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TOHO シネマズの 3D 方式

上映期間中にもう一度劇場で観ておきたい、と思っていた『レ・ミゼラブル』を観に、六本木ヒルズの TOHO シネマズに足を運んできました。
やっぱりこの映画は何度観ても良い。BD は間違いなく買って損はないけど、やっぱり劇場の音響の包囲感に包まれてこそだよなあ、と余韻に浸っていたら、館内でこんな掲示を見つけました。

TOHO シネマズオリジナル 3D メガネ

へええ、3D 方式が変更になったのか。そういえば六本木ヒルズでの 3D 映画といえば XpanD 方式で観た『AVATAR』が今のところ最初で最後で、それ以来六本木で 3D 映画を観ようなんて全く思わなくなったなあ(2D 映画については画音質ともに満足できるクオリティなのでよく利用するけど)…と内心呟いていましたが、待てよ、オリジナル 3D メガネって何の方式なんだ?というのが気になり始めました。
掲示の内容によると「MasterImage と RealD のメガネの使用は推奨しない」ということで、「使えない」ではなく「推奨しない」ということは円偏光方式なんでしょう。とすると、可能性として高いのは残る円偏光方式である Sony Digital Cinema 3D でしょうか。


このあたりの話を調べてみようにも、ググってもなかなかそのものズバリの答えには辿り着かなかったのですが、いくつかの状況証拠からある程度確信が持てました。

まず、私が昨年夏に『アメイジング スパイダーマン』を鑑賞した TOHO シネマズ渋谷では、Sony Digital Cinema 3D を採用していたこと。そして、TOHO シネマズの Web サイト中の 3D 方式に関する記述で、当の TOHO シネマズ渋谷が「TOHO シネマズ 3D メガネ導入劇場」となっていること。

デジタル3D上映について || TOHOシネマズ

最後に、2 年前の TOHO シネマズ甲府における Sony Digital Cinema 3D 世界初導入のプレスリリース文で

Sony Digital Cinema™ 3Dで更に快適な3D鑑賞を ~4Kデジタルシネマプロジェクターによる、なめらかで自然な高画質3D上映~ 3月17日(木)グランドオープンの”TOHOシネマズ 甲府”で世界初導入 (PDF)

「今後、TOHOシネマズが新しくオープンする劇場にはSony Digital Cinema™ 3Dを採用していく予定です。」と明記されていること。
TOHO シネマズの中で上田(長野県)だけが「ソニーデジタルシネマ 3D 導入劇場」と書かれているのが不可解ですが、TOHO シネマズは基本的に MasterImage/RealD 方式から Sony Digital Cinema 3D 方式への設備転換を進めており、Sony Digital Cinema 3D 導入劇場では原則としてオリジナル 3D メガネを配布している、ということではないかと推測します。
あえてオリジナルメガネを採用している理由としては、メガネの上から掛けられるようにすることで別途クリップオンタイプを用意するコストを省けることと、オリジナルメガネの説明文に「TOHO シネマズの 3D 上映であれば、どの劇場でもご利用頂けます」と記載されていることから、もしかすると 3D 効果や画質よりも MasterImage/RealD にも対応できる汎用的な特性で作られている可能性が考えられるんじゃないでしょうか。どの劇場にどの方式の 3D システムが導入されているかは明記されていないので、オリジナルメガネ導入劇場でも機材は MasterImage 3D、ということもあるかもしれませんが。

3D が注目されていた 2~3 年前とは異なり、今は検索してみてもなかなか 3D 方式に関する詳細情報にヒットしないくらい、3D は注目されなくなったというか、逆に言えば映画館にとってみれば当たり前の技術になってきたということなのかもしれません。クオリティに関しても、昨年末に観た『ホビット』で XpanD 方式の画質の大幅な改善は確認できましたし、現在主要な映画館で採用されている 3D 方式であればどれも画質面で大きな不満は感じないのではないかと思います。まあ、私は最近ハリウッド映画に食傷気味なので、3D 作品も年にせいぜい 2~3 本しか観ていませんけどね…。

3D かどうかはさておき、楽しみにして観に行ったのに映画館の画音質に満足できなくてがっかり、ということも少なくありません。多くの映画館では席数とスクリーンサイズ、スピーカのチャンネル数くらいは公開されていますが、できればもう少し細かい設備情報まで公開してほしいところです。ま、設備として新しくてもセッティングがひどい横浜ブルク 13 のような例もあるので、実際には行ってみないと分からない、というのが残念ながら現実でしょうが…。

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