インドGP決勝 ヴェッテル優勝で4連覇達成! – GPUpdate.net
ヴェッテルのワールドチャンピオン確定がかかったインド GP は、いつもとは違うレース戦略でも圧倒的な速さを見せつけたヴェッテル&レッドブルがシナリオ通りの優勝。夏休み明け以降破竹の 6 連勝で、ドライバーズ&コンストラクターズでの 4 連覇を成し遂げました。
いつもならばポールスタートから 3 周の間に圧倒的なリードを築き上げて最後まで逃げ切るレッドブルですが、今回はなんと 2 周目にソフトタイヤを捨ててピットイン。そこからはミディアムタイヤで追い上げ、オーバーテイクして勝つ、というレッドブルらしからぬ戦略。スタート時に履いていたソフトタイヤが極端にもたないから、というのも理由の一つでしょうが、チャンピオンを決めに行くにあたり「こういう勝ち方も実はできる」ことを見せつけたかったのかな、と穿った見方をしたくもなります。加速重視のギヤレシオを選択しがちなセッティングでも、今回はオーバーテイクを前提にトップスピード重視にしてきた、というのも興味深いところ。
さりとてこの勝利も簡単なものではなく、中盤にウェバーがオルタネータートラブルでリタイア。その後、ヴェッテルにもピットから「ドリンクを使うのをやめろ」という指示が出るなど、同様のトラブルを抱えていた可能性はあります。終盤はペースセーブする場面も見られましたが、今季後半のヴェッテルはどんな戦略も遂行してしまう力強さと、悪運を寄せ付けない神がかり的な強さを兼ね備えていました。文句なく、4 年連続のワールドチャンピオンに相応しい。ヴェッテルばかり勝ちすぎると面白くない、と思う部分もありますが(笑)、この結果には素直におめでとうと言いたいです。
対称的なのはアロンソ。どんなマシンでもクルマの素姓以上の結果を残せる強さはヴェッテル以上だとは思いますが、ヴェッテルに比べると運のなさは否めないところ。今回もスタート直後に接触し、順位を大きく落とした時点でヴェッテルの戴冠はほぼ確定していたと言えます。来季はチームメイトにライコネンが来ることになりますが、発奮してより高い成績を残せるのか、それともフェラーリのモンテゼモロ会長との確執がより強まることになるのか。
ロータスは 2 台とも 1 ストップ戦略に出るというギャンブルを敢行。このまま手をこまねいていてはコンストラクターズランクでフェラーリとメルセデスに勝てないので、一発逆転のチャンスを狙ったというところでしょうが、これが成功。ライコネンはラスト数周でタイヤ・燃料ともに限界を迎え、2 位から 7 位に後退してしまいましたが、グロジャンが 3 位表彰台を獲得。なにげに韓国 GP からの 3 戦連続ポディウムで、最近高まってきている安定性を証明する結果になりました。来季のチームメイトはスポンサーの PDVSA 持ち込みでマルドナドが濃厚と言われていますが、この状況ならばグロジャンがエース待遇を受けてもおかしくありません。
両チャンピオンが決定して残り 3 戦は消化試合という形になりますが、それぞれのレース自体はまだまだ目が離せません。特に、メルセデス・フェラーリ・ロータスのコンストラクターズ争いと、ストーブリーグに向けて残り少ないシートを賭けた争いがさらに熾烈になりそうです。いっぽうで、チャンピオン争いの重圧から解き放たれたヴェッテルの切れた走りと、現役生活残り 3 戦となったウェバーが最後にもう一花咲かせるのか、にも注目していきたいところ。アブダビ GP は、もう今週末です。
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