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東京都足立区谷在家のセルフ食堂の朝ご飯

「しっかり濃い味、飯との反復横跳びが止まらん」

日暮里・舎人ライナー

ドラマ『それぞれの孤独のグルメ』の第 2 話が放送されました。今回からいよいよ本格的な「それぞれ」のスタートということで、ゲストのマキタスポーツ氏が演じたのはタクシードライバー・毛利真一郎。「腹が、減った」のいわゆる孤独カットも五郎ではなく毛利のものだったのは新鮮でした。また衝撃のラスト(!)で次回に続く形となり、本作は原則こういう形でゲストキャラのリレーが行われるものと思われます。

というわけで今回も放送前に聖地巡礼してきました。
エリア的には前回の東尾久とそう離れていない荒川エリア。日暮里から舎人ライナーに乗って地名の谷在家(やざいけ)ではなく、一つ前の西新井大師西で下車します。舎人ライナーってたぶん初めて乗りましたが、ゆりかもめと同様の無人運用なんですね。ちなみに駅のホームからはあの土屋鞄の本店兼工房が見えました。こんなところにあったのか…。

みたけ食堂

みたけ食堂

「みたけ食堂」は駅からちょっとだけ歩いたところにあります。
朝 6:15 から営業している大衆食堂。夜勤明けだったりこれから肉体労働に出る人だったり、働く男のための食堂という感じ。お客さんもおじさん…というより「おっちゃん」と呼びたくなる客層が中心のようです。

みたけ食堂

この店は基本的にセルフ食堂スタイル。カウンターに並んだおかずから好きなものを選んで、お会計は食後というシステムになっています(生姜焼きやもつ煮込みなど一部の料理は注文制)。こういう方式は社食なんかだとよくあるけど一般の飲食店だと逆に珍しいからか、入口にはお店の利用法についての案内が貼り出されていました。

みたけ食堂

店内、いかにも昭和から続く食堂という雰囲気。
この感じ、原作コミック第 1 話に登場した今はなき「きぬ川」の全盛期もきっとこんなふうだったんだろうなあ…と思わせる、これまでドラマに登場した店の中でも最も『孤独のグルメ』らしい店だと言えます。井之頭五郎以外のキャラクターを主軸に据えた最初のエピソードにこういう原点回帰的な店をもってくるとは、松重さんをはじめとする制作サイドのこだわりを感じます。

みたけ食堂

カウンターにはこちらを圧倒する物量で掲げられた短冊メニューと料理が歓迎してくれています。他のお客さん、お盆を取ったら流れるように料理を載せていく。みんな歴戦の常連客とみた。

厨房で働く大将とおかみさんは夫婦なのかと思ったらご姉弟のようですね。さらに時間帯によってはもう一人の弟さんが手伝いに入る模様。姉弟仲良く長年続けてきた家庭食堂、もうそれだけでここが貴重な存在に思える。

みたけ食堂

棚から溢れんばかりの勢いで並べられたおかず、どれもうまそうで目移りしてしまう。
二段目、三段目まで…すごい品数だ。このセルフスタイル、センスが問われる。

みたけ食堂

小鉢系もよりどりもどり。
ちなみに、おかみさん曰く放送前の時点で既に番組のファンが多数来店していて料理を追加するそばから減っていってしまう状況だそう。「せっかくだから料理で埋まってる状態をぜひ見て行ってほしい」とのことで、補充されたタイミングで改めて撮影させていただきました(笑。あるものから選んで食べてって、じゃなくて、いっぱい用意した中から好きなものを好きなだけ食べていってほしいというお店としての愛と誇りが垣間見える一言だと思います。

みたけ食堂

カウンターの上にはサービスのお新香。業務用の既製品じゃなくて自家製らしき大ぶりの大根。こんなの取り放題でいいの?ちょっとだけ申し訳なくも、嬉しくなる大サービス。

みたけ食堂

この日のマイセレクション。豚しょうが焼きはドラマには登場しなかったけど、大将によると実は一番人気らしい。まあ、ティザー映像によるとしょうが焼きは今後他の回で登場するようですからね。
でもかつてきぬ川でぶた肉いためを食べ損ねた私としては、改めてここで豚しょうが焼きを食べてこその孤独のグルメ聖地巡礼だろうと思ったわけです。

ライスには当然お新香を載っけてきました。普通サイズでも一般的な食堂の大盛り以上はありそうなボリューム。でも働くための力にするならこれくらいは食べてかないと!とおかみさんに発破かけられているような気がしてきます。

みたけ食堂

食べ応えある大判の豚肉。ちょっと濃いめの味付けがごはんを誘う。そうそう、こういう味付けこそ働く男のメシ。大衆食堂の王道ど真ん中メニューとしてこれが出てくるなら一番人気というのも納得です。

みたけ食堂

納豆。ごく普通の納豆でも刻みネギが振りかけてあるだけでごちそうになる。
我が家の朝食は基本的にパンだけど本当はごはん派だから、朝からこうやって白飯に納豆を食べられる口福。(朝からしょうが焼きを食うな)

醤油をかけたらあとはひたすら混ぜる、混ぜれば混ぜるほどおいしくなる。そしてごはんと一緒にかっこむ。
納豆をかき混ぜるという行為、それは祈りだ。

みたけ食堂

もつ煮込み、嬉しいネギだく。汁にコラーゲンが溶け出したこってりドゥルドゥル系のもつ煮込み、大好物。
モツもおいしいけどとにかく汁がうまい。汁をおかずに白飯が進むし、五郎が最後にごはんにかけちゃったのも頷ける。

こんなもつ煮を出してくれる店が近所にあったらなあ。

みたけ食堂

せっかくだからいろいろ食べたい、ということでこちらはサンマ。
なにげに今シーズンの初サンマ。いつどこでどう食べようかと考えていたけど、こういう形で食べることになるとは。

この店、本当にごはんに合うおかずで満たされている。しかも安いからどれだけ食べても財布にやさしい。こんなありがたいことが他にあるだろうか、いやない。

みたけ食堂

おかみさんに「二番人気も良かったら食べてって」と勧められたハンバーグ。しょうが焼きの次に人気があるメニューだとか。
イメージしてたよりも小ぶりのハンバーグが二つ。ちょっと緩めで、でもソースが濃いめの男っぽい味がまたしても白飯を呼び込みます。これを主軸に据えても良し、でもガッツリ空腹時なら案外サイドメニューにしてもイケそうなボリューム感。

いろいろ食べたけど、どれもこれもおいしかった。いや、どれも確かにおいしいけどそれ以上に大将とおかみさんの人情がこもった味に感じられて、温かい気持ちに満たされました。

なお、提供されるおかずは日替わりでお目当てのものに巡り合えるかどうかは完全に運次第。ただ大将とおかみさんが「放送から一週間は肉じゃがコロッケとなすみそ、たくさん用意しておかないと」と話していたから早めに行けば五郎&毛利’s セレクションコンプも可能かもしれません。

ごちそうさまでした。
…なのですが、他にもいろいろ食べてきたのでレポートは明日に続きます。

『孤独のグルメ』聖地巡礼 全店レポート Season1~10&原作
ドラマ&漫画『孤独のグルメ』の聖地を実際に巡礼してきた本人によるまとめです。(※2017 年大晦日スペシャルの広島編、2019 年大晦日スペシャルの釜山編、2023 年大晦日スペシャルの台湾編、および原作の病院、パリのみ未巡礼)。 ドラマ...

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