衝撃のニュースが飛び込んできました。レッドブルがチーム代表のクリスチャン・ホーナーを解任、ホーナーは即日チーム離脱とのことです。
レッドブルに激震! クリスチャン・ホーナー代表を電撃解任。後任はレーシングブルズのローレン・メキーズ代表
表面的に見える状況から考えると「今シーズンはドライバーズ/コンストラクターズともにチャンピオン獲得が絶望的な状況になったこと」が解任の理由に思えそうですが、問題はもっと根深い。発端はレッドブル(親会社)の共同創設者であるディートリッヒ・マテシッツの死去に伴うチーム内の権力闘争と、昨シーズン開幕前のスキャンダル(まあこれも権力闘争の一環だったのではないかと思いますが)で、エイドリアン・ニューウェイ(→アストン)やジョナサン・ウィートリー(→ザウバー)といった上級職を筆頭に多くのスタッフが離脱。その結果 RBR はマシン開発もレース運営もかつての力を失い、もはやトップチームと言えない状態に陥っています。
しかしチーム創設から 20 年にわたって RBR を率いてきたホーナーが、シーズン終了後ではなく「即時解任」という処分は相当重い。これは噂になっていたマックス・フェルスタッペンのチーム離脱が確定し、チーム力を構成していた最後の 1 ピースを失ったことでいよいよ詰め腹を切らされた可能性が高いのでは。逆にここまでホーナーを擁護してきたレッドブルが急転直下の決断を下すのにはそれ以外の理由が考えられません。
まあ個人的にはこの判断は一年遅かったと思っています。ニューウェイやウィートリーを失う前にホーナーを切っていればこのような状況にはなっていなかったはず。まあ自チームのセカンドドライバー選定に合理的な判断を持ち込めなかったレッドブルのことだから、このお家騒動も政治的駆け引きの結果に過ぎないのでしょうが。
ホーナーに代わってレッドブルの代表を務めるのは VCARB のローレン・メキース。VCARB の方はレーシングディレクターだったアラン・パーメインがチーム代表に昇格しました。
フランツ・トストの後を継いでレーシングブルズを率い、中団チームとして着実に成長させた力量には期待できそう。またトストとは少し違うアプローチながらドライバーとの信頼関係構築のうまさも美点だと思います。個人的には VCARB 時代の角田をずっと支援し続けてくれたことに好感を持っています。
ただトップチームを率いるのにナイスガイで本当に大丈夫なのか?は少し不安もあるところ。ホーナーやトト・ウォルフのように時に冷徹な判断が必要とされる場面もあると思うのです。メキースが VCARB ではあくまで育成チームの代表としてのスタンスを取ってたのか、それとも RBR に移っても同じキャラクターで居続けるのか、レッドブルの将来はそこにかかっているような気もします。
いずれにしてもチーム体制がガタガタなレッドブルが首をすげ替えた程度で急に成績が上向くわけもなく、しばらくは苦しい状況が続くでしょう。メキース体制のもとでエンジニアリングを再構築するところから始めるとなると、競争力を取り戻すのに少なくとも 2~3 年はかかる覚悟が必要だと思います。
角田贔屓のメキースが代表になったことで角田の契約延長もあり得るのではないでしょうか?仮にフェルスタッペンが離脱するのであれば尚更その可能性はあるかと。RBPT の責任者でもあったホーナーがいなくなることで、角田とセットでホンダとの関係継続というウルトラ C まであったりしたら面白い。
正直なところ突然すぎてまだ頭の整理が追いついていませんが、ここから玉突きでさらにいろんな動きに繋がりそう。次のスパまで少し間が空くし、その後はサマーブレイクも控えているし、シリーシーズンが加速しそうです。




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