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F1 日本 GP 2012 決勝 -可夢偉初表彰台!-

日本GP ヴェッテルが優勝、小林が3位表彰台!!! – GPUpdate.net
可夢偉 歓喜の初表彰台 – GPUpdate.net

ついにこの日がやって来ました。

日本 GP 決勝は、小林可夢偉が 3 番グリッドからのスタート。課題だったスタートダッシュも今季最高の形で決め、ウェバーを抑えながら 2 位で 1 コーナーに入っていくことに成功しました。その後、ウェバーとグロジャン、アロンソとライコネンの接触があってセーフティカーイン。アロンソはそのまま後輪がパンクしてリタイア、ウェバーも下位に沈み、可夢偉にとっては理想的な状態でレースが始まりました。
とはいえ今回の可夢偉車はタイヤが厳しめで、後続のバトンやマッサに追われる展開。抜きにくい鈴鹿とはいえ、DRS ゾーンに入られたくはありません。バトンが早めのピットインでアンダーカットを仕掛けてきた翌周にザウバーも反応してピットインし、バトンを抑えることには何とか成功したものの、マシンの仕上がりが良かったマッサがその間にペースを上げて先行。タイミング的に両者ともどもを抑えるのは難しかったかもしれませんが、あそこでバトンに反応していなければもう少し違った展開があったかもしれません。
以降の可夢偉はマッサを追いかけながらバトンから逃げるレース。途中、バトンがギヤボックストラブルで少しペースを落とすシーンがあったものの、全体的にはフェラーリとマクラーレンのほうが速く、マッサには徐々に離され、バトンには少しずつ詰められる展開が続きました。それでもポジションをキープしたまま 2 回目のピットストップも済ませ、あとはコース上の勝負に。ピット作業の遅さが課題だったザウバーも、今回は完璧な作業で可夢偉をアシストしました。
終盤まで可夢偉とバトンは自己ベストを出し合いながら、最後までマシンとタイヤの性能を絞り出して競った結果、0.5 秒差で可夢偉が勝利。ピレリタイヤの「クリフ」がいつ来るかヒヤヒヤものでしたが、可夢偉はそれでもラスト 5 周のためにわずかな余力を残していたかのようにも見えました。

最終的に、可夢偉は日本人として 8 年ぶり 3 人目、日本グランプリでの日本人ドライバーとしては鈴木亜久里以来 22 年ぶりの 3 位表彰台を獲得。先人 2 人の場合はタナボタ的な要素もありましたが、今回の可夢偉は(アロンソとウェバーの脱落があったとはいえ)シーズンを通じて相応の実力があり、レースでも最後まで真正面から戦い、マクラーレンの 2 台を後ろに従えての 3 位なので、正真正銘の表彰台です。だって今年はワールドチャンピオン経験者が 6 人も走っているんですよ!?一昨年の鈴鹿でのオーバーテイクショーは後ろからのスタートだったのに対して、今年はオーバーテイクでの見せ場こそありませんでしたが、ポジションを守るレースができる状況になった、というのは大きな進歩だと思います。
可夢偉の来季の去就はまだ不透明なままですが、このまま残りのレースでも今回のような勝ちパターンを確立していって、来年に繋げてほしいですね。少なくともザウバーはペレスが離脱する今、チームや開発の継続性を断つべきではないと思います。


他のドライバーに目を向けると、今回もやってくれたグロジャン。2 番手スタートのウェバーに特攻したことを考えると、もしヴェッテルにグリッド降格ペナルティが課せられて可夢偉が 2 番手スタートだったら…と想像すると恐ろしいです(´д`)。今回は結果的にライコネンとグロジャンが可夢偉の表彰台を助けた格好になりましたが、あと一回同じような事故を起こすようなら、FIA はグロジャンの処遇を考えたほうがいいと思う。
チャンピオンシップという意味ではアロンソは悔やんでも悔やみきれないでしょうね。今季は自身にミスらしいミスはなく、2 回のリタイアはいずれももらい事故。それでレース前までヴェッテルと 29pt あったポイント差が、レースを終えた時点で一気に 4pt 差まで詰め寄られてしまいました。これはもうポイント差がないに等しく、次のレースでヴェッテルが勝ったら逆転されてしまうことを意味します。あとは現実的に可能性が残っているのはせいぜいハミルトンとライコネンまで。29pt 差であればアロンソは残りのレースで勝てなくても 2 位を続けていけばチャンピオン獲得の可能性は高い、と思っていましたが、こうなってくると直近のマシン性能的にはむしろヴェッテルのほうが可能性は高いのではないかとさえ思えます。なんだか 2010 年のチャンピオンシップ終盤の状況にだんだん似てきましたね…。

という複雑な状況を抱えながら、次は来週の韓国 GP がすぐにやってきます。ドライバーたちはほとんど休む暇もなく(とはいえ、多くのドライバーはこの後東京で 2 日間ほど過ごしてから移動するようですが)転戦していきます。でも、今は可夢偉に表彰台の喜びをじっくり噛みしめてほしい。おめでとう可夢偉!

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