私は基本的に今稼動しているノート PC は一通り SSD 化しています。もう一度慣れてしまうと HDD には戻れない(笑。でも、SSD 搭載のノートを使うようになってかれこれ 3 年あまりが経つけど、最近 SSD にもデフラグしたほうが良いという説も耳にするようになりました。ということで、ちょっと調べてみました。
「Defraggler」でSSDの空き領域のデフラグを行う|HDD NAVI
SSDの性能低下とTrimの効き具合を大検証! | SSDパーフェクトガイド | DOS/V POWER REPORT
SSD のデータ領域へのデフラグはあまり意味がない(むしろ頻繁にやりすぎると SSD の劣化を早める可能性があるので、OS の定期デフラグ機能はオフにしたほうが良い)とはよく言われますが、「空き領域」に関してはデフラグしてやったほうが良いようですね。
ここで紹介されている「Defraggler」というユーティリティを試してみました。
なんだ、このツール私が愛用している HDD クリーニングソフト「CCleaner」と同じ Piriform 製じゃないですか・・・。
最近の Windows 標準のデフラグ機能は UI 的にあまり面白いものではないですが、このツールのようにディスクの状態をリアルタイムに表示しながら動いてくれると、ついじーっと見ちゃいますね(笑。
SSD に対して空き領域のデフラグを行う場合は、メニューから「アクション」→「拡張」→「空き領域のデフラグ」を選択します。データ領域のデフラグに比べればかなり短い時間(ディスクの状態にもよるけど数分程度)で完了します。
じゃあどのくらいパフォーマンスが改善するものなのか?ということで、2 年前に SSD 化したまま特にメンテナンスもせずに使い続けている VAIO type T(TX)で動かしてみました。SSD は SAMSUNG の「MCBQE64GKMPQ-M1A」です。通常のデフラグ(データ領域のデフラグ)とどれくらい違うか、を比較するために、デフラグ前→通常のデフラグ後→空き領域のデフラグ後、で CrystalDiskMark で計測してみたのがこちら。
状態 | デフラグ前 | デフラグ後 | 空き領域の デフラグ後 |
---|---|---|---|
Sequential Read | 57.246 MB/s | 57.096 MB/s | 57.180 MB/s |
Sequential Write | 26.679 MB/s | 27.364 MB/s | 27.203 MB/s |
Random Read 512KB | 56.969 MB/s | 56.689 MB/s | 56.847 MB/s |
Random Write 512KB | 7.430 MB/s | 7.650 MB/s | 7.697 MB/s |
Random Read 4KB (QD=1) | 13.366 MB/s | 12.630 MB/s | 12.918 MB/s |
Random Write 4KB (QD=1) | 0.105 MB/s | 0.105 MB/s | 0.103 MB/s |
Random Read 4KB (QD=32) | 15.491 MB/s | 15.366 MB/s | 15.509 MB/s |
Random Write 4KB (QD=32) | 0.108 MB/s | 0.107 MB/s | 0.103 MB/s |
うーん・・・誤差?(´д`)
残念ながらほとんど有意な差が出ていませんね。フラグメンテーション自体はかなり進行していたので、何かしら意味のある結果が出るかと思っていたんですが。まあ、今はもう妻子のメインマシンになっていて、Web とメールくらいにしか使われていないので、それほど速度低下するような使い方もされていないのは事実ですが。
これじゃああまりにも寂しいので(笑)もう 1 台試してみました。私が去年 1 年ほど仕事でメインモバイルとして使っていた VAIO type P(初代)です。WinXP 化してから半年ほどはあまりメンテナンスしていなかったので、これなら SSD は type T 以上に酷使されているはず。
搭載している SSD は SAMSUNG の「MMCQE28GFMUP-MVA」。SATA のドライブですが、チップセットが PATA 専用なので内部的に SATA-PATA 変換が入っているものです。
ちなみにこちらはデフラグ前→空き領域のデフラグ後→通常のデフラグ後、という順番で計測してみました。
状態 | デフラグ前 | 空き領域の デフラグ後 | デフラグ後 |
---|---|---|---|
Sequential Read | 68.86 MB/s | 69.77 MB/s | 69.02 MB/s |
Sequential Write | 47.20 MB/s | 50.15 MB/s | 48.88 MB/s |
Random Read 512KB | 67.27 MB/s | 67.57 MB/s | 67.10 MB/s |
Random Write 512KB | 24.33 MB/s | 26.80 MB/s | 29.36 MB/s |
Random Read 4KB (QD=1) | 11.29 MB/s | 10.71 MB/s | 10.61 MB/s |
Random Write 4KB (QD=1) | 5.52 MB/s | 5.66 MB/s | 5.55 MB/s |
Random Read 4KB (QD=32) | 15.14 MB/s | 13.98 MB/s | 14.30 MB/s |
Random Write 4KB (QD=32) | 2.19 MB/s | 2.74 MB/s | 2.56 MB/s |
あっ、小数点以下二桁までしかデータをとっていなかった(汗。
でもこちらは空き領域のデフラグ後に誤差とは思えない程度に数値が向上しているので、効果はあったと言っていいんでしょうか?ただ、その後通常のデフラグをかけたら数値が悪化したので、デフラグによって逆に空き領域側のフラグメンテーションが発生してしまった可能性はあります。さらに空き領域にデフラグをかけるとまた改善するのかもしれません。
まあ、それでも 10% にも満たない程度の改善にすぎないので、体感速度に違いが出たかと言われれば、正直あまり効果はないというのが正直なところですが・・・。解説サイトのほうでは明らかに速度が向上しているのは、効果が出やすいタイプの SSD だったか、ツールを使って強引にフラグメンテーションを発生させているので極端に差が出たか、ということなのかもしれません。
うーん、搭載している SSD の質にもよりますが、メインマシンとして毎日バリバリ使っている PC でもない限り、SSD のフラグメンテーションによる速度低下はあまり気にしなくても良いのかもしれませんね・・・。
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