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F1 オーストラリア GP 2012

オーストラリアGP決勝 バトンが開幕戦を制す! – GPUpdate.net

2012 年シーズンのこけら落としはまず J. バトンがフロントロウからの優勝を飾り、幸先のいいスタートを切りました。
バトンの好調ぶりはまるで 2009 年のブラウン GP 時代前半を思わせる完勝で、スタートでハミルトンを交わしてからは 2 位以下に 10 秒近いマージンをキープしたまま、レースを支配しました。後半にセーフティカー導入でヴェッテルに直後に着かれても動ぜず、落ち着いたレース展開。個人的には去年の 3 度の優勝のような戦略勝ちのほうが観ていて興奮しますが、このレースでの勝ち方のほうがバトンらしいというか。別に後続が遅くてラクなレースだった、というわけではなく、バトンがペースとタイヤを完璧にマネジメントした結果だと言えるでしょう。
ヴェッテルも決して遅かったわけではありませんでしたが、このアルバートパークサーキットの特性がマクラーレン MP4-27 の方に合っていたことが大きいでしょう。今シーズンは、少なくともレッドブルとマクラーレンの関係性に限って言えば、昨シーズン終盤の勢力図をそのまま持ち越したような状況になっていると言えそうです。昨シーズン、開幕直前にマシンの空力コンセプトを根本から変更しながら、後半にはほぼレッドブルと遜色ない速さを見せていたマクラーレンが、開幕から速さと信頼性を備えたマシンを投入してきたのだから、今季のレッドブルの苦戦は必至と言えそうです。


今回、予選で速さを見せたのは間違いなくロータス(グロジャン)とメルセデス(ミハエル)。どちらも序盤でリタイアしてしまったのは残念でしたが、それぞれチームメイトのライコネンとロズベルグが最後までポイント争いを繰り広げたことも考慮すると、マシンのポテンシャルは高そうです。ただメルセデスは一発の速さはあるもののロングランのペースに不安があるようですが、ロータスは予選・決勝ともにコンスタントに速く、うまくすれば表彰台争いの常連に顔を出しそうな勢いです。ライコネンがミスで Q1 落ちしていなければ今回もどうなっていたか分からない部分はあるので、今季のダークホース・ロータスの動きには今後も注目でしょう。
あとこのレースでの台風の目と言えそうなのは、ウィリアムズのマルドナド。最終ラップにまさかの単独クラッシュでレースをフイにしていなければ 6 位フィニッシュ、しかもあわよくばアロンソを喰って 5 位に食い込もうという走りには驚きました。マルドナドは昨シーズンも速さの片鱗を見せてはいましたが、大方の予想に反して今年のウィリアムズ・ルノーのマシンはまとまりが良さそうです。技術部門の統括があのスパイ事件で一時 F1 界を追放されていたマイク・コフランというのがイメージ悪いですが、長きにわたるフランク・ウィリアムズ+パトリック・ヘッド体制を脱して新生ウィリアムズチームを確立するシーズンとできるかどうか。

逆にイマイチパッとしなかったのがフェラーリとフォースインディア。フェラーリはマッサの不甲斐なさを見る限り、やはりマシンは厳しそう。アロンソが暴れ馬を抑えつけて 5 位入賞したのはさすがといったところですが、今年もアロンソ一人しか稼げないシーズンになるのかどうか。場合によってはマッサのシーズン中更迭もあるんじゃないかというくらいの体たらくですが、後任候補と言われるペレスがシーズン途中にザウバーを離れてしまうのは、ザウバーの財政事情的にそれはそれで不安です(もしそうなった場合、フェラーリがそれなりの金額で契約を買い取るのでしょうが・・・)。
フォースインディアは昨年終盤の勢いが感じられない、パッとしないレースでしたね。ディ・レスタがファイナルラップの混乱をうまくすり抜けてポイントフィニッシュしましたが、去年の流れからすると今年はトップ 5 を狙える位置に来ると思っていただけに、肩透かしでした。まあ今回は市街地サーキットという特殊性を割り引いて評価する必要はあるでしょうが。
あと、トロロッソは新人 2 人という体制でいきなり 9-11 位フィニッシュというのはなかなか。リチャルド+ヴェルニュの 2 人はそれなりに安定感のあった昨年までのブエミ+アルグエルスアリとはまた違った勢いを感じるので、今後が楽しみです。

最後に我らがザウバー。ファイナルラップの混乱でわけがわからないことになりましたが、終わってみれば可夢偉 6 位、ペレス 8 位という堂々たるリザルト。ペレスのギヤボックス交換ペナルティによる最後尾スタートからの 8 位フィニッシュというのも立派ですが、可夢偉のレース全般にわたってライコネンやロズベルグとやり合った結果の 6 位というのはとても価値があると思います。少なくとも現時点ではロータスやメルセデスと渡り合えるだけのポテンシャルを持ちつつ、1 ストップ作戦もこなせるタイヤに優しいマシンであることが証明されたことは、大きな収穫と言えるのではないでしょうか。逆に言えば、今シーズンは昨年以上に中団グループの差が小さく、どこも突出したチームはないということでもあるので、毎年の例に漏れず資金難で、さらに開幕直前に TD のジェームズ・キーが離脱した状況下では、シーズン後半には失速してしまう可能性が限りなく高い。ということで、ザウバーの 2 人には序盤戦の戦力差が確定していない段階でできるだけポイントをもぎ取っていってほしいところです。

シーズンはいよいよ始まったわけですが、今日のところはまだまだ市街地サーキットでの勢力図が明らかになったにすぎません。第 2 戦はさっそく来週、高温多湿のパーマネントサーキット、マレーシアはセパン。中高速コーナーが多く、レッドブルが本領を発揮できるサーキットでもあります。おそらくここでヨーロッパラウンド前までの真の勢力図が見えてくることでしょうし、要注目です。

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