、優しめのスープと相まって、これもうまい。からし炒めに続く、今日の新発見。

パオ・キャラヴァンサライ

まだまだ行ける。
というわけで、羊のカラヒィ。

カラヒィだけど、そんなに「辛ひぃ」ってほどでもなく、どちらかというとうまみが勝っている一品。
クセがないからクセになる、この羊肉。

パオ・キャラヴァンサライ

シシトウとトマト、卵のカラヒィ。
羊肉ばかりで攻めてきたけど、カラヒィ、こういうのもあるのか。
一見優しい味っぽく見えるのに、シシトウが味の根っこをグッと締めている感覚があって、これもいい。

さらにおかわりしたナンで残さず掬い取りながら、完食。

パオ・キャラヴァンサライ

老いも若きも、男も女も、自由に飲み、気ままに語らい、腹を満たす。
フリーダム…この店の法律は、なんて大らかなんだ。
今回も、すごく楽しかった…!

前回来たときもナン、カラヒィ、ラグマンのおかわり大会でそうとう食べたけど、今回も負けず劣らず食った、食った。
帰り際に店員さんから「スッゴイ食べましたね!」と驚かれました(笑

羊肉食って、ウマ勝った。今次作戦も、我が軍の大勝利と言えよう。
来週の日本代表戦も、この勢いで快勝してくれるといいなあ。

ごちそうさまでした。

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