「本当、アジフライってのは何で攻めても応えてくれる」
ドラマ『孤独のグルメ 配信オリジナル 2』の聖地巡礼、今回は前回と同様に巣鴨駅前の大衆食堂にやって来ました。
今回の配信版ドラマは 1 店舗で 2 話ずつ収録しており、全く同じお店が再登場しています。ただし劇中では同じお店ではない(?)という設定なのか雰囲気が随分違って見えていました。でも実際のお店はもちろんそんなことはなく、前回来たときと同じマスターとおかみさんが営業(当たり前)。
例によって揚げ物が充実した短冊メニュー。何度も貼ったり剥がしたりしたような跡にこの店の歴史を感じる。
定食は揚げ物二種を組み合わせた A~C 定食と、好きなおかずを二品自分で組み合わせられる定食もあるのか。五郎はオーソドックスにアジフライ定食を頼んでいたけど、少し混ぜてみるのもアリか。
別の壁には一品料理の短冊が目白押し。これは目移りしてしまう…。
でも常連さんにもなるとこれらの一品料理を流れるように組み合わせて独自の定食を注文する猛者もいて、この店の奥の深さを感じる。
よし、ここは定食に何か一品追加するスタイルで攻めよう。
というわけで、私が選んだのは B 定食(メンチカツ+アジフライ)。素直にアジフライ定食という手もあったけど、せっかくだからいろいろ食べたい。
メンチカツとアジフライの定食は飾らない佇まいで出てきました。等身大の大衆食堂メシ、これこそが日常の一コマ。
お盆の端っこにはおかず三品。「揚げ物だけだと身体に良くないからね」と言ってくれているような小鉢たち。
冷や奴にジャガイモの煮物に漬物、という素朴なチョイスが良い味を出している。
程良いキツネ色に揚がったアジフライとメンチカツ。
アジフライ定食じゃなくてこういう抑揚のある組み合わせ、我ながら良い選択。
で、まずはアジフライから食べていくわけですが、ここからが今回のハイライト。
劇中ではお笑いコンビ「スパイシーガーリック」の二人がアジフライにかけるのはソースか醤油かで言い争う中、五郎は気にせず好きなように食べる…というくだりがありました。
テーブルの上には当然のようにソースと醤油。さらにフライ皿の上には練りからし。これをどう使うかがポイントなわけです。
まあ…当然こうなるよね。ソースと醤油で半分ずつ。時々ちょちょっと練りからしをつけながらいただきます。
うんうん、身と衣のバランスが絶妙。いいアジフライだ。
ソース味は期待に違わぬフライらしさがあって良いし、醤油味は魚らしいうまみとあっさり感が良い。これはどちらも甲乙つけがたし。
でも本当は、タルタリストとしてはタルタルソースが欲しかった気もする。五郎のようにマヨネーズってのもアリだけど。
メンチ。こいつは醤油じゃなくてソースでしょう。
…と思ったけど、試しに何もつけずに食べてみると挽肉そのものにしっかり下味がついてて、何もなしでも十分うまい。
粗挽きなのも程良い食べ応えがある。
サイドメニューとしてコロッケを追加。よく考えたら揚げ物×揚げ物×揚げ物でトリプってしまったけど、とんかつメインの店ならむしろそれで良い。
これもゴロゴロ形のあるジャガイモのホクホク食感を堪能できる、素朴なコロッケ。
揚げ物にかけるものをちょっとずつ変えながら楽しむっていうのはまさに久住昌之の世界。店選びも含めこれぞ『孤独のグルメ』的な回でした。
それにしてもソースでも醤油でもタルタルでもいけるアジフライは揚げ物として偉大だなあ。アジフライはダイバーシティだ。
ところで、壁に貼られていたサインを見る限りでは配信オリジナル 2 では二話分を一日でまとめ撮りしているようですね。
まあ一話 10 分のミニドラマ一本に一日はかけないか…とは思うものの、松重さんの胃腸が少し心配になるスケジュール。
さておき、自由で、豊かで、いい昼飯だった。
ごちそうさまでした。
コメント