間が飛び飛びで恐縮ですが、シグマ 50mm F1.4 EX DG HSM のレビューをそろそろ総括したいと思います。
[ Canon EOS 7D / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM ]
F1.4、1/400 秒、ISO200
まとめっぽい評価をすると、このレンズは開放ではソフトフォーカス気味で、少し絞ることでシャープになる、絞り値によって描写の性格が変わるレンズだと思います。F1.4 のときのピントの柔らかさは、もっとシャープなものを好む人には受け入れにくいでしょうが、F1.4 からカリカリシャープなレンズもそうあるものではないので。個人的には、APS-C 機につけて 75~80mm 相当の中望遠レンズとしてポートレート等を撮るのであれば、周辺減光が気にならないこともあり、逆にこの柔らかさは武器になると感じました。逆にフルサイズ機で標準レンズとして使うなら、常用は F2.8 以降かな、という印象です。
[ Canon EOS 5D Mark III / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM ]
F16、1/250 秒、ISO50
よく「写真は 50mm に始まり 50mm に終わる」と言いますが、初めてフルサイズ機で 50mm を使ってみて、改めて 50mm のフレーミングって難しいな、と痛感しました。普通に撮ると普通の写真にしかならないのです。その点では、最近 5D3 の常用レンズにしている EF40mm F2.8 STM のほうが、標準レンズよりも少しだけ広い画角が構図やパースを作ってくれる分、適当に撮っても画になりやすいというか(笑。
50mm でも足で寄ったり引いたりアオリをつけたりすることで、望遠っぽくも広角っぽくも撮ることはできるので、結局は自分の腕次第なんですよね。でもそれが頭では解っていても、実践するとなると何と難しいことか。そういうことも含めて「写真は 50mm に始まり 50mm に終わる」ということなんでしょうが。ズームやレンズ交換に頼りすぎずに、レンズ一本で勝負する訓練をすべきなのかもしれません。
[ Canon EOS 5D Mark III / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM ]
F2.8、1/50 秒、ISO100
F2.8 の描写はやっぱりいいですね。ピント面のシャープさとボケの柔らかさの対比が絶妙。そこだけを見たら私の愛用する Planar 50mm F1.4 ZS を超えているかもしれません。50mm 単焦点としての Planar はこの上なく気に入ってはいるんですが、たまに AF で使いたいときもあるんですよねー。そういうとき、このレンズの描写ならば十分に応えてくれる気がします。
しかし 50mm でこれだけ寄っても寝てるネコを起こさないのは、5D3 のサイレントシャッターさまさまですね。子ども撮りとか街撮りとか、あまり音を立てたくないシーンも多いので、なんだかんだで連写優先のとき以外は 5D3 をほぼサイレントシャッター設定にして使っています。
[ Canon EOS 5D Mark III / SIGMA 50mm F1.4 EX DG HSM ]
F11、1/50 秒、ISO1600
フルサイズ機を使うようになってから、今までは滅多に撮らなかった構図やモチーフにもつい挑戦してみたくなって、自分でも少し写真の撮り方が変わってきたかなと感じています。50mm はその基本中の基本となるレンズ。50mm としては最新クラスの設計であり、大きく重いことを除けば描写的には申し分ないレンズだし、具体的に購入を検討しようかと思っています。まあ、その前にフルサイズ対応標準ズームが先ですが・・・。
数年前から噂に上っては消える「EF50mm F1.4 USM リニューアルの噂」がありますが、これが実際に出てくるのが先か、私がこのレンズを買うのが先か(笑。
シグマ / 50mm F1.4 EX DG HSM (キヤノン用)
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